仕事へのやる気がない人の特徴とは? 原因と効果的な対処法
仕事のやる気がない人にやる気を出してもらうのは、骨が折れる作業ですよね。この記事では、仕事にやる気がない人の特徴と心理、効果的な対処法について、心理カウンセラーの秋カヲリさんに解説してもらいます。
仕事へのやる気がない人に対して、どう向き合えばいいのか分からないというお悩みをよく聞きます。特に、職場でやる気がない部下や後輩がいると「なんでこんなにやる気がないんだろう」とやきもきしてしまいますよね。
ただ、人間誰しもやる気がなくなるときはあるものです。今回は心理を踏まえ、やる気がなくなる原因や効果的なアプローチをご紹介します。
仕事へのやる気がない人に見られる特徴
仕事へのやる気がない人には、以下4つのような特徴が見られます。
(1)時間や締め切りにルーズ
私生活でルーズな人は、仕事に対してもルーズ。楽観視しすぎて仕事を後回しにしたり、手を抜いたりしやすいです。「どうにかなるだろう」と高を括った結果、仕事全般にやる気がなくなっているのかもしれません。
(2)ずっとデスクに座っている
体を動かさないと思考も硬直しやすく、やる気が生まれにくくなります。ずっとデスクに座っていたり、手元を動かさなかったりする人はやる気がなくなりやすいです。
(3)夜型の生活リズム
やるべきことを後回しにしたせいでなかなか眠れず、夜型の生活リズムになる人は珍しくありません。
また、夜型の生活リズムだと寝不足にもなりやすいです。後回しタイプは寝不足を誘発し、仕事へのやる気も薄れる傾向があるでしょう。
(4)過剰なプライベート重視
仕事よりもプライベートを重視するあまり「とにかく仕事を早く終わらせたい!」という気持ちが過剰に強くなる人がいます。
そうすると仕事が投げやりになったり、中途半端だったり、雑だったり……。「仕事を完了させる」ではなく「早く済ませて定時で帰る」がゴールになっている人は、仕事へのやる気はなかなか生まれません。
仕事へのやる気がない人の心理
では、なぜ仕事に対するやる気がなくなってしまうのでしょうか。
人には複数の人格があります。「やりたくない」と駄々をこねる自分もいれば、「早くやらなきゃだめだよ!」とたしなめる自分もいますよね。やる気がないように見える人も、「本当はやらなきゃいけないのに」と焦っていることもあります。
「自分は失敗するから」「前にできなかったから」といった理由で「自分にはできない」と自己否定してしまうなど、何らかの理由で動けなくなっている場合も多いです。
ここでは、仕事に対してやる気がでない人の心理を紹介します。
(1)やりたい仕事ができなくて不満
やりたい仕事ができない不満を抱えていて、仕事のやる気が出ない人はたくさんいます。仕事の意義が分からず、身が入らないのです。自分もモヤモヤとうまく折り合いを付けられないと、いやいや仕事をしてしまうでしょう。
(2)決定権がなく「やらされている感」が強い
「あれをやれ」「これをしろ」というように指示された仕事をするばかりで、自分に決定権がないと「やらされている感」ばかりが募り、仕事のやりがいが感じられなくなります。そうしてやる気を失っていく人も少なくありません。
(3)成果が出なくてつまらない
最初は頑張っていたものの、なかなか成果が出なくてつまらなくなってしまい、やる気が出なくなる人もいます。不器用な人や理想が高い人に多く見られる傾向です。
▶次のページでは、仕事へのやる気がない人に対する効果的な対処法を紹介します。
仕事へのやる気がない人に対する効果的な対処法
そんな「やる気がない人」にやる気を出してもらうためには、どのように対応すればいいのでしょうか? 効果的な対処法を4つご紹介しますので、実践してみましょう。
(1)「終わらせよう」ではなく「始めよう」と言う
「この仕事を終わらせよう!」と伝えると仕事に取り組みづらくなります。その仕事が終わった状況を想像しても「また別の仕事を始めるだけだな……」と思い、ご褒美にはならず魅力が感じられないからです。
それよりも「この仕事を始めよう」と声をかけ、仕事に取り組んでいる状態をイメージさせることが大切です。仕事をする意義を感じやすく「やるか!」という気持ちになりやすいです。
やる気がない人にアプローチするなら「始めよう」と声をかけましょう。
(2)適度な距離感を保つ
距離感が近すぎると依存しやすくなり、やる気がない人は「やる気が出ないのはあなたのやり方が悪いせいだ」「そんなふうに言われたからやる気がなくなった」などと責任転嫁する可能性があります。
反対に距離感が遠すぎると、何を言われようが「あなたには関係ない」と突き放すようなことも。
やる気がない人とは適度な距離感を保ち、ほどよい協力体制を整えた方が本人のためになり効果的です。サポートしつつ、過剰に世話を焼かないようにしてください。
(3)達成しやすい目標を与え「できるよ!」と伝える
大きな目標を一つ立てるよりも、大きな目標を分割して小さな目標をたくさん立てた方がやる気が生まれます。
大きな目標を達成するのは難しいので、なかなかやる気が生まれませんが、小さな目標は達成しやすくモチベーションを保ちやすいからです。近い目標を立てた方が、そこに到達するまでの筋道を描きやすくなるんですね。
更に「できるよ!」とポジティブな言葉で励ますと、もっとやる気にさせられます。ネガティブな感情を打ち消してポジティブな感情を持つことで、「気分一致効果」が働き、思考もポジティブになりやすくなるのです。
やる気がない人にはネガティブな言葉を避け、ポジティブな言葉で励ましましょう。
(4)なだめながら仕事場に連れて行く
「仕事をしなければ」と思っていても、前に失敗してしまったり、ついだらだらしてしまったりすると「自分なダメなやつだ」モードに入って動けなくなってしまうことがあります。
こうしたときは「まあ大丈夫だよ」「やってみればどうにかなるから」となだめながらデスク前などすぐに仕事を始められる場所へ連れて行きましょう。作業を始めてしまえば、意外とスムーズに仕事が進められ、やる気が生まれます。
仕事へのやる気はコントロールできる!
上述したように、やる気のない部下や後輩にも、やる気がなくなる要因があるのかもしれません。
そんな、仕事のやる気がない人には、紹介したアプローチ方法で声をかけ、やる気を出せるように励ましましょう。時間がかかることも多いので、焦らずじっくりサポートしてくださいね。
(秋カヲリ)
※画像はイメージです
※この記事は2020年03月27日に公開されたものです