「感受性が豊か」の意味とは? 感受性が強い人の特徴も紹介

「感受性が豊か」とはどのような意味なのでしょうか。また、感受性が強い人の長所や短所、特徴とは? 感受性が豊かな人の恋愛傾向と向いている仕事も併せ、催眠心理療法士の浅田悠介さんに解説してもらいます。

感受性が豊かだよね。

こんな言葉を聞いたことはありませんか。他人がそう言われていたり、テレビや本の中で出てきたり。

感受性が豊かな人の中には、周りから好かれる人もいます。正直、うらやましい気もしますよね。

感受性が豊かとは、そもそもどういうことなのでしょうか。そして、感受性を豊かにするコツはあるのでしょうか。気になることばかりです。

「感受性が豊か」の意味

そもそも「感受性が豊か」とは、どういう意味なのでしょう。「感受性」を辞書で引くと、以下のように解説されています。

かんじゅ‐せい【感受性】

1 外界の刺激や印象を感じ取ることができる働き。「―の強い人」「―が豊かだ」

2 病気にかかりやすいこと。例えば、麻疹 (はしか) や風疹などの感染症に対する免疫ができていないため、感染した場合に発症する可能性が高いことをいう。

(『デジタル大辞泉』小学館)

つまり「感受性が豊か」とは、感性が鋭く「外界の刺激や印象を感じ取る働きが優れていること」という意味になります。

ざっくりと、繊細、敏感、ともいえますね。

感受性が豊かな人の特徴

続いて、感受性が豊かな人の特徴を解説します。ぜひ自身や周りの人に当てはまるかチェックしてみてください。

(1)優しい

優しさに包まれている性格といえるでしょう。

なぜなら、他人が感じていることをわがことのように受け取れるから。人一倍、相手の立場に立つことができるので、他人にひどいことをしようとは思えない人が多いでしょう。

(2)感動しやすい

テレビ番組などで見かけた、ちょっとしたことでも感動できます。感じ取る力が強いから。

周りが1だけ感じ取るような場面で、5も6も感じ取ることができるのですね。涙もろいところもあるでしょう。

(3)協調性がある

協調性もあります。周りの求めるものが分かり、合わせられるから。

もちろん、いいことではあります。しかし、つい自分を抑えてまで、周りを優先することになりがちなのは要注意。

(4)察しがいい

感じ取る力があるから、相手の「言葉にしていないけれど求めているもの」を直感で把握できます。

時には相手自身が理解していないことまで言い当てます。超能力のようで驚かれることもあるでしょう。

(5)傷つきやすい

傷つきやすい面もあります。

ちょっとしたアクシデントが起きた時に(仕事のトラブルや、友人との言い争いなど)大きなショックを受けてしまうのですね。繊細なので、心にダメージを負いやすいのです。

(6)芸術・アートが好き

芸術に関心があったりもします。

自分と同様に感性が鋭い人(アーティスト)の作品に感じ入るものがあるからです。絵画や文学・音楽・お芝居など、何らかの創作に触れることが好きなケースが多いです。

(7)クリエイティブ

周りをハッとさせる創造的な表現が得意だったりします。

感性が鋭いので、自分だけが感じ取れることがあり、それを誰もが理解できるように翻訳することが可能なんですね。

(8)影響を受けやすい

周りの影響を受けやすい面もあります。

良くも悪くも周りの発する感情や感覚を受け入れてしまうのです。感受性が豊かな人は、どんな環境に身を置くかが大事になります。

(9)なかなか心を開かない

繊細な面があるからこそ、誰彼構わず、心を開くことは難しいのです。

心を開いたことで傷つき後悔をしたことがある人や、本音で語ったけれど理解してもらえなかったという経験をした人もいるでしょう。

(10)1人の時間が必要

孤独を必要とするところもあります。

他人に囲まれていると、あれこれ感じ取ってしまうので疲れるから。さらにいえば、外出するだけでも刺激が強いので、部屋にこもる時間が必要になる人もいるかもしれません。

あなたは感受性が豊か? 診断をチェック!

ここまで読んで、「自分は感受性が豊かといえるのかな?」と気になった人はいるでしょう。

以下のページでは、10の質問であなたの感受性を診断できます。気になる人は、ぜひやってみてくださいね。

参考記事はこちら▼

あなたの感受性はどう? 10の質問に答えて「感受性の豊かさ」をチェックしてみましょう。

感受性が強い性格になる原因

感受性が強い性格になる原因としては、以下が考えられます。

(1)生まれ持った気質

人の性格には、生まれ持った気質も関係すると考えられています。

感受性が強い人は、生まれつき感性が鋭く、繊細な心の持ち主なのかもしれません。

(2)育った環境

育った環境も、人の性格に影響を与えます。

例えば、親から「人の気持ちを考えなさい」と言われて育ったり、小さい頃から本を読んで感情移入する機会が多かったりすると、感受性が強くなると考えられるでしょう。

次のページでは、感受性が豊かな人の恋愛傾向を紹介します。

感受性が豊かな人の恋愛傾向

続いて、感受性が豊かな人の恋愛傾向を見ていきましょう。

(1)相手の色に染まりやすい

多少なりとも「好きな人の好きなもの」に興味を持つ人は多いものです。それは感受性が豊かな人も同じ。

また、感受性が豊かな人は「好きな人の好きなもの」へ触れた時の感動も強く、影響を受けやすいと考えられます。そのため、相手の色に染まりやすいといえるでしょう。

いつのまにか相手の好きなミュージシャンの大ファンになっていたり、パートナーと食べ物の好みが似てきたりといったことも少なくないようです。

(2)ちょっとしたことで落ち込む

ちょっとしたことで落ち込みやすいのも、感受性が豊かな人に見られる恋愛傾向の1つです。

好きな人が忙しくて少し素っ気なかったり、逆に自分が相手にうまくアプローチできなかったりすると、「2人の間に距離ができてしまったのでは」と不安になる人もいるでしょう。

これも、感じ取る力・相手を思う力の強さ故といえます。

(3)小さなことでも幸せを感じる

感受性が豊かな人は、小さな幸せを見つけるのが上手だといえます。

例えば、恋人と一緒に食事を取ったり、歩いたり。そんな日常のふとした瞬間に「この人といられて幸せだなぁ」と感じるのです。

(4)恋人の変化によく気づく

感受性が豊かな人の中には、観察力や直感に優れ、好きな人やパートナーの小さな変化によく気づく人がいます。

そのような人は、相手が疲労や不安を隠していても、「疲れてる?」「何か悩んでる?」と言い当て、寄り添おうとするでしょう。

(5)恋人を喜ばせることが得意

感受性が豊かな人は察しが良く優しい傾向にあるため、恋人を喜ばせることも上手でしょう。

例えば、相手の気持ちをくみ取って接し方を変えたり、欲しそうにしていたものをプレゼントしたりする人も少なくないようです。

次のページでは、感受性が豊かな人の長所(メリット)・短所(デメリット)を紹介します。

感受性が豊かな人の長所(メリット)

次は、感受性が豊かな人の長所・メリットを紹介します。

(1)独特なセンスが生まれる

物事から他の人より多くのことを感じ取れるので、独特な感性が宿ります。独自のセンスを手に入れられるでしょう。

(2)他人の痛みを理解できる

他人の心の奥にある痛みを理解できます。

感情移入しやすく、他人を深く知ることができるのですね。本当の優しさが身に付いているといえるでしょう。

(3)人間関係が得意

周りの心の機微を感じ取り、それに沿った言動をするため、人間関係が円滑になります。

相手の欲しい言葉を投げかけたり、してほしいことをしてあげられるはずです。恋愛や仕事など、どんな関係においてもスムーズに進むことが多いでしょう。

(4)クリエイティブな発想ができる

創造性も群を抜いていることが多いので、ストレートに芸術方面で結果を出すこともできれば、職場や友人の間で「発想力がある」と一目置かれる存在になるかもしれません。

(5)人生を楽しめる

どこに行っても、何をしても、深く物事を感じ取れるからこそ、日々を楽しいと感じることが多いのではないでしょうか?

人生が本だとしたら、本を読むのが上手な人の方が(深い意味を感じ取るのが上手な方が)その本の魅力を引き出して楽しめますよね。

つまりは感受性が豊かな人は人生を味わうのが上手なのですよ。

感受性が豊かすぎる人には短所(デメリット)も

感受性が豊かすぎる人には短所(デメリット)もあります。物事には良い面もあれば、マイナスの面もあるのです。

(1)周囲の影響を受けすぎる

良くも悪くも周囲の影響を受けすぎるはず。

周りの環境によっては心が荒んでしまうことでしょう。感受性が豊かすぎる人は「周りの感情」をよりわがことのように受け取ってしまいがちだからです。

きれいな感情の流れる場所でこそ、その能力を生かして、生き生きと過ごせるはずです。

(2)疲れやすい

とにかく疲れやすくなります。

感受性が豊かすぎると、周りの感情に振り回されることも多くなるから。心の防御力が弱いのですね。繊細な人にとって、世界や他人は鈍感で、刺激が強いのです。

(3)人間関係が苦手になることがある

前の項目では「人間関係が得意」と書きました。

矛盾しているようですが、意味があります。それは「自分の中の感受性の強さを利用できた時はコミュニケーションが得意になるし、振り回されている時はコミュニケーションが苦手になる」ということなのです。

感受性がすぎると自分でうまく扱うことができずに、周囲に振り回されることも多いはず。察しがいい、という特性を生かせるかどうかは環境もあるでしょうが、感受性の強さにもよるのですね。

(4)ネガチィブになりがち

ネガティブに性格は傾きがちです。

周りの負の感情を読み取って、あれこれ気にしてしまうから。他人に嫌われることを(負の感情も手に取るように分かるからこそ)恐れるのです。

(5)人生を楽しみにくい

これも一見、長所の項目と矛盾しているように見えますが、理由があります。

これは「感受性が度を超えて豊かすぎると、自身の感受性に振り回されてしまう可能性がある」ということです。

嫌われることを恐れるあまり、外の世界に出たり、新しい何かを始めることが苦手になり、人生を楽しみにくくなる場合もあるということです。

次のページでは、感受性を豊かにするコツを紹介します。

感受性を豊かにするコツ

最後に、感受性を豊かにするコツをご紹介します。1つでも取り入れられるものが見つかれば幸いです。

(1)積極的に芸術・アートに触れる

まずは、他人の感性に触れること。アーティストの作品を見たり、音楽を聞いたりしましょう。

その時、大事なのが、その感性を否定せずに受け入れようとすることです。

理解できなくても「そんな考えもあるのか!」と受け取るようにしましょう。感受性が磨かれていくはずです。

(2)ちょっとした表現行為をしてみる

アウトプットもしてみましょう。なぜなら感性は形にすることで、より洗練させられるからです。何度も英語をしゃべることで、より美しい英語が身に付くように。

バリバリの芸術でなくても構いません。シャワーを浴びながら歌ったり、ラジオに合わせて踊ったり、友人に手紙を書くのだって表現の一環です。

その代わり、ちょっとだけ本気でやってみましょう。

(3)周りをよく観察する

周りをよく観察しましょう。

今までよりも深く他人に注意を払い、相手の考えていることや、感じていることに思いをはせてみれば、物事を感じ取る力が身に付いていくでしょう。特に良いところを探すようにしてみるといいでしょう。

(4)スマホを見ない

スマホを封印しましょう。

オンラインの情報は、全て他人が編集したり切り取った世界です。ある意味、情報量が(リアルな生々しさが)少ないのですね。

やはり大事なのは、貴女が、現実世界の無限の奥深さを感じ取ることなのです。

例えば「1時間に1回しか見ない」とか「トレイには持ち込まない」とか。感受性は現実世界で磨くものです。

まずは画面から顔を上げましょう。そして生活を味わって、他人と関わるのはいかがでしょうか。

(5)チャレンジをする

挑戦です。

新しいことをすると、何かを思ったり感じたりすることが増えていきます。旅をすれば嫌でも学ぶことが増えるように。なので、どんどん新しい体験を自分にさせましょう。

迷った時は、よりチャレンジできる方を選んでみてはどうでしょう。

次のページでは、感受性が豊かな人に向いていると考えられる仕事を紹介します。

感受性が豊かな人に向いている仕事

仕事の向き・不向きは感受性だけで決められるものではありませんが、感受性を生かしやすい職業があるのも事実といえます。

例えば、感性が鋭くアートに興味があるなら、デザイナー・漫画家などクリエイティブな仕事に楽しんで取り組めるはず。

また、人の気持ちをくみ取って寄り添うのが得意なら、接客や福祉、カウンセリングの仕事で強みを発揮できるかもしれません。

ただ、感受性が強い人は相手のネガティブな感情にさらされすぎるとダメージを受けやすい面も。そうならないよう、気持ちの整理法を身につけておくと良いでしょう。

「したたかな感受性」を身に付けよう

もちろん感受性があまりに強いと、大変なこともあると思うのです。

人生を恐ろしく感じる時もあるはずです。しかし、感受性は、世界の美しさを味わうための才能でもあるのだと信じてほしいのです。

人生はチャレンジした分だけ、多くのものを与えてくれるはずです。

周囲の影響を受けすぎず、とはいえ感性は鋭く。貴女には、そういう「したたかな感受性」を身に付けてほしいな、と思っているんですよ。

貴女の元に幸せが舞い降りるように祈っております。

(浅田悠介)

※画像はイメージです

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※この記事は2021年01月25日に公開されたものです

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