第72期王座戦(主催:日本経済新聞社、日本将棋連盟)は予選が進行中。2月5日(月)には一次予選と二次予選の計3局が東京・将棋会館で行われました。このうち、二次予選の丸山忠久九段―本田奎六段戦は70手で本田六段が勝利。角換わり腰掛け銀の乱戦を制して挑戦者決定トーナメント進出まであと1勝としました。

角換わり桂ポン速攻

本予選は4~5名からなるトーナメントを勝ち抜いた計12名が本戦に進むもの。両対局者には2連勝が必要です。振り駒が行われた本局は先手となった丸山九段の誘導で角換わり腰掛け銀へ。右金を5筋に上がったのは後手陣にスキありと見た速攻策の準備です。

勢いよく右桂を跳ね出した丸山九段は続いて右香も走って戦線を拡大。勢いのある攻めに思われましたが、本局ではここから後手の本田六段の受けが冴えわたりました。取れる香を放置して3筋に角を打ち込んだのが、馬の力で先手の攻めを押さえ込む好着想です。

本田六段が反撃決め勝利

攻め足を止められない丸山九段は飛車を切ったのち割り打ちの銀で手番を握りますが、本田六段も柳に風と応じて崩れません。タイミングを見て先手陣に飛車を打ち込めば、ため込んだ豊富な持ち駒が生きて本田六段の攻めは容易に途切れない格好です。

終局時刻は15時41分、猛追する丸山九段のラッシュをかわし切った本田六段が勝利。終盤に分岐点こそあったものの(59手目)、感想戦では先手の仕掛けが無理気味だったとの結論となりました。本田六段は次戦で三浦弘行九段―広瀬章人九段戦の勝者と対戦します。

水留啓(将棋情報局)

  • 自身初となる本戦(第71期)では1回戦で敗れた本田六段、自己ベスト更新なるか

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