最多5度目のコッパ・イタリアを制したアッレグリ監督だったが… [写真]=Getty Images

 ユヴェントスは5月17日、クラブを率いるマッシミリアーノ・アッレグリ監督の解任を発表した。

 ユヴェントスは直近2シーズンは無冠が続いていたものの、今季はコッパ・イタリアで決勝に進出した。今月15日に行われたアタランタとのファイナルでは、序盤の4分にセルビア代表FWドゥシャン・ヴラホヴィッチが挙げた得点を守り切り、1-0と勝利。3年ぶり15度目となるコッパ・イタリア優勝を決め、アッレグリ監督個人としても、歴代最多5回目の大会制覇を成し遂げていた。

 だが、今回のクラブの発表によると、この決勝におけるアッレグリ監督の態度・姿勢が問題視されたために解任に至ったという。ユヴェントスはクラブを通して「今回の解任は、コッパ・イタリア決勝の試合中、そして試合後のある行動を受けて決断されました。ユヴェントスの価値観、およびユヴェントスを代表する者が遵守すべき行動とは相容れないものとクラブは判断しています」と発表。同試合において、アッレグリ監督は主審への侮辱行為により退席処分を受け、スポーツ裁判所より2試合の出場停止と5000ユーロ(約85万円)の罰金処分が科されていた。加えて、『スカイ・イタリア』によると、興奮状態のアッレグリ監督が、スタジアム内の広告看板や照明機材を蹴るなどの行動も確認されたとのこと。また、試合後には歓喜の輪からクリスティアーノ・ジュントリFD(フットボールディレクター)を追い払うようなジェスチャーも見せていたと報じられ、これらの行動が問題視されたためだと伝えられている。

 なお、アッレグリ監督の即時解任に伴い、今季のセリエA残り2試合では、U-19チームを率いるパオロ・モンテーロ氏が指揮を執る模様だ。既に来季以降の新監督候補としては、現在ボローニャを率いるチアゴ・モッタ監督の名前が挙がっている。『コリエーレ・デラ・セラ』によると、ユヴェントスとモッタ監督は条件面で口頭合意に達したとのこと。契約期間は2026年夏までの2年間で、1年間の延長オプション付き。年俸は350万ユーロ(約5億9000万円)ほどだと報じられた。

 現在56歳のアッレグリ監督は、カリアリやミランなどのクラブを経て、2014年7月よりユヴェントスの監督に就任。“黄金期”にチームを指揮し、アッレグリ体制下のみに限定しても、セリエAで5連覇を達成した。2018-19シーズン限りで監督を退任したものの、2021年夏には2年間の“休息期間”を経てユヴェントスへ復帰。だが、前記の通りユヴェントスは無冠の時代が続き、復帰後に獲得したタイトルは今季のコッパ・イタリアのみだった。

 今シーズンのユヴェントスは、セリエA前半戦こそ首位を走るインテルに肉薄する勢いを見せながらも、徐々に失速し、シーズン残り2試合となった時点で4位につけている。ここまで18勝13分5敗で勝ち点「67」を獲得し、来季は2シーズンぶりにチャンピオンズリーグ(CL)の舞台へ戻ることは決めたが、2月に入ってからのセリエAでわずか2勝しか挙げられていなかった。

 栄光と没落の双方を見た、約8年間のアッレグリ体制は、思わぬ形で幕を閉じることとなった。

【ハイライト動画】ユヴェントスはコッパ・イタリアで3年ぶりにタイトルを獲得も…