誰もが心待ちにするボーナス支給。今年はアフターコロナで自由に移動しやすくなったことから、ボーナスで旅行を計画している人もいるでしょう。一方、先行き不透明な経済状況が続き、「買い物は控えたい」「できるだけ貯金する」という声も多く聞こえてきます。

ボーナスの使い道には頭を悩ませますが、せっかくまとまった金額が支給されるのですから、有意義にバランス良く使いたいものですね。今回は、ボーナスのおすすめの使い方について「ボーナスの黄金比率」を交え詳しく解説します。

  • 「ボーナスの黄金比率」を知ってる? - 使い方の最適解をFPが解説!

    「ボーナスの黄金比率」を知ってる? - 使い方の最適解をFPが解説!

■みんなボーナスを何に使っている?

「周りの人はボーナスを何に使っているんだろう」と気になったことはないでしょうか。和上ホールディングスが実施した「2022年のボーナスの使い方」に関する調査(※)によると、「ボーナスはどのような使い道を考えていますか?(複数回答可)」との質問に対する回答は次のようになりました。

1位: 貯金や預金 74.4%
2位: 旅行や外食 38.5%
3位: ローンや借入金の返済 21.2%
4位: 子どもの教育費など 19.7%
5位: 投資全般(株式や国債、仮想通貨など) 17.0%
6位: 大型家電やパソコンなど 13.5%
7位: 自動車バイクなど 8.4%
8位: ファッションや美容 7.4%

1位は「貯金や預金」で、実に7割以上の人が回答していました。最近では、ボーナスを全く使わず全額貯金する人も多いようです。

続いて、2位は「旅行や外食」でした。貯金や預金をする人が圧倒的に多いものの、ちょっとしたぜい沢にもボーナスを活用する人が4割近くいることがわかります。そして、3位は「ローンや借入金の返済」、4位は「子どもの教育費など」と続きました。

そして5位には、「投資全般(株式や国債、仮想通貨など)」がランクイン。貯金や預金に比べればまだまだ少数ですが、ボーナスのような臨時収入があれば「投資にもチャレンジしてみよう」と考える人が2割程度いるとみられます。

(※)年収500万円以上のボーナスがある会社員が対象

■「ボーナスの黄金比率」とは

ボーナスの使い方は人それぞれ。しかし、せっかくのボーナスを有意義に使うなら、消費だけ、もしくは貯金だけといった極端な使い方は避けたいところです。そこで、理想的なボーナスの使い方として提唱されている「ボーナスの黄金比率」にのっとってお金を配分してみましょう。

  • 【画像】ボーナスの黄金比率が一目でわかる!

    ボーナスの黄金比率

ボーナスの黄金比率とは、ボーナスを「貯蓄: 消費: 自己投資: 金融資産への投資=4: 3: 2: 1」に配分することです。例えば、ボーナス支給額が50万円なら、「貯蓄: 消費: 自己投資: 金融資産への投資=20万円: 15万円: 10万円: 5万円」に分けるのです。

これなら、ある程度の金額をしっかり貯められますので、欲しい物や必要な物を買うことにも罪悪感がないでしょう。

また、貯蓄や消費だけでなく、自己投資や金融資産への投資も大切です。自己投資とは、文字通り自分に投資すること。特に若い世代の場合、これから先も長い期間働いて稼いでいく必要がありますので、多くのことを経験して見聞を広めたり、勉強をして新しい知識やスキルを身に付けたりすることが欠かせません。また、長く元気に生きるため、健康に投資するのも1つの自己投資です。

例えば、旅行に出かける、留学する、セミナーや講座などに参加する、トレーニングジムに通うなどして、経験や知識、健康のためにボーナスを使ってみましょう。

また、「普段は銀行預金ばかり」という人にとって、ボーナスの支給は金融資産への投資を始める良いチャンスです。来年1月からは「新NISA」がスタートしますので、この機会に冬のボーナスを活用して運用を始めてみてはいかがでしょうか。

■「ボーナスの黄金比率」の注意点

ボーナスの理想的な使い方として「ボーナスの黄金比率」をご紹介しましたが、この配分でお金を使う際には注意点もあります。それは、ボーナスの黄金比率はあくまで目安であるということ。実際には、ご自身のライフプランや家計状況、家族構成、普段のお金の使い方などを考慮し、配分や使い道を柔軟に調整しましょう。

例えば、普段全く貯蓄ができていない人なら、消費の割合を減らして貯蓄割合を増やす。元々自己投資にお金を使っている人なら、ボーナスでは自己投資の割合を減らして金融資産への投資の割合を増やす、などです。また、子どもがいる人なら自己投資にはほとんど使えず、その代わりに子どもの将来の教育資金に充てる必要があるかもしれません。

このように、配分や使い道をアレンジしていくと、無理なく自分に合った使い方ができるでしょう。ただし、ボーナスからもある程度はしっかり貯めたいので、貯蓄割合は4割以下にならないよう気を付けることがポイントです。

■有意義なボーナスの使い方を考えよう

ボーナスは「臨時収入」に当たり、一般的には毎月の給料と比べて大きな金額が支給されます。だからこそ、その使い方を見直すと、家計や資産状況を改善させるのに大きく役立つでしょう。また、これまで貯蓄と消費だけに使っていた人は、ぜひ自己投資や金融資産への投資も取り入れてみてください。ボーナス支給日まで、自分にとって有意義なボーナスの使い道をじっくり考えておきましょう。