頼りになる人の特徴13個。頼られる人になるにはどうすれば良い?
頼りになる人には、どのような特徴があるのでしょうか。また、頼られる人になるにはどうすれば良いのでしょうか。心理カウンセラーの笹氣健治さんが解説します
「頼りになる大人の男性/女性」──私もそうなりたい、とあこがれている人も多いのではないかと思います。
職場やプライベートにおいて誰からも頼りにされている人は、とても心強い存在です。では、いったいどうすれば「頼りになる人」になれるのでしょうか? これから一緒に考えていきたいと思います。
「頼りになる人」の特徴とは
「頼りになる人」には安心感と安定感があります。では、頼りになる人のどんなところが安定感・安心感につながっているのでしょうか? ここでは、頼りになる人に共通して当てはまる13個の特徴を具体的に見てきたいと思います。
特徴1:責任感がある
頼りになる人は、何といっても責任感が強い人です。自分が任されたことや携わったことは最後までしっかりやり抜こうという意識が高く、ちゃんとその通りに実行します。
頼りになる人は、責任ある日々の行動で信頼を積み上げていった人なのです。
特徴2:決断力がある
決断力があることも、頼りになる人の必須条件といえるでしょう。
ただし、誤解のないように言っておきますが、決断力があることは即決することではありません。即決しようとその場の雰囲気でなんとなく決めると、間違った判断になりがちです。
メリット・デメリットをしっかり考えた上で、結果がどうなろうと引き受ける覚悟を持って決断できる人が、本当に頼りになる人だといえます。
特徴3:フットワークが軽い
頼りになる人は、頼まれごとをされた時はすぐ行動します。
多くの人から頼りにされているため常に忙しい人なのですが、それでもダンドリよくたくさんの仕事をテキパキとこなしていきます。
なぜなら、何事もタイミングを逃すとうまくいかなくなることを知っているからです。
特徴4:ケアレスミスをしない
頼りになる人の特徴として、仕事を正確かつ確実に処理できるということも挙げられます。
もちろん、人間であれば誰もがケアレスミスを犯す可能性があります。
しかし、頼りになる人は、慌ててミスが生じないように余裕あるスケジュールを組んだり、二重チェック体制をつくったりして、ミスの防止を心掛けています。
こうして事前に対策を考えておくことができるのも、頼りになる人の特徴です。
特徴5:感情面で安定している
トラブルが起きても焦らない。思った通りに物事が進まなくてもイライラしない。失敗しても落ち込まない。他人が活躍するのを見ても嫉妬しない。
どんなことがあっても、常に感情面で安定しているのが頼りになる人です。
人間ですからネガティブになることは当然あります。しかし、頼りになる人は負の感情をいつまでも引きずらず素早く切り替えられるので、常に堂々としているように見えるのです。
特徴6:親身になってくれる
困った時に助けを求めると親身になってくれるのも、頼りになる人に見られる特徴の1つです。頼りになる人は、相手のためになんとかしてあげたいという意識を強く持っています。
どうして良いか分からないピンチの時、手に負えない難問に直面している時、まるで自分のことのように対応してくれる態度は、相手に安心感を与えます。
多くの人から頼りにされるのは、このような態度があるからです。
特徴7:一緒にいて安心できる
一緒にいて安心できて、前向きになれる。それが頼りになる人です。
例えば、誰かが困ってオロオロしている時は、「私がついているから大丈夫!」「心配しなくて良いよ」「きっとなんとかなるから」と声を掛けるでしょう。
また、ミスして落ち込んでいる人には、「誰だってミスすることはあるから大丈夫」「次から気をつけよう」「ミスをするから人は成長できるんだよ」と励まします。
声を掛けてもらえた人は、とても安心するはずです。
特徴8:周りが見えている
仕事に不慣れで困っている新人やトラブルでテンパっている同僚へ、積極的に手を差し伸べるのも、頼りになる人によく見られる態度です。
自分の仕事をしっかりこなしながらも周りの動きを常に見ているので、困った人をすぐにサポートすることができるのです。
まるでピンチの時に駆けつけてくれるスーパーヒーローのような頼もしい存在といえます。
特徴9:人を見て態度を変えない
頼りになる人は、誰に対しても分け隔てなく親切です。自分の好き嫌いで接し方を変えることはないでしょう。
また、人のあら探しをして気に入らない相手にいじわるする、なんてこともありません。
相手が上司であっても部下であっても、人を見て態度を変えることはなく、常に公平公正な態度を取るので、人望を集めるのです。
特徴10:実務能力に長けている
頼りにされるためには、やはり期待に応えられるような実務能力も必要でしょう。
実務能力が高いか低いかは、元々持っている素質や適性による部分もありますが、全てに対応できる必要はありません。自分の得意分野をしっかり持っていることが重要です。
そして、得意分野を伸ばしていくことも大切で、そのためには多くの経験を積まなければなりません。
経験を積むことでスキルや知識が深まり、さまざまなケースに対応できるようになっていきます。
特徴11:先を考えて行動する
「この仕事をやったら次は何をすればいいか」と、常に先を考えながら計画的に行動しているのが、頼りになる人の特徴です。
いつも余裕を持って仕事をできていることが、安心感や安定感につながっています。
特徴12:自分の限界を知っている
自分の限界を知っていて、引き受けるべきかどうかをしっかり判断できるもの頼りになる人の特徴だといえるでしょう。
いくら頼りになるといっても、人間ですからできること・できないことがあります。頼りになる人はそれをよく知っていて、自分ができないことを安請け合いしません。
なんでもかんでも引き受けてしまうと、かえって迷惑を掛けるかもしれないと分かっているのです。
ただし、自分ができないからといって無下に断ることはしません。解決の方向性を示すアドバイスをしたり、自分のネットワークの中で適任者がいれば紹介したりします。
特徴13:自分を飾らない
頼りになる人は、自分の弱みをさらけ出すことができます。
例えば、「私も大失敗をしたことがあるのよ」「私だってしょっちゅう悩んだり落ち込んだりするよ」と言って自分の弱いところを見せるのです。
そうすることで、相手は「この人も同じ人間なんだ」と親近感を覚え、信頼するのでしょう。
▶次のページでは、頼りになる人になるための方法を紹介します。
「頼りになる人」になるには?
「頼りになる人」の特徴を読んで、「私もこんな人になれたら良いな」と思った人もいるかもしれません。それではいったいどうすれば「頼りになる人」になれるでしょうか? 次は、「頼りになる人」になるために必要な考え方や行動をご紹介していきましょう。
(1)「頼りになる人」になった時のことを考える
「頼りになる人になりたい」という願望を現実のものにするには、本気で目指す必要があります。「なれたら良いな」と考えているだけでは、何も変わりません。
本気になるためには、「実際にそうなれたとしたら、どんな良いことがあるのか」を考えてみると良いでしょう。
それが自分にとって価値のあるものだと分かれば、本気で目指そうという気持ちになれるはずです。
(2)今の仕事に精通する
頼りになる人になるには、仕事ができることも重要でしょう。
そのためには、実務経験を積む必要があります。さらに、業務に役立つ関連知識やスキルを自主的に学ぶ姿勢も大事です。
そうやって、今やっている仕事に精通することから始めると良いでしょう。
(3)足りない点を自覚する
先ほど挙げた「頼りになる人」に見られる特徴13個の中で、今の自分がもっと伸ばせそうなことはいくつあったでしょうか?
できていない点を自覚することで初めて、これから自分が何を強化すべきなのかが、はっきり見えてきます。自分に何が足りないのか、現実を直視することが必要なのです。
(4)身近なお手本を見つける
身近に「この人は頼りになる人だな」と思う人はいますか?
もしいたら、その人の仕事ぶり、コミュニケーションの仕方、態度や表情など、どういったところから「頼りになる」と感じるのかを観察してみましょう。
そして、日常的にその言動をまねするよう意識すると、自分が理想とする「頼りになる人」に近づくことができます。
(5)毎日の行動目標を決める
今の自分に足りない点や、お手本となる人のまねしたい言動を明確にしたら、それらを着実に身につけていくため、毎日の行動目標を決めましょう。
自分を変えるためには、「今日はこれを心掛けよう」という具体的な行動を明確に意識することが役立ちます。
(6)毎日の行動の結果を振り返る
行動目標が達成できたかどうか、毎日振り返ることも重要です。そして、うまく行動できた時は、なぜできたのか考えてみてください。
何を意識したことでうまくできたのかはっきり理解しておくと、これからも繰り返しできるようになるための参考になります。
(7)努力している自分を認める
頼りになる人になろうと毎日努力していても、なかなか思うようにできない時も多いかもしれません。
しかし、たとえうまくできなくても、努力している自分がいることを認めてください。
理想の人物になろうと前向きに頑張る自分、向上心がある自分を認めることは、これからも頑張ろうと思い続けるためのモチベーションにつながります。
(8)感情のコントロール法を学ぶ
頼りになる人が感情面で常に安定しているのは、感情のコントロールができているからです。
感情をコントロールするための方法として、アンガーマネジメントや認知行動療法の手法が役に立ちます。
これらに関する本はたくさん出ていて、読むだけでも効果が期待できる簡単な方法ですので、ぜひ学んでみることをお勧めします。
また、感情面で安定するためには、カウンセリングを活用するのも1つの方法です。カウンセリングでは、大きな悩みだけでなく、日常的に生じる些細な悩みについても相談できます。
カウンセリングを受けると自分を客観視することができるので、それも自分の感情をコントロールするためにとても役立つのです。
(9)頑張りすぎない
「頼りになる人」になろうと意識することは大事ですが、頑張りすぎるのも良くありません。
無理しすぎると心身共に疲れてしまい、行動が空回りして、かえって評判を落とすことにもなりかねません。
頼りになるかどうかは行動を積み重ねた結果。頼られる人としてふさわしい行動を継続していれば、自然に頼りになる人になれるものです。
▶次のページでは、「頼りになる人」と「頼りにならない人」のちがい、「頼りにされる」ことの意味を解説します。
「頼りになる人」と「頼りにならない人」のちがい
では、「頼りになる人」とはどんな人なのか、「頼りにならない人」はどんな人なのかを整理しておきましょう。
一般に、頼りになる人というと、次のようなイメージがあると思います。
職場においては、仕事が正確で早い、責任感がある、リーダーシップがある、クレームやトラブルが生じても動じずにうまく対処できる、おおらかで落ち着いている、自分の意見をしっかり持っていていい意味でまわりに影響力がある、広い人脈があって上司や年上からかわいがられている……などなど。
プライベートでは、家のことをテキパキこなせる、友人同士のもめごとをうまく仲裁できる、事故が起きても慌てずに対応できる……といったところでしょうか。
要するに、何かを任せることができる安心感、何かあったときにうまく対応できる安定感を感じさせてくれるのが「頼りになる人」だといえるでしょう。
一方、頼りにならない人は、この真逆です。何もかも安心して任せることができなかったり、何かあったときには心配で心許なかったり、といった人です。
つまり、頼りになる人とそうでない人のちがいをひとことでいえば、安心感と安定感があるかどうか、ということに集約できるでしょう。
「頼りにされる」ことが持つ意味とは
頼りにされると、人はうれしくなります。期待に応えよう、役に立とう、そう思ってがんばります。
なぜ頼られるとそういうポジティブな気持ちになるのかというと、自分が認めてもらえていると感じるからであり、自分が他人のために貢献している感覚が得られるからです。それは承認欲求と自己実現欲求が満たされているということです。
特に、自己実現欲求は、自分の能力を生かして社会に貢献したいという欲求であり、私たちが持つ欲求の中では最高位にあると考えられています。
つまり、自己実現欲求が満たされることは、最上の喜びにつながることなのです。だからこそ、私たちは他人から頼られると、それに応えようとして精一杯のことをしようとするのです。
自分の得意分野や専門分野において「頼りになる人」を目指そう
「頼りになる人」になるためには、相応の実力と人間性が必要です。しかし、すべての分野で「頼りになる人」になる必要はありません。
万能な人はいないのですから、自分の得意分野や専門分野において「頼りになる人」になれればいいのであり、そのために自分を成長させる努力を日々継続していくことが重要なのです。
頼りにされるかどうかというより、自分をいかに高められるかに意識を向けて、自己成長の取り組みを続けていってほしいと思います。
(笹氣健治)
※画像はイメージです。
※この記事は2019年04月01日に公開されたものです