米Appleは1月23日(現地時間)、iOS 16のアップデート「iOS 16.3」と、iPadOS 16のアップデート「iPadOS 16.3」の提供を開始した。エンドツーエンド暗号化で保護するiCloudデータの範囲を拡大する「iCloud用の高度なデータ保護」、Apple ID向けのセキュリティキー対応など、セキュリティの強化オプションとなる新機能を追加する。

iCloudのデータは14カテゴリーのデータがデフォルトでエンドツーエンド暗号化を用いて保護されているが、高度なデータ保護を有効にすることで以下の23カテゴリーに拡大される(太字が拡大されるカテゴリー)。

Apple Cardの利用明細、ヘルスケアデータ、ホームのデータ、キーチェーン、マップのよく使う項目/コレクション/検索履歴、ミー文字、iCloudに保管したメッセージ、支払い情報 、QuickTypeキーボードで学習した語彙、Safariの履歴/タブグループ/iCloudタブ、スクリーンタイム、Siriの情報、Wi-Fiのパスワード、W1およびH1 Bluetoothキー、iCloudバックアップ、iCloudドライブ、写真、メモ、リマインダー、Safariのブックマーク、Siriショートカット、ボイスメモ、ウオレットパス

Apple ID用のセキュリティキーによって、Apple IDアカウントへのサインインにYubiKeyのようなサードパーティ製のハードウェアセキュリティキーを利用して二要素認証を強化できる。Appleによると、iCloudアカウントの95%以上で二要素認証による保護が利用されている。

それらのほか、2月3日に発売される第2世代「HomePod」をサポートする。新HomePodは超広帯域テクノロジーを用いて対応するiPhoneとより便利に連係するようになり、サウンド認識や温度・湿度センサーでスマートホーム向け機能が強化された。またiOS 16.3で、2023年の「Black Unityコレクション」の壁紙を利用できるようになる。緊急SOSで意図しない緊急通報を防ぐために、サイドボタンと上下どちらかの音量ボタンを長押しする操作のみに通報方法を変更した。

iOS/iPadOS 16.3では以下のような問題が修正される。

  • フリーボードでApple Pencilまたは指を使って描画した筆線が共有ボードに表示されないことがある問題(iOS 16.3、iPadOS 16.3)
  • Siriがミュージックのリクエストに正しく応答しないことがある問題(iOS 16.3、iPadOS 16.3)
  • ロック画面の壁紙が真っ黒になることがある問題(iOS 16.3)
  • iPhone 14 Pro Maxのスリープ解除中に横線が一時的に表示されることがある問題(iOS 16.3)
  • “ホーム”のロック画面ウィジェットに「ホーム」アプリの状況が正確に表示されない問題(iOS 16.3)
  • CarPlayのSiriへのリクエストが正しく認識されないことがある問題(iOS 16.3)