『時をかける少女』『サマーウォーズ』などの映画で知られる細田守監督は、東映アニメーション時代に『劇場版デジモンアドベンチャー』で監督デビュー。その後、フリーとなり、現在までに7作の長編アニメーション映画作品を発表しています。

2021年に公開された細田監督の最新作『竜とそばかすの姫』は第74回カンヌ国際映画祭のオフィシャル・セレクション「カンヌ・プルミエール」部門に選出されました。日本では興行収入66億円の大ヒットとなったことは記憶に新しいですよね。

そこで今回は、マイナビニュース会員の男女507名を対象に、細田守監督が監督したアニメーション映画の中で好きな作品を聞いてみました。

細田守監督の映画を鑑賞したことはありますか? 

「はい」(61.3%)
「いいえ」(38.7%)

調査の結果、6割以上の人が細田守監督の映画を鑑賞したことがあると回答。2021年7月に「金曜ロードショー」で「3週連続 細田守SP」として『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』『サマーウォーズ』が放送されたこともあり、地上波で細田監督の作品に触れたという人も多数いるようです。

細田守監督のアニメーション映画ランキング

マイナビニュース会員に、細田守監督が監督したアニメーション映画で一番好きな作品を尋ねてみたところ、このような結果になりました。

1位『時をかける少女』(35.6%)
2位『サマーウォーズ』(29.4%)
3位『おおかみこどもの雨と雪』(17.0%)
4位『バケモノの子』(10.5%)
5位『未来のミライ』(5.6%)
6位『竜とそばかすの姫』(2.0%)

それぞれの作品について、寄せられたコメントを紹介します。

1位『時をかける少女』(35.6%)

見事1位に輝いたのは、『時をかける少女』(2006年公開)。この映画は筒井康隆さんによる小説を初めてアニメ化した作品で、「新世紀エヴァンゲリオン」などでも知られる貞本義行さんがキャラクターデザインを手掛けています。

主人公の女子高生・真琴は夏のある日、ひょんなことをきっかけにタイムリープを経験。その力を使って、男友達の千昭や医学部志望の功介と過ごす日常を何度も繰り返しているうちに、タイムリープできる回数が少なくなっていることに気づき……。

本作では主人公・真琴の声を仲里依紗さんが務めたほか、原沙知絵さんが真琴の叔母役で声優に初挑戦したことでも話題に。当初は小規模での上映でしたが、口コミが広がり8か月以上のロングランヒットとなりました。

出演/仲里依紗、石田卓也、板倉光隆、原沙知絵
監督/細田守
公開年/2006年

・「不思議な空間体験をアニメで楽しめたから」(68歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「爽快感が生まれるよい作品だったから」(48歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「原田知世さん主演の『時をかける少女』も観ていたので、比較できて面白かったから」(39歳女性/教育/専門サービス関連)

2位『サマーウォーズ』(29.4%)

2位に選ばれたのは、『サマーウォーズ』(2009年公開)です。1位の『時をかける少女』に続き、本作のキャラクターデザインも貞本義行さんが担当しています。

インターネット上の仮想世界 「OZ(オズ)」を利用した生活が浸透した時代。17歳の理系少年・健二は、同じ高校の先輩である夏希にバイトを頼まれ、彼女の田舎を訪問。夏希の実家の大家族と共に、OZの世界を混乱させる人工知能「ラブマシーン」に戦いを挑むことに……。

『時をかける少女』(2006年公開)の大ヒットで人気に火がついた細田監督作品。『サマーウォーズ』の興行収入は前作を大幅に上回る16.5億円を記録。第33回日本アカデミー賞では最優秀アニメーション作品賞を受賞しています。

出演/神木隆之介、桜庭ななみ、富司純子
監督/細田守
公開年/2009年

・「ストーリーの展開が刺激的だったから」(49歳男性/建設コンサルタント/専門職関連)
・「最初は頼りなさそうだった主人公がラストで活躍するところが気持ちよかったから」(42歳男性/その他/事務・企画・経営関連)
・「家族の温かさや、人との絆の大切さを改めて感じた作品だから」(47歳女性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)

3位『おおかみこどもの雨と雪』(17.0%)

3位の『おおかみこどもの雨と雪』(2012年公開)は、人間とおおかみの血を受け継ぐ“おおかみこども”と、その母の13年間を描いた物語。キャラクターデザインは、『時をかける少女』から3作連続で貞本義行さんが担当しています。

大学生の花は、おおかみの血を引く“おおかみおとこ”の「彼」と出会い、恋に落ちます。やがて2人の“おおかみこども”が生まれ、姉が雪、弟は雨と名付けられました。家族4人の幸せな暮らしもつかの間、“おおかみおとこ”の「彼」は死んでしまいます。花は2人の“おおかみこども”を連れて田舎に引っ越し、女手一つで子どもたちを育てようとしますが……。

本作では花役を宮崎あおいさん、「彼」の“おおかみおとこ”役を大沢たかおさんが務めています。作品の興行収入は42.2億円を記録しており、第36回日本アカデミー賞では最優秀アニメーション作品賞を受賞しました。

出演/宮崎あおい、大沢たかお、黒木華
監督/細田守
公開年/2012年

・「感情の表現、自然の美しさを改めて知ることができた作品だったから」(37歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「生き方を問うストーリーに考えさせられたから」(55歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「人と違うことによる孤独感がすごく伝わったから」(53歳男性/輸送用機器/その他技術職)
 

4位『バケモノの子』(10.5%)

4位にランクインした『バケモノの子』(2015年公開)は、バケモノの熊徹と人間の少年・九太の親子のような師弟関係を描いた作品です。

交通事故で母を失いひとりぼっちになってしまった9歳の少年・蓮は、バケモノたちが暮らす「渋天街」に迷い込み、熊徹と出会います。熊徹の弟子となった蓮は、九太という名を授けられました。そして、熊徹はバケモノ界の宗師の座を賭けて、次期宗師候補の最有力と言われている猪王山と対決することに……。

本作の主人公・九太の声は、少年期を宮崎あおいさん、青年期を染谷将太さんが担当。またこの作品も、第39回日本アカデミー賞で最優秀アニメーション作品賞を受賞しています。

出演/役所広司、宮崎あおい、染谷将太
監督/細田守
公開年/2015年

・「格闘シーンなどがよかったから」(43歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「ひとりぼっちの少年が、バケモノの世界で修行しながら暮らすことで、精神的にも肉体的にも成長していくストーリーに感動した」(60歳女性/化粧品・医薬品/その他技術職)
・「東京の路地裏から異世界に行けるという設定が面白く、育ての親の豪快なキャラも楽しめるから」(53歳男性/その他/その他・専業主婦等)

5位『未来のミライ』(5.6%)

5位には、海外のさまざまな映画祭で高い評価を獲得した『未来のミライ』(2018年公開)がランクイン。本作は第71回カンヌ国際映画祭の監督週間で上映されたほか、アニメ界のアカデミー賞ともいわれる第46回アニー賞で、日本人監督初となる長編インディペンデント作品賞を受賞しています。

両親と暮らす長男・くんちゃんは、生まれたばかりの妹・ミライちゃんに両親を奪われたと思い、寂しさを感じていました。そんなある日、家の庭に未来から成長したセーラー服姿のミライちゃんがやって来たのです。そこから始まる不思議な体験を通じて、くんちゃんは少しずつ成長していきます。

エンディングテーマの「うたのきしゃ」は、『サマーウォーズ』の主題歌に続き、山下達郎さんが手掛けています。

出演/上白石萌歌、黒木華、星野源、麻生久美子
監督/細田守
公開年/2018年

・「子どもの描写が可愛かったから」(46歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「ちょうど子育てをしている時期に観て、共感したから」(47歳女性/広告・出版・印刷/事務・企画・経営関連)
・「子ども目線で描かれて考えさせられることがあったから。純粋なキャラクターがみずみずしいストーリーとあっている」(33歳女性/食品/販売・サービス関連)

6位『竜とそばかすの姫』(2.0%)

そして6位は、2021年7月に公開された最新作『竜とそばかすの姫』でした。

高知に住む主人公・すずは、歌が大好きな17歳の女子高校生。しかし、母の事故死をきっかけに、歌えなくなってしまいます。そんなある日、親友・ヒロちゃんからインターネットの仮想世界「U(ユー)」に誘われたすずは、「U」の世界でベルとして歌手活動をすることに。ある日、ベルのコンサートに「U」の世界の嫌われ者である竜が現れます。すずは竜のことが気になりはじめ……。

ディズニーアニメ『美女と野獣』にインスパイアされた本作。『アナと雪の女王2』などでキャラクターデザインを担当するジン・キムがベルのデザインを手掛けています。また、シンガーソングライターの中村佳穂のほか、YOASOBIの幾田りら、森山良子、坂本冬美、岩崎良美ら多くのミュージシャンが声優として参加している点も話題となりました。

出演/中村佳穂、成田凌、染谷将太、幾田りら
監督/細田守
公開年/2021年

あなたが好きな細田守監督の映画は?

今回は細田守監督がスタジオ地図から発表したアニメーション映画6作品をランキングで紹介しました。いずれも日本アカデミー賞をはじめ、国内外の映画祭で受賞歴がある話題作ばかりです。

細田監督が手掛ける映画は、何度観ても飽きのこないストーリーはもちろん、洗練された映像美も魅力です。ぜひこの機会に鑑賞してみてはいかがでしょうか。

調査時期:2022年2月26日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男女合計507人(男性: 396人、女性: 111人)
調査方法:インターネットログイン式アンケート

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