Apple 銀座(旧アップルストア銀座)がアップル直営店の日本第1号店としてオープンしてから、11月30日で20周年の節目を迎えました。Apple Storeの存在が人々に浸透するきっかけとなったのは、やはり2008年のiPhone 3Gの登場でしょう。しばらくの間、iPhoneの発売日にはいち早くiPhoneを買い求める人の行列ができるのが恒例になり、大きな話題になりました。

大行列の光景はすでに過去のものになりましたが、現在はiPhoneを買い求める人やToday at Appleのセッションに臨む人で、Apple Storeの店内は平日の昼間でも賑わいを見せています。いち企業の直営店であるApple Storeに人々が続々と引き寄せられる理由として、Apple シニアバイスプレジデント(上級副社長)のディアドラ・オブライエンさんは「何よりも来店客とのつながりを重視した店作りが広く支持されたからだと感じています。日本のみなさんにとって、Apple StoreはiPhoneを買うのに最高の場所になったと確信しています」と胸を張ります。

Apple Storeのこれまでの20年、これからのApple Storeの変化、さらに“iPhoneを買うのに最高の場所”だと語る理由について、ディアドラ・オブライエンさんに話を聞きました。

  • 日本上陸から20年を迎えたApple Store。Appleの役員は“iPhoneを買うのに最高の場所になった”と胸を張る

商品の販売よりも顧客とのつながりを重視するApple Store

2003年11月30日、東京・銀座の目抜き通りにオープンしたApple 銀座は、米国外で初のApple Storeとして注目されました。その後、全国の主要都市の好立地に続々と開店し、現在は10店舗を展開しています。

  • 東京・銀座の一等地にお目見えした旧Apple 銀座の店舗。このApple 銀座を皮切りに、日本では10店舗を展開するまでになった

実店舗とオンラインのApple Storeを統括するAppleのディアドラ・オブライエンさんは「日本各地のApple Storeを通じて、情熱的でクリエイティブな日本の顧客とのつながりができたことに誇りを持っています。顧客とのつながりを築き上げたいという思いは、Apple 銀座の開店初日から変わっていません」と語ります。

  • 顧客とのつながりを重視する店舗づくりをしてきたと語る、Apple シニアバイスプレジデント(上級副社長)のディアドラ・オブライエンさん

Apple Storeは、iPhoneやMacなどのアップル製品を販売する直営店でありながら、アップルは“人が集う街の広場”と定義しており、さまざまな体験を無料で提供する機会を多く設けているのが特徴です。

その象徴が、各地のApple Storeで毎日実施している「Today at Apple」のセッション。iPhoneやApple Watchの初歩が学べるセッションから、iPhoneを使った撮影やiPadでの作曲などが実践形式で学べるワークショップなど、学びやクリエイティブの場を無料で提供しています。希望すれば、友だちなど気の合ったグループ限定のセッションも無料で実施してくれます。

「誰もが持つクリエイティビティを発揮し、自身でも思いもつかなかったことが達成できる喜びをToday at Appleで感じてほしいと思います。現在は、さまざまな才能を持つ方々に登壇していただき、多くの方にインスピレーションを与えています」と語るオブライエンさん。その言葉通り、Apple Storeのスタッフによるセッションだけでなく、amity_seneiをはじめとするインフルエンサーによるセッションもたびたび開かれ、毎回立ち見ができるほどの人気を集めています。

  • 誰でも無料で参加できるToday at Appleのセッション。amity_seneiなどの著名な人物が登壇することもあり、早々に満員御礼になることも多い

Apple StoreはiPhoneが安心しておトクに買える場である

このように、商品の販売よりも顧客への体験を提供することを優先しているApple Storeですが、ここ数年で「iPhoneを購入する場」としての存在感が高まっています。かつては、iPhoneをキャリアショップや家電量販店で購入する人がほとんどでしたが、昨今は大学生など若年層も自分のiPhoneをApple Storeで購入する人が増えたことを感じます。実際、土日などの週末はもちろん、平日の昼間にApple Storeを訪れても、iPhoneの購入手続きをしている人を多く見かけるようになりました。

オブライエンさんも「日本のみなさんにとって、Apple StoreはiPhoneを買うのに最高の場所になったと確信しています。Apple Storeは、どの顧客にとっても間違いのないiPhone選びができ、しかもお得にiPhoneが購入できます。もちろん、環境保護にも知らず知らずのうちに貢献できるのです」と語ります。

Apple Storeに足を運べば、いつでも多くのスタッフがスタンバイしており、さまざまなiPhoneを手に取りながらどのiPhoneが最適なのかを知識のあるスタッフとじっくり検討できます。愛用のiPhoneが気に入っていて新しいiPhoneに買い替える必要がないと決まれば、バッテリー交換やパネル交換などでストレスなく使えるように手続きできるのも、Apple Storeならではといえます。

  • Apple Storeは無理に商品を押し売りされることはなく、顧客の利用用途や希望を聞いたうえで最適なアドバイスをしてくれる

Apple StoreでのiPhone購入に“お得”というイメージを持つ人は意外と多くないかもしれませんが、「Apple Trade In」による下取りと「ペイディあと払いプランApple専用」による手数料0%の分割払いにより、実質的に割安に購入できる仕組みも整えられています。

オブライエンさんも、Apple Trade Inによる下取りのメリットをアピールします。「iPhoneをはじめとするAppleのプロダクトは、どれも長くお使いいただけるよう設計しています。すなわち、下取りの価格も高くなり、新しいiPhoneをよりリーズナブルにお求めいただけるのです」

確かに、2年前に登場した「iPhone 13 Pro」の下取り金額は最大90,000円、5年前に登場した「iPhone XR」でも下取り金額は最大23,000円、最新OSへのアップデート対象外となった「iPhone 8」でも最大11,000円と、高めの下取り金額が設定されています。加えて、Apple Trade Inの下取り金額が増額になるキャンペーンが不定期に実施され、新しいiPhoneをさらにおトクに入手できるチャンスがあるのも忘れてはなりません。

  • Apple Trade Inによる下取りを併用すれば、支払金額を最小限に抑えられる。Apple Trade Inは査定に時間を取られたり不明瞭な減額をされる心配がない点も評価できる

分割手数料0%で購入できる「ペイディあと払いプランApple専用」は、iPhone 15シリーズに限り36回の分割払いが可能。下取りがない場合でも、iPhone 15(64GBモデル)が月額3,466円の手ごろな支払いで入手できます。

Apple StoreでiPhoneを購入すれば、環境保護につながる点もオブライエンさんはアピールします。「お持ちになられた古いiPhoneがApple Trade Inで下取りできなかった場合でも、Appleが責任を持ってリサイクルします。Apple Storeは100%再生可能エネルギーで運営していますので、知らず知らずのうちによりよい世界を作り上げることにもご協力いただけます」と語ります。

顧客満足度を高めるべく、既存店舗の改装や移転は積極的に進めていく

日本1号店となったApple 銀座は、改装のため仮店舗で営業していますが、2025年末までにもとの場所でリニューアルオープンすることが発表されました。現在一部フロアのリニューアルを実施しているApple 心斎橋も、2023年12月中に改装の第一段階が完了することも明らかになりました。

オブライエンさんは「Apple 銀座が新しく生まれ変わることに今からわくわくしています。美しい空間の中で、日本のみなさんをお迎えできるのを楽しみにしています」と語ります。どのような特徴を持つ店舗になるのか、という質問に対しては「今日お話できるヒントは残念ながらありません。サプライズはオープンの時まで取っておきましょう!」と笑顔でかわされてしまいました。

  • 2025年後半のリニューアルオープンに向けて工事が進められているApple 銀座。どのようなサプライズを秘めた次世代Apple Storeがお目見えするのか、楽しみにしたい

Apple Storeのこれからの20年については「既存店舗の改装に加え、新しい場所への移転を積極的に検討していきます。それは、何よりもApple Storeを訪れるみなさんを喜ばせるためです」とコメント。Apple 銀座やApple 心斎橋にとどまらず、今後も改装や移転が進められるのは楽しみです。

先日、総務省が「新品スマホは高価なので、中古スマホの流通や販売を促進していく」というお粗末なプランを示し、多くの人をあきれさせました。将来、スマホ購入に分かりにくさや不安がつきまとう可能性があるなか、iPhoneを安心して安く購入できる場所として、Apple Storeの存在価値が高まると感じました。