横浜市立大学とディー・エヌ・エー(DeNA)は8月25日、ヘルスケア分野を主とした、データサイエンスに関する産学連携協定を締結した。同協定により両者は、ヘルスケア領域のデータサイエンティストの人材育成などを通じ、日本における健康・医療データの活用を、産官学で一層加速していくことを目指す。

横浜市立大学は、2020年4月にデータサイエンス研究科を開設し、医学部とデータサイエンス学部を併せ持つ大学としてヘルス分野に特化したヘルスデータサイエンス専攻を設置、実践的な学びを提供するなど、データサイエンス人材の育成に注力してきたという。

また同校は、2023年4月にヘルスデータサイエンス専攻の博士後期課程の開設を予定している。同専攻では、疾病予防・医療・介護など(ヘルス分野)の知見をベースに、社会のニーズ・変化に対応しながら、多様なヘルス・ビッグデータを解析して新たな価値を創造できる、ヘルス分野におけるデータサイエンティストの育成を目指す。

一方DeNAは、2014年からヘルスケア事業にも取り組み、健康寿命の延伸に向け、エンターテインメント領域で培ったノウハウや、インターネットやAI(人工知能)の技術を生かし、健康増進・行動変容を促すサービスに加え、蓄積したデータによるエビデンス創出に取り組んできている。

今回の協定締結により両者は、1)健康・医療分野のデータサイエンティストの育成、先進事例の構築、2)自治体で顕在化しているヘルスケア領域の課題に対し、データによって解決の糸口の提起、の2つのテーマを中心に取り組むとのこと。

具体的には、DeNAグループが保有する健保・自治体などの健診やレセプト・データなどのヘルス・ビッグデータと蓄積したデータ分析などのノウハウを活用したカリキュラムを構築し、横浜市大のヘルスデータサイエンス専攻の講義・演習に導入・運用する。これにより、ヘルスケア領域におけるデータサイエンティストのリーダーを育成するとしている。

カリキュラムで培ったノウハウを生かし、ヘルスケア領域の社会課題をテーマにしたデータソンを両者が開催することで、データ分析を起点とした社会課題解決の新たなアイデア創出の場を構築するとのことだ。