ここしばらくはビジネス向け製品の展開を熱心に行ってきたVAIOのノートパソコンが、いよいよわたしたちの家にも帰ってくることになりそうです。「変化するワークスタイルにフィットした定番」を目指して、新製品「VAIO Fシリーズ」が投入されました。14型と16型がラインナップされており、おうち用途の大画面需要にも応えます。今回発売に先駆けて、16型モデルであるF16の製品実機を試す機会が得られたので、使用感や印象についてお届け。

忙しい方向けにまとめておくと、16型モデルの縦に広いディスプレイは素晴らしく快適。最新構成でもちろん性能は申し分なく、キーボードや外装は素晴らしい“VAIO品質”をしっかり備えています。“VAIOなら大丈夫でしょ”という勢いで買って間違いない製品に仕上がっていると思いました。

  • 「VAIO F16」レビュー - VAIOが考える新しい「おうち向けパソコン」って?

外装をチェック、ディスプレイが大きくて見えやすい!

製品の位置づけや開発者の思いについては発表会のレポート記事『みんなが長く使える「Windows PCの定番」を目指して。VAIO新製品発表会レポート』に詳しくまとまっているので、ここでは製品そのものについて見ていきましょう。

  • 内箱の様子。本体は布のスリーブに収められていました

  • 取り出したところ

  • 今回お借りしたのはメーカーイチオシの「サテンゴールド」カラー

  • オーナメントはクリアパーツ

今回製品を一目見て、デザインの統一感が大幅に高められており、これまでより完成度が引き上げられているように感じました。VAIO F16では各パーツで用いられている素材が異なっていても、しっかり色が合わせられている点がポイント。ぱっと眺めて浮いているように感じる部分がなく、今回借りたサテンゴールドでは高級感が表現されています。淡く上品な色合いで、真っ黒で無骨なPCよりもインテリアになじみそう。

  • 続いてインタフェースをチェック。左側面に電源コネクタを搭載するほか、USB Type-Aとヘッドホン/マイクコンボジャック、microSDスロットも用意

  • 右側には有線LAN、USB Type-C、映像出力用のHDMI、USB Type-A端子を2つも備えます

  • 薄型ボディなので、有線LANはタッチを開いて使うタイプ。シンプルな機構で壊れにくそう

インタフェースはとても充実しており、あれこれつないでも別途ハブを用意する必要はなさそう。あえて文句をつけるとすれば、しっかりデスクに据え付けて使うときに重宝する映像出力用のHDMI端子や有線LAN端子が、PCの右側にあることでしょうか。マウスを右手で操作する際、HDMIなどの太いケーブルを右側に接続することになるため、置き場所によっては操作の邪魔になるかもしれません。

  • キーボード全景。16型の大画面なので広々としており、テンキーも悠々搭載します

  • 詰まりがちなエンターキー周辺もベーシックなレイアウト

  • CtrlとFnキーの配置は要注目

  • もちろんVAIOといえばリフトアップヒンジ。開くとキーボード面がせりあがり、打鍵しやすい角度になります

16型の大画面モデルなので、日本語レイアウトでも広々としたキーボード配置になっている点がポイント。タイピングの感触も上々で、よほどこだわりが強くない限り快適に利用できると思います。大きなスペースを生かし、事務作業も便利に行えるテンキーを搭載しています。

ただ、せっかく大きなスペースを備えたモデルなので、個人的には音質にこだわったスピーカーを搭載してもよかった気がします。「家庭用PC」と銘打って大画面ディスプレイでコンテンツ利用に向くとすれば、ここは音響面にもこだわりがあるとうれしかったところ。PC単体で迫力のある音声が再生できれば、動画視聴やちょっとしたゲームプレイなどもさらに快適に行えるはずです。

  • とはいえ、ディスプレイが大きい! 本体カラーにマッチした壁紙がプリインストールされています

各部を見てきましたが、やっぱり縦横比16:10(一般的なモニターは16:9)の大画面ディスプレイを搭載する点が最大のトピックです。上から下に読んでいくことになるWebサイトはもちろん、表計算ソフトでもこれまでより多くの列を表示可能。画面に表示できる情報量を増やしたことで、より快適に利用できるとしています。

現行VAIO最強!? 第13世代Coreが誇る圧倒的パワー

「一般家庭向けPC」と思わせておいて、実はVAIO取扱製品の中で初めて最新の第13世代Intel Coreプロセッサを搭載している点も見逃せません。今回使用したサンプルは10コア12スレッドのIntel Core i7-1355Uを搭載しており、かなり強力な性能を備えています。内蔵グラフィックスは96個もの実行ユニットを搭載しており、マインクラフト程度なら余裕で遊べそう。

  • PCMarkで性能を一覧

PCMarkよりも、今お使いのPCと比べやすいのがSpeedometer 2.1。PCのさくさく感をざっくり表現するときにベストなベンチマークテストで、ブラウザから2分程度でかんたんに計測できます。

  • まさかの300越え。めちゃくちゃ速い

  • 参考までに今回のPC構成

  • SSDはPCIe 3.0接続のSamsung製でした。一切不便のない快適な性能です

また、第13世代Intel Coreプロセッサが内蔵する先進機能にもかんたんにアクセス可能。具体的にはカメラ入力とマイク入力の品質を高められるAI機能が搭載されており、ビデオ通話等で便利に使えます。

  • 「VAIOの設定」から各種機能にアクセス可能

  • 「サウンド」ではマイク入力のAIノイズキャンセリングを調節できます。指向性を変更でき、使用者の発声のみを拾えるように

  • カメラ機能がとても充実。背景ぼかしや自動フレーミング、顔優先AE、逆行補正を個別に設定できます

カメラ機能の充実は特筆すべきポイントかも。各種機能のオンオフを選択できるのはVAIOならではと言ってもよく、顔優先AE(顔の明るさを基準に明るさを補正する)はかなり便利なはず。ノイズキャンセリングはVAIOがしょっちゅうアピールしているポイントで、公式のデモ動画で詳しく紹介されています。

AIノイズキャンセリング機能を体験!

外観よし、使い勝手よし、性能よし

ここまでVAIO F16について紹介してきた本記事。ざっくりまとめると外観の統一感が素晴らしく、リビングに置いて使えそうなデザインに。ディスプレイは大きくて使いやすく、第13世代Coreシリーズの採用で長く付き合えそうな十分な性能を備えています。インタフェースもたくさんあり、不便に感じることはほぼなさそう。VAIOが考える定番PCは、隙のない仕様に仕上がっていると感じました。個人向けカスタマイズモデルは5月17日から受注開始を予定しており、最小構成価格は136,800円からとなっています。