働きがいや、成長できるという面で転職の候補にベンチャー企業を挙げる人は増えています。
しかし、ベンチャー企業の特性を理解せず転職すると後悔する結果になるかもしれません。
この記事では、キャリア支援の専門家に取材した、ベンチャー企業の転職で成功するコツや注意点を解説します。
また、ベンチャー企業への転職におすすめの転職サービスも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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本記事では、信頼性の高い情報をお届けするために、転職業界に詳しい専門家に直接オンライン取材を実施しました。ぜひ参考にしてください。
【専門家インタビュー】キャリアサポートのプロに聞いてみました!
本記事では、信頼性が高い情報をお届けするために、人材会社を2社設立し3,000人以上の転職者を支援してきた秋山さんに、オンラインインタビューをおこないました。
Q:ベンチャー企業は、どのような人に向いていますか?
秋山さん
特にスタートアップのベンチャー企業は、社内の仕組みが整っていない場合も多いので、さまざまな業務をこなす必要あり、労働時間も長くなってしまう傾向があります。
そのため、働き方を重視する人や、自分で考えて率先的に仕事をすることが苦手な人は、向かないと言えるでしょう。
ベンチャー企業に向いている人はどんな人でしょうか?
秋山さん
その企業のビジョンに深く共感している人や、将来同じような業種での起業を目指している人には向いていると言えます。
経営者との距離が近いのも大手にはない特徴なので、経営者から直接学べる機会も多いでしょう。
Q:ベンチャー企業の転職を成功させるコツはありますか?
秋山さん
ベンチャー企業は、大手企業とは異なり意思決定や実行のスピードが早く、それに対応できる能力が求められます。
そのため、柔軟性や瞬発力があることをアピールして、企業の採用担当者に即戦力になれると思ってもらえると、成功率は高まるのではないでしょうか。
なるほど、他にもベンチャー企業独自の特徴はありますか?
秋山さん
あとは、企業のビジョンへの共感が強く求められる傾向にあります。
そのため、応募前に企業のビジョンを理解し自分ならどのように貢献できるかを考えておくと良いでしょう。
ベンチャー企業へ転職する5つのメリット
ここではベンチャー企業へ転職する際の5つのメリットを紹介します。それぞれ詳しく見ていきましょう。
- 仕事にやりがいを感じられ成長できる
- 実績が評価されやすい
- 経営に自分の意見を反映されやすい
- スピード感を持って仕事ができる
- ストックオプションで将来の収入に期待できる
仕事にやりがいを感じられ成長できる
転職先にベンチャー企業を選ぶ大きなメリットとして、仕事へのやりがいや自身の成長をより感じることができる点が挙げられます。
ベンチャー企業は大手企業と比べて従業員数が少ない傾向にあるため、一人ひとりが幅広い業務に携わることになります。
そのため、短い期間で多くの経験を積むことができるとともに、裁量の大きい仕事を任されることも多く、強いやりがいを感じられるでしょう。
実績が評価されやすい
ベンチャー企業では、新卒や中途といった社歴に関係なく実績を出すことが求められます。
裏を返せば、実績を出せばきちんとした評価に繋がるということ。
ベンチャー企業は能力や実績を重視している傾向にあるため、自分自身で能力や実績をアピールすることができれば昇進や・昇給のチャンスとなります。
経営に自分の意見を反映されやすい
自分自身の仕事が会社の経営に直結するベンチャー企業は、大手企業と比べて社長や経営陣との距離も近く、意見を伝えやすい環境にあります。
また、事業規模が小さいため、自分の考えや意見が業務に反映されやすい点も大きな魅力です。
スピード感を持って仕事ができる
ベンチャー企業は、大手と比べて決裁者までの距離感が近くなるため、スピード感を持った仕事ができます。
やりたい施策の実現までが早い点は魅力的です。
会社の規模が大きくなればなるほど、企業は一つの施策に対して長い承認期間がかかることも多く、時間のロスやストレスに繋がりやすいといえます。
ストックオプションで将来の収入に期待できる
ベンチャー企業で広まりを見せるストックオプションという制度で、将来の収入に期待が持てる点もメリットの一つです。
ストックオプションとは、従業員や役員が特定の条件下で自社株を購入し、インセンティブの代わりに自社株を提供するといった制度を指します。
企業の成長がストックオプションでの利益を増やすことにも繋がるので、業務上でのモチベーションや、やりがいを得ることができます。
ベンチャー企業へ転職する3つのデメリット
反対に、ベンチャー企業へ転職する際のデメリットは以下のとおりです。詳しく見ていきましょう。
- 設立当初は給与や福利厚生に期待できない
- 多忙と急な方針転換で人が離れる
- 長期で生き残れる保証はない
設立当初は給与や福利厚生に期待できない
設立したてのベンチャー企業は会社としての体力が少なく、投資できる財源が限られています。
そのため、給与や福利厚生などの待遇が大手企業と比べて低い傾向にあります。
また、会社に蓄積されたノウハウも少ないため、研修等の教育体制も不十分といったケースも多く見られます。
給与面や福利厚生を働きやすさと結びつけて考える人には大きなデメリットです。
多忙と急な方針転換で人が離れる
前述した通り、ベンチャー企業では使える資源が限られている場合が多く、まず問題となりやすいのは人件費カットや人員不足です。
大手企業に比べネームバリューが低く、さらに募集広告にかけられる費用も少ないため、採用活動にも苦戦します。
そのため、少人数で仕事を回す必要があり、一人あたりの負担が大きくなりがちです。
また、意思決定の速度が早いため、急な方針転換で希望にそぐわない方向に会社が進んでいく可能性もあります。
尊敬する上司に出会えた矢先に人事異動となり、心が折れてしまうことがあるかもしれません。
ベンチャー企業ならではの多忙さや方針転換などで、会社から人が離れていくこともあるでしょう。
長期で生き残れる保証はない
規模の小さいベンチャー企業は、長期で会社が存続する確率は低いとされています。
2006年に中小企業庁が発表した中小企業白書では、企業存続率は10年後で約26%となっており、7割以上の会社が10年に届かず廃業しているデータもあります。
長期間同じ会社で働き続けたい人や、企業の安定性を求める人はベンチャー転職は不向きといえます。
ベンチャー企業への転職を成功させるポイント
ここでは、ベンチャー企業への転職を成功させるために押さえておきたいポイントについて解説します。
自分がベンチャー企業に向いた人材か検討
何事にも向き不向きがあるように、ベンチャー企業への転職にも向き不向きがあります。
自分自身の年齢や置かれた状況、性格などを加味して、ベンチャー企業に向いているか判断しましよう。
ベンチャー企業に向いている人、向いていない人の特徴は以下の通りです。
向いている人 | 向いていない人 |
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ベンチャー企業は、主体性が求められることも多く積極性がある人のほうが向いています。
反対に、マニュアルやルールに沿って仕事をしたい人にとっては辛い環境になりかねません。
次に、年代ごとのベンチャー転職についてメリット・デメリットをまとめました。
年代 | メリット | デメリット |
第2新卒 |
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20-30代 |
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40-50代 |
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スピード感やフットワークの軽さを大切にするベンチャー企業では、若い人のほうが優遇されがちです。
若い人はキャリアが短く新たな挑戦もしやすいため、ベンチャー企業への転職は向いているといえます。
また、特定分野に専門性がある人やマネジメント経験が豊富な人は重宝する人材となりえますが、方針転換が早いベンチャー企業では、これまでに培ってきた経験を発揮できない可能性も考えられます。
企業の適性や方向性を事前にしっかりとチェックし、転職先を選びましょう。
未経験の業界・業種へ挑戦するなら経験の棚卸し
ベンチャー企業では即戦力を求められることが多く、経験者のほうが優遇されますが、未経験の人が見向きもされないといった事はありません。
転職を考える際には今までのキャリアと向き合い、スキルや経験の棚卸しをすることが大切です。
今までの実務内容や役職を整理し、希望する業界や業種にどう役立てることができるのかをしっかりと考え、転職活動前に準備しておきましょう。
転職先の企業を現状と将来性で厳選
ベンチャー企業への転職に限った話ではありませんが、転職活動においてこれから働く会社についての情報収集は欠かせません。
これから転職を考える企業の現状と将来性についてきちんと調べ、厳選していく作業をおこないましょう。
ここでは、事前にリサーチしておくべき2つの要素を紹介します。
①企業が優秀な人材を抱えているか
一人ひとりの裁量が大きくなるベンチャー企業では、個の力が事業の推進力に直結します。
転職活動での面接や面談では、相手の受け答えや価値観についてしっかりと聞いておくようにしましょう。
また、優秀な人材が多い会社で働くことができれば、これから働く自分の力も引き上げられスキルアップに繋がります。
自分自身のためにも、企業の抱える人材について知っておきましょう。
②ビジネスに将来性があり、事業戦略があるか
ベンチャー企業への転職の際、雇用条件だけでなくビジネスの将来性やそのビジネスを発展させていくための戦略についても知ることは大切です。
いくら共感できるビジネスやビジョンを掲げていても、それを実現するための戦略が乏しければ、競合などに負けて事業の頓挫、最悪の場合倒産といった事になりかねません。
これから働く会社のビジネス事情や、業界には将来性があるのか、またそれを達成する戦略があるのかを知り、転職活動に役立てましょう。
ベンチャー転職におすすめの転職サイト・エージェント
ここでは、ベンチャー転職におすすめの転職サイト・転職エージェントを紹介します。
転職サイトは、企業の求人広告が集まっているサイトの中から自分自身で企業を選び、応募して選考が進んでいくサービスです。
一方、転職エージェントは相性の良い求人をエージェントが紹介してくれるサービスであるのが特徴です。
以下で転職サイト、転職エージェント別にそれぞれおすすめのサービスを紹介するので、自分にはどの転職サービスが適切かを判断し、転職活動を有利に進めましょう。
ベンチャー企業向けおすすめ転職サイト2選
doda
画像引用元:doda公式
dodaは求人数が非常に多く、利用者を多く抱える転職サイトです。ベンチャー企業の求人も充実しています。
転職サイトと転職エージェント両方の機能を備えており、利用目的や転職の方針に沿って使い分けが可能です。
dodaの機能のひとつ「プレミアムオファー」を企業から受けることができれば面接が確約され、内定率がアップする点も注目のサービスです。
dodaはこんな人におすすめ!
- ベンチャー企業の求人を探している人
- 色々なアプローチで転職を進めたい人
dodaの口コミや評判は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
ビズリーチ
画像引用元:ビズリーチ公式
ビズリーチはハイクラス転職におすすめな、スカウト型の転職サイトです。
年収1,000万円が見込める求人を多く抱えており、マネジメントのポジションや経営層の募集も掲載されています。
ビズリーチでは、登録の際にハイクラス会員とタレント会員に属性が振り分けられ、自分自身のキャリアに沿った求人を受けることができます。
また、有料会員のみが閲覧可能な求人もあり、転職活動を有利に進めていくことができます。
ビズリーチはこんな人におすすめ!
- ハイクラスな求人を狙う人
- 自分に合った求人を受けたい人
ビズリーチの口コミや評判は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
その他の転職サイトも比較したい人には、こちらの記事がおすすめです。
ベンチャー企業向けおすすめ転職エージェント3選
リクルートエージェント
画像引用元:リクルートエージェント公式
リクルートエージェントは、求人数・実績ともに業界トップクラスの転職エージェントです。
対応する職種も広く、業界最大級の大手だけあり、様々な業界・職種から求人を集めています。
サポート体制も整っており、提出書類の添削や面接、給与・入社日の交渉なども無料で受けることができます。
様々ある転職エージェントの中で、安心して利用できる要素が一通り揃っているので、真っ先におすすめしたいサービスです。
リクルートエージェントはこんな人におすすめ!
- 多くの選択肢から転職先を選びたい人
- 安心できる大手のサービスを受けたい人
リクルートエージェントの口コミや評判は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
JACリクルートメント
画像引用元:JACリクルートメント公式
JACリクルートメントは、30代以上の転職に力を入れている転職エージェントです。
キャリアアップを狙える求人も多く抱えているため、転職によってステップアップを成し遂げたい人におすすめです。
また、高いサポート力も魅力の一つで、様々なニーズに応えることのできるコンサルタントが約800名在籍しています。
支援実績も豊富なため、安心してサービスを利用することができます。
JACリクルートメントはこんな人におすすめ!
- 30代以上で転職を考えている人
- 転職でステップアップを狙いたい人
JACリクルートメントの口コミや評判は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
プロコミット
画像引用元:プロコミット公式
プロコミットは、成長優良企業、ベンチャー、スタートアップ企業への転職を支援している転職エージェントです。
過去の豊富な実績をベースに企業へのヒアリングをおこなっており、革新的なビジネスモデルを展開する企業であっても、適切な転職支援を実現しています。
また、キャリアコンサルタント個人ではなく、会社の総合力で転職者の支援をおこなうため、質の高いサポートが受けられる点もメリットといえるでしょう。
プロコミットはこんな人におすすめ!
- ベンチャーやスタートアップ企業への転職を考えている人
- ビジネスモデルを理解して転職先を選びたい人
- 質の高い転職サポートを期待する人
他の転職エージェントサービスもチェックしたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
転職支援のプロが厳選!おすすめの転職エージェント23選をランキングで紹介
「【プロ厳選】転職エージェントおすすめ23選を比較!求人数ランキングや選び方【利用者の声・裏事情も紹介】」
「自分に合った転職エージェントを見つけたい」「利用者の評判が良い転職エージェントを知りたい」という人に向けて、実際に転職エージェントを利用して転職した人の満足度や体験談を基に、おすすめの転職エージェントをランキングで紹介!
キャリア支援の専門家に転職成功のコツや、自分に合った転職エージェントの選び方も聞きましたので、ぜひご覧ください。
ベンチャー企業への転職でよくある疑問
最後に、ベンチャー企業への転職でよくある質問をFAQにて紹介します。
ここまでで解決できていない疑問点などないか、チェックしてみましょう。
30代や40代でもベンチャー企業に転職できる?
30代や40代でベンチャー企業へ転職は可能です。
しかし、30〜40代でベンチャー企業へ転職する際のデメリットをしっかり理解してからベンチャー企業への転職に踏み切りましょう。
本記事内でも触れた通り、給与や福利厚生は大手に勝ることは少ないでしょう。
また、傾向として平均年齢が低いベンチャー企業では、周りに年下が多いことも少なくありません。
就業環境をよく確認したうえであれば、やりがいや裁量、自分自身のスキルアップにつながるベンチャー企業は魅力的な転職先となりえるでしょう。
転職に失敗しても挽回できる?
大抵のことはやり直しが効くのと同様に、転職の失敗も挽回は可能です。
転職に失敗したと感じたら、失敗と感じた原因を分析し再転職に活かすための動きを考えましょう。
入社してから1週間程度の短い期間であれば、会社と交渉して入社そのものをなかったことにできるケースもあるようです。
どうしても会社と合わないと感じたら、自分自身と転職先企業のためにもなるべく早く動き出すことをおすすめします。
今後伸びていくベンチャー企業の見分け方は?
今後伸びていくベンチャー企業を知るためには、その企業の経営陣や理念についてしっかりと調べておきましょう。
実績のある経営陣や他にはない理念・ビジョンを掲げている企業かどうか、また、その企業が参入する業界の参入障壁や競合、マーケットの将来性などの調査も大切です。
事前の情報収集を怠らず、自分なりに分析して今後伸びていくベンチャー企業を見つけましょう。
「これから伸びる業界と市場縮小する今後危ない業界は?将来性のある資格・スキルも【2024年】」
ベンチャー企業の情報収集に役立つツールはある?
転職会議やベンチャー特化型転職エージェントのコラム記事は、情報収集において非常に有効です。
また、気になった企業とは積極的に面接を組み、従業員の質や会社の雰囲気などを知ることにも役立ちます。
まとめ
ベンチャー企業への転職は、転職における非常に魅力的な選択肢の一つです。
自分自身のスキルアップややりがいを得やすいなど、大手企業にはないメリットが沢山あります。
反面、給与や福利厚生が下がる可能性や、社会的信用は大手企業に比べると得にくいといえます。
自分にとって何を大切にして働きたいのかを明確にし、理想のベンチャー企業を見つけましょう。
転職活動をはじめる際は、転職サイトや転職エージェントのサービスを活用するとスムーズに転職を進めることができます。
自分のスタイルに合わせてサービスを使い分け、転職活動を成功させましょう。
◆記事で紹介した商品・サービスを購入・申込すると、売上の一部がマイナビニュース・マイナビウーマンに還元されることがあります。◆特定商品・サービスの広告を行う場合には、商品・サービス情報に「PR」表記を記載します。◆紹介している情報は、必ずしも個々の商品・サービスの安全性・有効性を示しているわけではありません。商品・サービスを選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品・サービススペックは、メーカーやサービス事業者のホームページの情報を参考にしています。◆記事内容は記事作成時のもので、その後、商品・サービスのリニューアルによって仕様やサービス内容が変更されていたり、販売・提供が中止されている場合があります。