KDDIは5月13日、米SkyDio社との資本業務提携を締結したことを発表した。同社のAIドローン「Skydio X10」の注文受付を同日より子会社のKDDIスマートドローンで開始する。

  • 発表会の登壇者

    同日開催された発表会の登壇者。左から、KDDI株式会社 取締役 執行役員常務 CDO 先端技術統括本部長の松田浩路氏、Skydio,Inc. Chief Corporate Development OfficerのTom Moss氏、KDDIスマートドローン株式会社 代表取締役社長の博野雅文氏

Skydioは、AI映像処理により障害物を自動回避しながら自律飛行するドローンを提供している。「Skydio X10」は同社の最新モデルで、米国では2023年9月に発表、同年11月に出荷を開始している。国内でも4月からNTTコミュニケーションズが注文受け付けと認定講習の提供を開始している。

  • Skydio X10

    Skydio X10

今回の資本業務提携は、国内のさまざまな社会問題に対し、ドローンの活用によって解決を図ることを目的とし、KDDIがSkydioのプライマリーパートナーとなってドローン市場の開拓・拡大を行っていくというもの。提携内容には国内でのパートナーシップだけでなく、APAC地域の11カ国におけるSkydio製品の独占販売権も含まれており、KDDIグループのグローバルにおける販売チャネルを活用し、両社共同でドローン事業の展開に取り組んでいくとしている。

  • 資本業務提携締結

    今回の提携にはアジア諸国での独占販売件も含まれる

なおSkydioはNTTドコモの子会社であるNTTドコモ・ベンチャーズからの出資も受けているが、KDDI/NTTドコモ・ベンチャーズのどちらの出資が大きいかという質問には「回答を控える」とのことだった。

今回KDDIスマートドローンで国内販売を行う「Skydio X10」は、NVIDIA Jetson Orin SoCを搭載し、従来機種の10バイイ以上の処理性能を実現。優れたAI飛行支援と障害物回避により、非GPS環境下での安定飛行が行えるようになっている。カメラ性能も大幅に進化し、NightSenseモードによる暗所飛行も可能、さらに後述の上空モバイル通信対応により広い範囲で飛行できる。サーマルカメラも標準搭載し、IP55の防塵防水性能を備えるなど、幅広い分野での活用が想定されている。

  • 「Skydio X10」の特徴

    「Skydio X10」の特徴

「Skydio X10」の注文受付開始にあたり、同製品に関連するサービスとして、「Skydio認定講習」「あんしん機体補償」「上空電波パッケージ」の3つのサービスの注文受け付けも開始されている。

  • 付帯サービス

    「Skydio X10」とともに注文受け付けを開始した付帯サービス

このうち「上空電波パッケージ」は、これまで提供してきた「4G LTEパッケージ」をリニューアルしたもの。上空でのモバイル通信と送信機用のモバイル通信をセットで利用できるパッケージで、新たに従量プランの提供も行われる。「Skydio X10」の上空モバイル通信対応時期は追ってアナウンスするとしている。

  • 上空電波の利用イメージ

    上空電波の利用で、ドローンの遠隔運行が可能となる

発表会では、会場内で「Skydio X10」を飛ばしてデモも行われた。通常飛行としてはGPSを利用できない室内空間での安定した飛行、障害物をAIが自動検知しての回避、カメラのズームなどを実演。さらに暗所での飛行のデモとして、「Skydio X10」の照明での飛行、赤外線カメラの利用などを実際に行うところが見られた。

照明ありの通常飛行のデモ

照明を消した暗所飛行のデモ