NECは11月11日、Open RAN対応の5Gネットワークに対応した仮想化基地局(vRAN)の開発を発表した。

同社のvRANは、O-RAN仕様に準拠したクラウドネイティブのソフトウエアで、商用実績のある5G機器をベースに開発されている。

また、5Gの高速大容量の要求を満たすため、CPU上で動作するソフトウエアの処理を高速化するハードウエアアクセラレーションを活用している。Massive MIMO (マッシブマイモ) が利用されるシステムにおいて、フルデジタルビームフォーミングの高度な制御を行うことで、セルのシステムスループット(通信速度)を4倍以上に向上し、消費電力の30%以上の削減を実現できるという。

さらに、最新世代のマイクロプロセッサを用いた市販のサーバ上で動作し、業界標準の最新仮想化基盤を採用して、コンテナの運用管理と自動化が実現可能だという。

同日にはNTTドコモが中心となり進める「Open RANエコシステム(OREC)」の検証環境で、今回開発されたvRANの性能評価を開始した。同評価はマルチベンダ環境における相互接続試験を行うもので、評価の結果を基に製品化を進め、2022年初頭から北米、欧州およびアジア市場向けに提供することを目指す。

ORECにはOpen RANの海外展開を目的に、NTTドコモ、NECを含めて14社が参加。Open RANの導入を検討する通信キャリアの要望に応じて、最適な無線アクセスネットワークをパッケージ化して提供し、導入・運用・保守を行っていくことを目標としている。