日本電信電話(NTT)は5月27日、新型コロナウイルスの感染拡大時に、他者、動物、物など、何かに触りたいという日本人の欲求(触りたさ)に変化が生じたことを発見したと発表した。

同成果は東京大学との共同研究において得られたもの。ソーシャルメディアに投稿された「○○を触りたい」「〇〇を触りたくない」というフレーズを含むテキストデータに着目した。両者は、Twitterに投稿された「〇〇に触りたい」「〇〇に触りたくない」というフレーズを含むテキストデータを解析し、新型コロナウイルス感染拡大時に、触りたい欲求の程度がどのように変化したかを調査した。

その結果、人や動物など生物の肌のぬくもりを求めるスキンハンガー(肌の温もりへの強い欲求)の慢性化が起きていることや、ドアノブなどの物への接触を避けたいという欲求が強くなっていることを発見した。

  • 人や動物など生物への触りたさの変化

    人や動物など生物への触りたさの変化

  • ドアノブなど非生物への触りたくなさの変化

    ドアノブなど非生物への触りたくなさの変化

これらの触りたさの変化は、新型コロナウイルスの感染拡大時のソーシャルディスタンスの確保や外出制限が影響したと、同社は分析している。

今回の研究でソーシャルメディア上のテキストデータを解析に活用した理由としては、触りたさを抱く対象の制限がなくなること、人が触りたいと感じたタイミングでのデータが取得できること、過去の触りたさに関しても現在の触りたさと同様にデータが取得できることが挙げられている。

同研究成果は、幅広い実世界の問題に応用できる見込みがあるという。両者は、日常生活において人が何かに触りたいと思う時に働く心理メカニズムの解明、消費者が自然と触りたくなる製品設計、感染拡大などの実問題が人々の意識に与える影響の予測などに活用する考えだ。