• 一張羅(いっちょうら)には2つの意味がある

    一張羅とはどのような言葉なのでしょう

ここでは、「一張羅」の意味や読み方、使い方・例文や類語・言い換え表現などを紹介します。日常会話やビジネスシーンで見聞きする言葉なので、最後までチェックしてくださいね。

「一張羅」とは? 読み方・意味・語源

  • 一張羅(いっちょうら)には2つの意味がある

    まずは一張羅の意味を知りましょう

ここでは、一張羅の読み方と意味、語源を解説します。

「一張羅」の読み方

「一張羅」の読み方は「いっちょうら」です。

「一張羅」の意味

「一張羅」には、2つの意味があります。1つ目は「その人が持っている服・衣類の中でもっともいい(高価な)もの」という意味です。そして、もう1つは「他の服・衣類などを持っておらず、唯一の衣服である」という意味になります。

現在では、衣服を1着のみしか持っていないというケースはあまりないため、1つめの意味で使われるのがほとんどです。また、衣服自体は複数持っているものの、唯一持っているスーツ、ドレスなどのことを一張羅と呼ぶこともあります。

「一張羅」の語源

一張羅の語源は、「一挺蝋(いっちゃうらう)」という言葉であるといわれています。この言葉にはたった1本のろうそくという意味があります。現在では、さまざまなシーンで使われているろうそくですが、戦国時代頃までは非常に貴重で高価なものでした。また、当時は現在のように電気もないため、夜の暗闇を照らすものとして、現在よりも高い価値を持つものでもありました。

そのような背景もあり、夜にやってきた来客をもてなすためにろうそくを買ったものの高価なので1本しか買えず、それが燃え尽きてみじめな思いをするといった様子を表す際に「一挺蝋」という言葉が使われたのです。

そこから転じて、たった1着しかない衣服、とても高価で貴重な衣服といった意味で使われるようになったといわれています。現在でも、一部地域では一張羅のことを「一挺蝋」、「一挺蝋燭」と表現することがあります。

「一張羅」という言葉が持つニュアンス

一張羅という言葉は、持っている服の中でもっとも高価なものという意味で使われるため、ネガティブな意味の言葉というわけではありません。一方で、たった1着の服しか持っていないという意味で使う場合は、ややネガティブなニュアンスを含むため、自虐的に使われることもあります。

相手に対して使うと失礼にあたるケースもあるため注意しましょう。

「一張羅」の使い方・例文

  • 一張羅(いっちょうら)の使い方・例文

    意味と同時に使い方も知りましょう

ここでは、「一張羅」の使い方を例文を挙げながら具体的に紹介します。

ビジネスシーンでの使い方・例文

「一張羅」という言葉は、主に日常会話で使われる言葉ですが、ビジネスシーンでも使われることがあります。それでは、例文を挙げながら使い方をご紹介します。

  • 今日のプレゼンは特別なものなので一張羅のスーツを着て臨みたいと思います
  • 明日はとても大切なお客様がいらっしゃるので一張羅を着て迎えます
  • 新年の最初の出社なので気持ちを引き締めるために一張羅を着てきました
  • 今日から新しいプロジェクトが動き出すので一張羅を着て気合いを入れています
  • 社会人になってはじめてのボーナスをいただいたので一張羅を購入しました

ビジネスシーンであっても、「一張羅」は社内でのちょっとした会話などで使われるケースが多い傾向にあります。先ほども触れましたが、相手に対して使うとネガティブなニュアンスになるケースもあるため注意してください。

日常会話での使い方・例文

続いては、日常会話の中で一張羅という言葉を使う際の例文をご紹介します。

  • これは私の一張羅なので汚れると困るんだ
  • 今日はお祝いの席なので一張羅を着て気合いを入れてきました
  • 特別な日なので一張羅の着物を着て出かけることにしよう
  • このスーツは一張羅なのでできるだけ雨の日は着たくないんだ
  • 一張羅のスーツを着てきたのに散々な1日になってしまいました

日常会話の中では、さまざまな形で使うことができます。こちらの場合も、基本的には自分の服に対して使うケースがほとんどです。

「一張羅」の類義語・言い換え表現

  • 一張羅(いっちょうら)の類義語・言い換え表現

    類義語や置き換え表現がいくつかあります

ここでは「一張羅」の類義語や言い換え表現を紹介します。

晴れ着

「晴れ着」とは、おめでたい日、つまり晴れの日や表だった場所や舞台などで身につける衣服のことを指す言葉です。特別な衣服にあたるため、「一張羅」の言い換え表現としても使うことができます。

ただし、「晴れ着」には晴ればれしい舞台などに相応しい服というニュアンスもあります。「一張羅」には、このような意味はないため言い換える際には注意してください。

よそゆき

外出するときに身につける衣服などのことを、「よそゆき」といいます。特別な衣服、高価な衣服を指して使われることもあるため、「一張羅」の類義語にもあたります。「一張羅」や「晴れ着」よりもカジュアルな表現なので日常会話などでも使いやすい言葉です。

「一張羅」の意味を知って使いこなそう

「一張羅」には自分の持っている衣服の中でもっとも高価なもの、または自分が持っている唯一の衣服という2つの意味があります。その他にも特別でかけがえのないものといった意味もあるため、それぞれの意味をしっかりと知った上で、シーンや文脈の中から正しく理解することが大切です。