NECは3月29日、AIを活用し地雷埋設エリアを予測する実証実験を行ったと発表した。同実証実験は、2021年6月に開始した赤十字国際委員会(ICRC)との共創プロジェクトの一環として行ったものとなる。

今回の実証では、ICRCから河川・山岳地帯などの地形情報、工場や重要建物の位置といったオープンデータや、住民からの情報などの提供を受け、NECのAIで有効な情報を選択し分析することで、地雷埋没の可能性が高いエリアを予測した。アジア地域の紛争地の情報を基に予測したところ、実際に地雷が埋設されていた位置との合致率が約90%と、高精度に予測できることを確認できたという。

  • AIで予測した地雷埋設エリア(赤円)と、実際に埋設されていた位置(黄緑点)との比較。実証実験ではAIで予測するエリア(赤四角枠)をあらかじめ特定した

    AIで予測した地雷埋設エリア(赤円)と、実際に埋設されていた位置(黄緑点)との比較。実証実験ではAIで予測するエリア(赤四角枠)をあらかじめ特定した

NECは今後、他のアジア・アフリカ地域などの情報を基にした実証実験や、ドローンや人工衛星などリモートセンシングにより得られる情報の活用を通じて、AIの予測精度と分析速度を向上していく計画だ。

また2023年度中に、同AIを活用した地雷埋設エリアの予測ソリューションを、各国の政府や国際機関などに提供することを目指す。