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ビルトインAdministratorアカウントの管理者承認モードを有効に
Windows 10 バージョン1809をインストールしたデスクトップPCを操作していたところ、検索ボックスからコントロールパネルのアイテムを起動できないことに気付いた。使用頻度が低く、間もなくバージョン1903も登場し、そのタイミングでWindows 10をクリーンインストールするつもりだったため見過ごそうとしたところ、「設定」からもいくつかのリンクで同種のエラーが発生するのである。
「指定されたデバイス、パス、またはファイルにアクセスできません。これらの項目にアクセスするための適切なアクセス許可がない可能性があります」とのエラーメッセージは、説明の通り、ファイルやフォルダーに対するアクセス権を所有していないときに現れるものだ。
しかし、起因とするエラーはコントロールパネルの実体である「Control.exe」で、呼び出しているのもコントロールパネル項目「ncpa.cpl」である。
コントロールパネル経由で起動すると正常に動作するため、何らかのアクセス権が破損したのだろう。察するにAdministrator権限絡みだろうと試行錯誤したところ、トラブルシューティングに成功したので、手順を紹介したい。
上記の操作後にPCを再起動すれば、冒頭で挙げた不可解なエラーメッセージは現れなくなるはずだ。
なお、「ローカルセキュリティポリシー」は、Windows 10 Homeには用意されていない。詳細は省くが、レジストリ「HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥Microsoft¥Windows¥CurrentVersion¥Policies¥System」キーに、DWORD値「FilterAdministratorToken」を作成し、データを「1」に変更して、PCを再起動する。
今回の設定は、マイクロソフトの公式ドキュメントで説明されているように、「ログオンしなくても特権を昇格させられる」設定だ。セキュリティの観点から有効にすべきではないのだが、冒頭で紹介したエラーの回避策として覚えておくとよいだろう。
阿久津良和(Cactus)