米Domoがこのほど発表した従業員の生産性と戦略的エンゲージメントに関する調査結果によると、企業のデータや最新テクノロジーの利用の有無が、従業員の業績への貢献度に影響を与えているという。

同調査は、米国(2001人)、英国(500人)、オーストラリア/ニュージーランド(500人)の、フルタイムで働く18歳以上の成人を対象にオンラインで実施したもの。調査対象者にはデスクワーカー、非デスクワーカー、管理職が混在しており、性別は等分、年齢層・居住地域・人種は多様とのこと。

まず、重要なビジネス目標やインサイトについて、多くの従業員が理解していないと回答しているという。「全社的な戦略について知らされていないと感じる」という回答者が31%、「戦略的アイデアを得るためのデータを利用する権限がもっとあるといい」との回答が45%に上っている。

多くの従業員が、「毎日の仕事量に対応するための適切な環境が整備されていない」と回答しており、62%の従業員が「より優れたテクノロジー・ツールがあれば、もっと多くの仕事をこなせる」と回答している。

同社は、テクノロジーや戦略的データの不足が従業員を「スリープ・ワーキング(潜在能力を十分に発揮できない)」状態にしていると指摘する。

58%の従業員が、過去5年間でテクノロジーに対するニーズは高まっているにも関わらず、「テクノロジー・ツールを利用する権限が追い付いていない」と回答している。

組織的にテクノロジーの利用に投資するメリットについて、テクノロジーの利用に組織的に投資することは、個々の従業員のエンパワーメントにとどまらず、コスト削減や離職率の低下も期待できると同社は指摘する。

回答者の24%が、「過去12か月間の職場の離職率が高かった」と回答しており、「テクノロジー・ツールがもっと必要な職場だった」という回答者が71%を占めている。米国内の企業だけでも、従業員に適切なテクノロジーを提供することによって、毎週65億ドルの労働時間を取り戻すことができると同社は推計する。

また従業員の62%が、「便利なテクノロジーの利用が増えれば、職場でより幸せになれる」、58%が「テクノロジーの利用を増やすことで、景気後退を乗り切ることができる」と回答している。

同社CEOのジョン・メラー氏は、「従業員がスリープ・ワーキング状態の場合、企業は従業員の潜在能力を十分に引き出せていません」とした上で、調査結果について「適切なデータとツールを利用できるようになれば、全ての従業員がより幸せに仕事を行い、ビジネス・インパクトを与えるマルチ・プレイヤーとなることができること、また、テクノロジーの利用を増やすことで、景気後退を乗り切ることができることを示しています」と分析する。