早くも去就が宙に浮いているFWヴィトール・ロッキ [写真]=Getty Images

 バルセロナのFWヴィトール・ロッキの去就が、早くも宙に浮いているようだ。6日、スペイン紙『アス』が報じている。

 チーム最小プレータイムの選手、これが加入を半年間前倒したサッカー王国の“新たな神童”の現状だ。移籍金3000万ユーロ(約47億円)にインセンティブで獲得した19歳に対して、クラブ側はブラジルのスタイルから欧州、バルセロナのスタイルに適応するにはある程度の時間を要することを理解し、最大限のサポートを行なった。が、トップチームデビューを飾った今年1月からここまでの公式戦25試合のうち、13試合出場・プレータイムは計310分にとどまることに。『アス』は、「バルセロナは、彼が欧州へと飛び立つのが早く、いくつかの点で未熟と考えている」とした上で、「現チームに居場所がないという意見で一致している」と指摘。レンタル移籍が最善の解決策と見出していることを明らかにした。

 実際にセビージャとベティスがレンタル獲得に興味を抱いているとされる中、同選手は少なからず不満を募らせているとのこと。報道によると、プレーさせるつもりがないのなら、なぜ加入を6カ月も早めたのか理解できていないという。加えて、「ここ数週間、彼の失望が増しているだけではなく、周囲の人々は『シャビが彼を無視しており、監督と円滑なコミュニケーションを取れていない』と主張している」と、根も葉もない憶測が飛び交っていることを併せて伝えている。

 また、スペインのラジオ局『Rac1』にて、ロッキの代理人を務めるアンドレ・キューリー氏が同選手の去就について言及。バルセロナ側がレンタル移籍を検討しているのに対して、同氏は「彼は残るか、(クラブに)売却させるかのどちらかだ」と場合によっては、退団に向けた交渉を始めることを示唆している。

 まさかの半年で、“ブラウグラナ”での冒険を終える可能性が出てきたロッキ。果たして今夏、双方の決断はいかなるものになるのだろうか。