「またの機会に」は、誘いを断る際に使う言葉です。ビジネスでもよく使うので、正しい使い方を覚えておきましょう。

本記事では、「またの機会に」の意味や使い方・例文を紹介します。また、類語・言い換え表現や英語表現、ビジネスで使う際の注意点なども解説するので、ぜひ参考にしてください。

「またの機会に」の意味とは?

  • 「またの機会に」の意味とは?

「またの機会に」とは、相手からの誘いを波風立てずに断りたいときの決まり文句として使われるフレーズです。「今回は都合がつかないけれど、また機会があればお願いします」といった意味合いが含まれます。

誘いに対して、「無理です」「行けません」などとストレートに返答すると角が立ってしまうでしょう。良好な人間関係を保つためには、「またの機会に」のような一言を添えて相手に不快感を与えないように配慮することが大切です。

一方、「またの機会に」というフレーズは社交辞令として使われるケースも少なくありません。本心では「都合がついても行く気はない」と思っていても、とりあえずその場の雰囲気を悪くしないために「またの機会に」と言っておく、という場合もあります。

敬語表現として目上の人に使える?

「またの機会に」は目上の人にも使える表現です。ただし、この言葉自体に敬語表現は含まれません。上司など目上の人や取引先など丁寧な言葉遣いが求められる相手に対して使う場合は、前後に敬語表現を付け加える必要があります。

「またの機会に」の使い方と例文

  • 「またの機会に」の使い方と例文

プライベートやビジネスなどシーン別の「またの機会に」の使い方と例文を紹介します。

ビジネスで使う場合

ビジネスで断りを入れる際は、プライベート以上に気を遣う必要があります。取引などに悪影響を与えないためにも、誘いを断る際は「またの機会に」を使って角が立たないように伝えましょう。

【例文】
・今回は不参加となりますが、また機会がございましたら、ぜひよろしくお願いいたします。
・本日はご一緒できず残念ですが、また機会がありましたら、ぜひお声がけいただけますと幸いです。

プライベートで使う場合 

友達からの誘いを断る際にも、角が立たないよう「またの機会に」を使って伝えることができます。親しい間柄だとぶっきらぼうになりがちですが、良好な関係を続けるには親しい相手にも気遣いが必要です。「親しき仲にも礼儀あり」と考えて、断りを入れる際は「またの機会に」を活用してみましょう。

【例文】
・今日は仕事が立て込んでるから飲みは厳しそう。またの機会に行こう。
・明日は実家に行かないといけないから、ランチはまたの機会にしよう。

自分が断られる側の場合

「またの機会に」は断る側だけでなく、断られる側でも使える表現です。誰しも誘いを断るときは「悪いな」という気持ちになるでしょう。断る際、非常に申し訳なさそうに伝えてくる人も少なくありません。

このようなとき、「また機会があるので大丈夫ですよ」という意味で「またの機会に」を添えて返事をすると、相手の負担を軽減できます。相手の気持ちを気遣う姿勢を見せることで、好印象も与えられるでしょう。

【例文】
・お会いできず残念ですが、またの機会をお待ちしております。
・またの機会がございましたら、あらためてご検討いただけますと幸いです。

関連記事: 【返信】お断りメールの書き方と例文を紹介、ビジネスでの注意点を紹介

「またの機会に」の類語・言い換え表現

  • 「またの機会に」の類語・言い換え表現

「またの機会に」以外にも、誘いを断る際によく使われるフレーズがあります。ここでは、「またの機会に」の類語や言い換え表現を紹介するので、上手く使い分けましょう。

またご縁がありましたら

「ご縁」は、「人と人とのつながり」や「関係」「巡り合わせ」のことを指します。「またご縁がありましたら」は、「またそのような巡り合わせがあればお願いします」という意味合いになり、「またの機会に」と同じようなニュアンスで使える表現です。かしこまった表現のため、ビジネスシーンでよく使われます。

【例文】
・本日は参加できず残念です。またご縁がありましたらよろしくお願いいたします。
・またご縁がありましたら、お誘いいただけると幸いです。

次の機会に

「次の機会に」は、「またの機会に」と同じように使えるフレーズです。「またの機会に」 よりも社交辞令感が薄く感じられるので、意図に合わせて使い分けると良いでしょう。

【例文】
・今回は参加できず申し訳ありません。次の機会にお声がけいただけると幸いです。
・本日は参加できませんが、次の機会があればぜひお願いいたします。

また今度

「また今度」という言葉も「またの機会に」とほとんど同じような意味合いです。ただし、「今度」という言葉はややカジュアルな表現になるため、かしこまった場面には適していません。ビジネスシーンでは目上の人や取引先に対して使うのは避けて、同僚や後輩にのみ使うようにしましょう。

【例文】
・今日の飲み会は参加できなさそう。また今度行こう。
・今週末は法事があるから行けないや。また今度誘ってね。

「またの機会に」の英語表現

  • 「またの機会に」の英語表現

「またの機会に」を英語で伝えたい場合は、「また別のときに」「いつかまた他のときに」などの意味を持つ「some other time」という表現が使えます。

そのほか、英語ならではの表現として「take a rain check」というフレーズも使えるでしょう。「rain check」は、元々野球の試合が雨で中止になった際にもらえる次の試合のチケットのことで、これが転じて「take a rain check」は「またの機会に」という意味合いで使われています。

ただし、「take a rain check」は「次回はぜひ!」という前向きなニュアンスになるため、社交辞令のつもりで使うのは控えた方が良いでしょう。

ビジネスで「またの機会に」を使う際の注意点

  • ビジネスで「またの機会に」を使う際の注意点

「またの機会に」は便利なフレーズですが、使う際に注意すべき点もあります。例えば、よく誘われるものの都合の良し悪しにかかわらず参加する意思がないこともあるでしょう。このような場合に、社交辞令で毎回「またの機会に」を添えて断ってしまっている方もいるはずです。

しかし、相手が社交辞令であることに気付かなければ、その後もずっと誘われ続けるかもしれません。あまりにも断り続けていると、「行く気がないのにまたの機会と言わないでほしい」と思われる可能性もあるでしょう。また、断り続けるというのも疲れるのではないでしょうか。行く気がない誘いに対しては、無理に使わない方が賢明です。

特にビジネスにおいては不要なトラブルを避けるためにも、多用しないよう注意しましょう。

「またの機会に」を正しく活用しよう

  • 「またの機会に」を正しく活用しよう

「またの機会に」の使い方・例文、類語・言い換え表現などについて紹介しました。

「またの機会に」は、相手の誘いを角が立たないように断りたい場合に使える表現です。プライベートからビジネスまで幅広いシーンで使えます。

目上の人に使う場合は敬語表現を用いるのを忘れないようにしてください。正しく活用して、良好な人間関係を構築しましょう。