女優の河合優実が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に初挑戦した。担当したのは、12日・19日の2週にわたって放送される『芸に命をかけた人 ~南部虎弾と妻の約束~』。過激な芸を売りにするパフォーマンス集団・電撃ネットワークのリーダーで、今年1月に亡くなった南部虎弾さんと、彼を支え続けた妻を追った作品だ。

『ザ・ノンフィクション』は毎回録画するほどのファンだという河合。そのナレーションを熱望していただけに、喜びをあらわにしながら、これまで表舞台で見せてこなかった南部さんの妻や仲間たちとの姿に「ちょっとすごい回ですね…」と衝撃を隠せない――。

『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した河合優実

『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した河合優実

「私の腎臓を一つあげてもいいよ」

1990年に結成された電撃ネットワークは、体を張った芸でブレイクするも、次第に「不適切過ぎる芸」と見なされ、テレビに出られなくなる。南部さんは、日本での活動に限界を感じ、活躍の場を海外に求めると、「TOKYO SHOCK BOYS」の名で、またたく間に世界に知れ渡ることになった。

しかし、過激な芸と不摂生は、南部さんの体を痛めつけていき、2011年に糖尿病と診断。17年には心不全を起こし、バイパス手術で一命を取り留めた。それでも「生涯現役を貫きたい」という願いをかなえたのは、18歳年下の妻・由紀さんだ。「私の腎臓を一つあげてもいいよ」と、19年に行われた妻から夫への「夫婦間腎移植」。妻からもらった“命”で南部さんは再び舞台に戻り、芸人としての復活を果たしたのだが…。

  • 食卓を囲む南部虎弾さん(右)と妻の由紀さん (C)フジテレビ

自分の人生にも思いを馳せられる

収録を終えて、「ちょっとすごい回ですね…」と第一声を発した河合。「南部さんが亡くなってしまった直後のメンバーの皆さんの病院のエレベーターの中の雰囲気や、お葬式で奥さんが泣き崩れる姿など、亡くなることが前提ではなく始まっている取材だから、信頼関係があって撮れたのだと思いました。“こんな瞬間、見ていいのかな”という映像が、本当に胸に刺さりました」と振り返る。

その上で、「南部さんの生きた人生はエネルギッシュで、すごく特殊に見えるかもしれないですが、奥さんの気持ちや南部さんを取り巻く周りの人などから、見る人にも身に覚えがあるような感動がすごくあると思いました。南部さんの生き様と合わせて、自分の人生にも思いを馳せられるような回になっていると思います」と呼びかけた。