ダイレクトリクルーティングは、企業が人材に対して直接アプローチできる採用手法です。より効率的に優秀な人材の採用を目指すことができます。スカウトやオファーといわれることもあります。
本記事では、企業でダイレクトリクルーティングを導入するにあたって知りたい基礎知識や、おすすめのサービスを紹介します。
また、導入のメリット・デメリットや成功させるポイントについても解説するので、新たな人材確保戦略の参考として役立ててください。
特徴 | 中途向き |
新卒向き | |||||||||
サービス |
ビズリーチ | Green | doda | Wantedly | Offers | LindkedIn | CareerCross | ミイダス | OfferBox | ジョブラス新卒 | キミスカ |
会員数 | 152万人以上 | – | 約237万人 | 300万人 | – | 7億7,400万人 | 毎月2,000人以上のバイリンガル人材が登録 | 累計78万人以上 | 登録学生数18.5万人 | 全国の就活生約8万人 | 25万人以上※2022年+2023年卒(2022年6月時点) |
スカウト通数 | – | 無制限 | 8週400通~ | – | – | 月に150通 | – | 無制限 | 採用予定人数1人につき40枠 |
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初期費用 | – | 成果報酬型(30~90万円の一律固定) | 有料(プランによって異なる) | – | – | – | 掲載課金型、成果報酬型 |
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採用1人につき38万円の成果報酬または早期型プラン料金 |
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サポート |
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おすすめポイント |
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公式サイト |
※2024年2月編集部調べ
ダイレクトリクルーティングの基礎知識
そもそもダイレクトリクルーティングとは、どういった人材確保の手法でしょうか。従来の採用手法との比較や費用など、まずは基本的な情報を確認しましょう。
ダイレクトリクルーティングとは
ダイレクトリクルーティングとは、企業が直接求職者へアプローチをする採用手法です。
少子高齢化に伴い、労働人口の減少は社会問題としても取り上げられています。問題が深刻化するなか、企業が優秀な人材を確保することは年々難しくなっている状況です。
そんな売り手市場のなかで採用を成功させるため、企業からの積極的なアプローチによるダイレクトリクルーティングが注目されています。
また、優秀な人材を獲得するためには転職を考えている層だけでなく、「よい条件の会社があればしたい」と考えている転職潜在層へのアピールも必要です。ダイレクトリクルーティングでは、転職潜在層にも企業の魅力をアピールできるため、人材獲得のチャンスも広がります。
ダイレクトリクルーティングのプラットフォームは多様化が進んでおり、中途採用に限られたものから、新卒採用や副業者・業務委託先の獲得にも利用できるサービスもあります。
従来の採用手法との違い
従来の採用手法とダイレクトリクルーティングの違いを表にまとめましたのでご覧ください。
違い | 従来の採用手法 | ダイレクトリクルーティング |
採用までのプロセス |
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マッチング率 | 求める人材に出会えない可能性がある | 求める人材に出会いやすい |
出会える人材 | 転職希望者(転職に積極的な人が多い) | 転職希望者、転職潜在層 |
採用までにかかる時間 | 長期間にわたる可能性 | 最短1日で面接可能 |
採用コスト | 時間がかかれば多くかかる(特に人材紹介は高額) | 採用予定人数やニーズに合わせて手段を選択すれば無駄がない |
従来の採用手法では、求人広告を出し、求職者から応募が来るのを待つことしかできませんでした。求める人材を求人情報に細かく記載したとしても、希望通りの人材が応募してくるとは限りません。求人を出してから採用するまでに長い時間や費用がかかります。
しかし、ユーザー数が多く、転職に前向きな人材が多いという点はメリットです。また、転職サイトによっては広告掲載に料金がかからない成果報酬型のサービスもあります。
一方ダイレクトリクルーティングでは、優秀な人材を見つけたら直接連絡を取ることができます。応募を待つ時間が短縮できるだけでなく、本人と直接連絡が取れるので面接の日程調節までもスムーズです。
ただし、人材の検索や連絡といった作業が多く、業務負担が増えるというデメリットもあります。「スキルにはこだわらず人手が欲しい」といった採用活動には、従来の採用手法のほうが向いている場合もあります。
ダイレクトリクルーティングの4つの方法
ダイレクトリクルーティングは、次の4つの方法で試すことができます。
方法 | 特徴 | メリット | デメリット |
人材データベース | 人材会社などが提供するサービスを利用し、登録された求職者情報の閲覧・オファーができる |
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ビジネスSNSで独自に発信 | SNSを利用して企業アピールやメッセージのやり取りをおこなう |
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採用イベントで直接アプローチ | 転職説明会、セミナー、勉強会を通じて参加者に直接アピールする |
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リファラル採用 | 社員や退職者・取引先などの紹介や推薦による採用 |
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それぞれの方法を詳しくみてみましょう。
人材データベース
人材データベースを利用したダイレクトリクルーティングは、もっとも導入しやすい方法のひとつです。人材会社などが運営するプラットフォームを利用して、登録された求職者情報の閲覧やオファー連絡などができます。
運営会社が統制した求職者の情報は見やすく、管理もしやすくなっています。また、不具合があった場合の問い合わせやスカウトメールの送信代行など、企業をサポートするサービスが充実している点もメリットです。
人材データベースの利用料など、コストがかかる点はデメリットです。しかし、サポートを利用することで、ダイレクトリクルーティングのデメリットである「採用担当者の負担が大きい」という点をカバーできます。
ビジネスSNSで独自に発信
SNSで独自に企業情報を発信することもできます。TwitterやFacebookといったSNSだけでなく、ビジネス用のSNSを利用している例も多いです。
SNSはユーザーが多く、情報の拡散力が高いことがメリットです。積極的に転職活動をしている人だけでなく、なんとなく転職しようかと考えている潜在層にも呼びかけることができます。企業が求める人材に対して直接メッセージを送ることなども可能です。
ただし、情報の拡散力が高すぎて制限が難しいことはデメリットです。また、SNS上の情報が正しいかどうかの精査にも時間がかかります。
採用イベントで直接アプローチ
転職フェアやセミナーなど、採用イベントで直接アプローチをおこなうこともダイレクトリクルーティングのひとつです。
採用イベントは他社が開催するものに参加することもできますが、自社で開催することも可能です。他社開催のイベントは、自社に興味がなかった人にも幅広く出会うことができ、視野を広げることができます。知名度や認知度に自信がない企業にもおすすめです。
自社イベントを開催する場合には、自社に興味を持っている人にアプローチしやすいというメリットがあります。ただし、イベントの企画力なども問われるので、採用担当者の負担は大きいでしょう。
リファラル採用
リファラル採用とは、社員や退職者といった関係者の紹介・推薦による採用を制度化したものをいいます。
信頼できる人物からの紹介であるため、経歴や人柄が企業に向いているか判断しやすく、情報の信ぴょう性も高いです。また、紹介した側にもなんらかのインセンティブを設けることで、信頼度やモチベーションの向上につながります。
しかし、縁故採用と認識されて人間関係がうまくいかなかったり、似たような人材が集まりやすかったりといったデメリットがあります。トラブルに発展するケースもあるので、導入には注意が必要です。
ダイレクトリクルーティングの費用
人材データベースを利用したダイレクトリクルーティングを導入するには、費用がかかります。料金設定はサービスによってさまざまですが、料金形態は先行投資型(前課金)と成果報酬型の2種類に分けられます。
違い | 先行投資型(前課金) | 成果報酬型 |
仕様 | サービス・機能の利用料を利用期間に応じて支払う(数ヵ月~1年単位が一般的) | 面接や内定など一定の成果が得られた場合に報酬を支払う |
特徴 |
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向いている企業 | 長期間利用したい企業、大量採用を考えている企業 | 少人数採用を考えている企業、初期コストを削減したい企業 |
相場 | 年間100~400万円程度 | 採用人材の年収15%程度(定額制のサービスもあり) |
このように、料金形態によってメリットとデメリットがあります。確保したい人材や、ダイレクトリクルーティングを利用する目的・期間にあわせて適切な料金形態を判断しましょう。
【中途・新卒】おすすめのダイレクトリクルーティングサービス12選!
それでは、おすすめのダイレクトリクルーティングサービスを中途採用向け・新卒採用向けに分けて紹介します。サービスの特徴をとらえて、企業のニーズに合ったサービスを選びましょう。
【中途向け】おすすめのダイレクトリクルーティングサービス9選
まずは中途採用向けに次のダイレクトリクルーティングサービス9選を紹介します。
- ビズリーチ
- Green
- doda Recruiters
- Wantedly
- Offers
- CareerCross
- ミイダス
それぞれのサービスを詳細に解説します。
【ヘッドハンター型転職サイト】ビズリーチ
※画像引用元:ビズリーチ公式ホームページ
ビズリーチは、会員数152万人以上(2022年1月末時点)を誇る日本最大級のダイレクトリクルーティングサイトのひとつです。テレビCMも放映され、知名度が高いため多くのユーザーが利用しています。
スキルのある即戦力採用に強く、優秀な人材に出会いやすい点が特徴的です。ビズリーチはハイスキル転職や高収入転職に向いたサービスとして宣伝されているため、好待遇での採用を考えている企業に特におすすめです。
ビズリーチはこんな企業におすすめ!
- 会員数の多いサービスを利用して人材を確保したい企業
- 経験ある即戦力人材を求めている企業
- ハイスキルな人材の好待遇採用を考えている企業
ビズリーチの口コミや評判は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
【成果報酬型で更新料なし!】Green
※画像引用元:Green公式サイト
GreenはIT系人材に特に強みがあります。登録者の60%以上がエンジニアやデザイナーなどのIT系人材であり、若手人材にも出会うことができます(2022年6月時点)。
料金形態は一律30万~90万円の成果報酬型です。初期費用やランニングコストは一切かからず、求職者へのアプローチは無制限でおこなうことができます。求める人材が見つかるまでとことん採用活動をしたいなら、Greenの利用がおすすめです。
Greenはこんな企業におすすめ!
- エンジニアやデザイナーなどIT系人材を探している企業
- 経験豊富な若手、長期勤続が期待できる若手人材を求める企業
- 優秀な人材が見つかるまでコストを気にせず採用活動がしたい企業
Greenの口コミや評判は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
【募集職種は無制限!安定の大手】doda Recruiters
※画像引用元:doda Recruiters公式ホームページ
doda Recruitersは、日本最大級約237万人のユーザーのなかから欲しい人材を検索できるダイレクトリクルーティングサービスです。わかりやすい検索項目で、簡単に欲しい人材を検索することができます。
料金形態は先行投資型であるため、面接確定や内定による成果報酬を支払う必要はありません。30日間の無料トライアルを試すこともできるので安心です。有料登録をおこなえば、最短1日で面接設定することもできます。早期採用を目指している企業にもおすすめです。
doda Recruitersはこんな企業におすすめ!
- 日本最大級の人材データベースから欲しい人材を探したい企業
- 先行投資型の料金設定で複数人の採用も目指したい企業
- 最短1日からの早期面接・採用を目指したい企業
dodaの口コミや評判は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
「doda(デューダ)の評判はどうなの?独自調査した口コミを分析【体験レビュー】」
【圧倒的なコストパフォーマンス】Wantedly
※画像引用元:Wantedly公式ホームページ
Wantedlyは、自由度の高いアピール方法が魅力的なダイレクトリクルーティングサービスです。求人情報は掲載し放題で、中途採用からインターン募集までさまざまなニーズに対応するフォーマットを利用できます。また、作成できる会社ページでは検索エンジンやSNSを経由して自由な発信が可能です。
さらに、担当者によるサポートやオンラインセミナーの開催など、企業に対するサービスも充実しています。料金形態は先行投資型で成果報酬がないため、無駄なコストを省いて毎月定額で充実の機能が利用できます。
Wantedlyはこんな企業におすすめ!
- SNSを利用するなど自由に会社のアピールをおこないたい企業
- サービスを効果的に活用できるか不安がある企業
- 毎月定額のサービスを選びたい企業
【日本のエンジニア約40%以上が登録!】Offers
※画像引用元:Offers公式ホームページ
Offersはエンジニア・デザイナー・PM・アナリストなど、プロダクト開発に必要な人材とのマッチングに強みがあります。中途・正社員採用はもちろん、副業者や業務委託先を探している企業にもおすすめです。
応募管理やオファー管理もサイト内で簡単にできるので、採用担当者の負担軽減にも役立ちます。申し込みからオファーまでが最短2日で実現するなど、スピード感のあるサービスも魅力的です。
Offersはこんな企業におすすめ!
- プロダクト開発人材を求めている企業
- 副業者や業務委託先を探している企業
- 早期採用を目指している企業
【7億人以上が登録しているビジネスSNS】LinkedIn
LindkedInは世界最大級のビジネスSNSです。会員数は7億7,400人であるため、情報の拡散力に期待が高まります。
通常のSNSのように企業情報を発信することもできますが、有料の採用活動サポートサービス「Talent Solutions」を利用することも可能です。企業に必要な人材を見つけて連絡を取ったり、会社のページを作成して多くのユーザーに興味を持ってもらったりすることができます。
AmazonやNestleといった有名企業も利用しています。専任のコンサルタントが担当するので、SNSを通じたダイレクトリクルーティングサービスに挑戦してみたい企業にも安心です。
LinkedInはこんな企業におすすめ!
- 世界最大級のビジネスSNSを利用して採用活動をしたい企業
- SNSを介したダイレクトリクルーティングサービスに挑戦したい企業
- 視野を広げて枠にとらわれない採用活動がしたい企業
【日本最大級のバイリンガル転職サイト】CareerCross
※画像引用元:CareerCross公式ホームぺージ
CareerCrossでは、バイリンガルや海外勤務経験のある英語力の高い人材に出会うことができます。登録者の86%以上がビジネスレベル以上の高い英語力を持っており(2024年9月時点)、グローバル人材の採用を目指している企業におすすめです。
料金形態は料金一律の掲載課金型(先行投資型)と初期費用だけで始められる成果報酬型の2種類があり、企業の採用計画に合わせた利用ができます。また、求人広告作成やスカウトメール送信など、採用にかかわる業務を代行してもらうことも可能です。
CareerCrossはこんな企業におすすめ!
- バイリンガルなどグローバル人材の採用を希望する企業
- 採用計画に合わせて料金プランを選びたい企業
- 採用に時間をかけたくない、採用担当者の負担を減らしたい企業
【若手ユーザーに人気】ミイダス
※画像引用元:ミイダス公式ホームページ
ミイダスはスマートフォンアプリで簡単に転職活動ができるとして、若手ユーザーから支持を集めています。企業側もスマートフォンで求職者とやり取りがおこなえるので気軽です。
ミイダスには、累計78万人以上が登録しています。莫大な人材データから適した人材を見つけるために、検索項目が詳細に設けられています。検索項目は全部で1,733種類もあり(2024年9月時点)、ストレス耐性など、書類や面接では見極められないポイントも含めた検索が可能です。
ミイダスはこんな企業におすすめ!
- 若手人材を見つけたい企業
- スマートフォンで気軽に採用活動がしたい企業
- 詳細な検索項目でマッチング度の高い人材を見つけたい企業
ミイダスの口コミや評判は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
【新卒向け】おすすめのダイレクトリクルーティングサービス3選
続いて、新卒採用をおこないたい企業におすすめのダイレクトリクルーティングサービスを3つ紹介します。
- OfferBox
- ジョブラス新卒
- キミスカ
詳しい特徴を確認しましょう。
【1週間の無料トライアルも実施】OfferBox
※画像引用元:オファーボックス公式サイト
OfferBoxは、学生・企業データベースとして学生と企業のマッチングをサポートしています。登録学生数は18.5万人にも及びますが、人工知能による検索アシストシステムによって検索時間は短く、マッチングは高精度です。オファーの開封率も89%と高いので(2024年9月)、企業の認知度にかかわらず採用活動をおこなうことができます。
料金形態は1名採用につき38万円の成果報酬型と、インターンシップ募集にも活用できる早期型プランの2種類です。すべてのプランに適正検索機能と適性検査受験代が含まれているため、需要に合わせて料金プランが選べます。
OfferBoxはこんな企業におすすめ!
- マッチング度の高い新卒採用を目指す企業
- 認知度や業界への先入観などで採用活動が難しかった企業
- インターンシップなど就活開始初期から積極的にアプローチしたい企業
オファーボックスの口コミや評判は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
【優秀な人材豊富!5,000社以上が利用!】ジョブラス新卒
※画像引用元:ジョブラス新卒公式ホームページ
ジョブラス新卒では、「逆求人型就活サイト」として全国の学生に直接オファーを送ることができるサービスが提供されています。登録しているのは全国の就活生約8万人で、そのうちの40%以上が上位校です(2023年9月時点)。就活プロフィールはポートフォリオなどの作品や動画の掲載も可能で、学生の個性がよりわかりやすくなっています。
オファーは1通ずつおこなうスペシャルオファー、条件を指定して一斉に送るマッチングオファー、大学1~2年生をターゲットにしたインターンオファーの3種類です。年間システム利用料と月額料金がかかりますが、1つのサービスでさまざまな層にアプローチができるメリットがあります。
ジョブラス新卒はこんな企業におすすめ!
- 高学歴の新卒採用を目指す企業
- 自由度の高いプロフィールで学生の個性や能力を判断したい企業
- インターンから正規採用までさまざまな層にアプローチしたい企業
【就活早期の段階で登録多数!】キミスカ
※画像引用元:キミスカ公式ホームページ
キミスカは、就活が開始して早期の段階から登録するユーザーが多い傾向があります。登録者の約半数がGMARCH・国公立以上の高学歴の学生であるため、高スキルの学生を採用したい企業にもおすすめです。
キミスカでは、学生の適性検査結果と他社選考状況が確認できます。学生の内面や志向がわかるため、ミスマッチの少ない採用を目指すことができるでしょう。また、依頼できる代行業務も豊富なので、採用担当者の負担を増やすことなく新卒採用がおこなえます。
キミスカはこんな企業におすすめ!
- 高学歴の学生に就活早期からアプローチをおこないたい企業
- ミスマッチの少ない新卒採用を目指したい企業
- 採用担当者の負担を軽減したい企業
ダイレクトリクルーティングのメリット・デメリット
ダイレクトリクルーティングサービスを導入することで多くのメリットが得られます。しかし、メリットばかりではありません。採用手法としてダイレクトリクルーティングを導入するメリット・デメリットを今一度確認しておきましょう。
ダイレクトリクルーティングの4つのメリット
まず、導入のメリットは以下の4つです。
- 採用コストを抑えられる
- 自社にマッチした優秀な人材を直接探せる
- 転職潜在層へのアプローチが可能
- 採用力が高まる
それぞれ詳しく解説します。
採用コストを抑えられる
従来の採用手法と比べ、ダイレクトリクルーティングのほうが採用コストが抑えられることが多いです。
従来の採用手法は求人広告の掲載や人材紹介に大きな経費がかかりました。ダイレクトリクルーティングの場合は、必要なサービスを選んで無駄なくコストをかけることができるので、結果的にコスト削減につながることが多いです。
また、採用までのプロセスが簡潔で早期採用が目指せることもコスト削減の一因です。結果が出るまでが長いと、そのぶん広告掲載費や人件費がかかってしまいます。ダイレクトリクルーティングで効率的に採用をおこなうことで、コストを抑えた採用活動ができるでしょう。
自社にマッチした優秀な人材を直接探せる
自社に適した人材が見つけやすい点も最大のメリットのひとつです。
ダイレクトリクルーティングサービスでは、人材データベースのなかから詳細な条件検索をして人材を見つけられます。求人情報への応募を待っているだけでは、自社が求めている人材を見つけることは難しいです。求人情報には載せきれないような細かな条件でも検索できるので、よりマッチング率の高い人材を見つけることができるでしょう。
また、求職者と直接やり取りができるため、企業の魅力や方針が伝わりやすいこともメリットです。求めている人材が見つかるだけでなく、企業情報が明確に伝わってミスマッチを防ぐことにもつながるでしょう。
転職潜在層へアプローチが可能
ダイレクトリクルーティングなら、現時点では転職を具体的に考えていない転職潜在層へのアプローチも可能です。
積極的に転職活動をしている人には、転職サイトへの求人広告や人材紹介会社を介して出会うことができます。ダイレクトリクルーティングにはそういった転職希望者だけでなく、「よい企業があれば転職したい」「本当にスカウトが来るか試したい」という転職潜在層も多くいます。潜在層にもアプローチができることは、マッチングの選択肢を大きく広げることになるのです。
売り手市場で人材不足が続くなか、転職潜在層へのアプローチで幅広い層に企業を知ってもらうことができます。
採用力が高まる
ダイレクトリクルーティングの採用手法は、自社の採用力自体を高める効果も期待できます。
ダイレクトリクルーティングでは、サポートや代行サービスはあるものの、求職者と直接やり取りするなど採用活動のメインは企業です。自社中心の採用活動は、自社が求めている人材の明確化や、アピールポイントや効果的な採用方法などの理解につながります。このように人材確保のノウハウが身に付き、採用力を高めることにつながるのです。
また、成果報酬型のダイレクトリクルーティングでは、費用対効果がわかりやすいというメリットもあります。1人採用するのにかかった費用や時間が明確になるので、課題分析や研鑽に役立つでしょう。
ダイレクトリクルーティングの3つのデメリット
対するデメリットは次の3つです。
- 長期的な姿勢で取り組む必要がある
- ある程度のノウハウが必要になる
- 人事の業務負担が増える
こうしたデメリットは、企業によって大きな問題になる場合もあります。ダイレクトリクルーティングが自社にとってメリットの大きい採用手法かどうかきちんと判断しましょう。
長期的な姿勢で取り組む必要がある
ダイレクトリクルーティングによる採用活動には、長期的な姿勢で取り組む必要があります。確かに、最短数日で面接設定できるなど、早期採用に期待が持てるサービスも多くあります。しかし、それは希望に適した人材が見つかり、かつ求職者側が面接を承諾した場合です。
ダイレクトリクルーティングサービスに登録しているユーザーには、高収入や好待遇を求める人も多いです。特に転職潜在層は積極的な転職活動をおこなう気がないため、よほど希望に適さない限りは面接に応じてもらえない可能性も高いでしょう。
「すぐに人手が欲しい」「〇月までに採用したい」など、早期の採用が目的の採用活動をおこなうなら、他の採用手法を試すことをおすすめします。
ある程度のノウハウが必要になる
ダイレクトリクルーティングは企業が中心となって採用活動をおこないます。効果的な採用活動を実現するためにはある程度のノウハウが必要です。
ダイレクトリクルーティングサービスを利用する場合でもある程度の知見が要ります。例えばITツールの使い方、SNSの利用方法、インターネットリテラシーなどは身につけておきたいポイントです。また、数あるサービスのなかから自社に適したものを選ぶためにも、ノウハウを持っておく必要があります。
新たな採用手法を取り入れるなら、今までの採用活動を取り仕切ってきた経験豊富な社員が担当するとよいでしょう。
人事の業務負荷が増える
人事業務が増えるため、ダイレクトリクルーティングを導入することで採用担当者の業務負担は大きくなってしまいます。先ほども述べたように、ダイレクトリクルーティングによる採用活動は長期化しやすいです。求職者との丁寧なやり取りを長期間おこなう必要があるため、労力も倍増します。
大量採用を考えている場合には、採用活動も長くなります。人事の業務負担を考えると、他の手法と併用するなどして負担を軽減する必要があるでしょう。また、ダイレクトリクルーティングサービスの代行サービスなどを利用するのもおすすめです。
ダイレクトリクルーティング導入成功へのポイント
最後に、ダイレクトリクルーティングの導入を成功させるポイントを解説します。紹介するポイントは以下の3つです。
- 会社全体で取り組む
- 長期的な姿勢で取り組む
- 候補者個人を意識したスカウトメールを送る
安易に新たな採用手法を取り入れると、社内の混乱やさらなる人手不足を招く恐れもあります。導入は慎重によく準備をしてのぞみましょう。
会社全体で取り組む
新しい採用手法を取り入れるなら、会社全体で意識を統一して取り組むことが大切です。特にダイレクトリクルーティングは、企業が主となって積極的に採用活動に取り組む必要があるため、意識改革に努める必要があります。
ダイレクトリクルーティングは、従来の「待ち」「受け身」の姿勢を大きく転換して、「積極的」「アピール」の方向に意識を向けなければなりません。従来の姿勢にきちんと取り組んできた企業ほど、改革に時間がかかる可能性があります。
ダイレクトリクルーティングの導入は、経営陣などを巻き込んで会社全体で取り組みましょう。必要に応じて社員面談やリクルーター制度の導入も検討が必要です。
長期的な姿勢で取り組む
ダイレクトリクルーティングの効果を上げるには、ある程度の時間と採用ノウハウの蓄積が必要です。短期的な採用活動に軸を置くのではなく、長期的な姿勢で活動をおこなっていきましょう。
優秀な人材を獲得するためには、取り組みと結果を定期的に分析することも大切です。ダイレクトリクルーティングサービスのデータベースや求職者リストなどを活用して、視覚化して管理することもおすすめします。
「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(実行)」のPDCAサイクルを回しながら、コツコツと採用ノウハウの蓄積・向上を目指しましょう。
ダイレクトリクルーティング専任の担当者をつくる
長期的な姿勢で取り組むことは大切ですが、向き合う時間が増える分、採用担当者の業務負担も大きくなるデメリットがあります。そこで、ダイレクトリクルーティング専任の担当者をつくることもおすすめです。
ダイレクトリクルーティングの採用手法を導入すると、次のような業務が発生します。
- ダイレクトリクルーティングサービスの比較・検討
- 人材の捜索
- 自社のアピール(サイト、レジュメの作成)
- スカウトメールの作成、求職者とのやり取り
- 面談・面接の日程調整
- 面談・面接対応
- 定期的なフィードバック(費用対効果の確認など)
従来の人事業務を続けながら、ダイレクトリクルーティングの業務をおこなうのは難しいです。専任の担当者やチームを決め、業務負担を軽減するよう努めましょう。
候補者個人を意識したスカウトメールを送る
優秀な人材に興味を持ってもらうには、候補者個人を意識して特別なスカウトメールを送る必要があります。優秀な人材であれば、登録しただけでさまざまな企業からスカウトを受けている可能性が高いです。多くのスカウトメールのなかから興味を持ってもらい、印象付けるためには特別感のある文面でなくてはなりません。
スカウトメールは、次のようなことに注意して作成しましょう。
- 求職者のプロフィールをふまえた文を含める
- スカウトした理由を具体的に述べる
- 役職者や経営陣からスカウトをする
せっかく見つけた優秀な人材を確保するため、スカウトメールの文面は慎重に考えましょう。
まとめ
ダイレクトリクルーティングは、新たな採用手法として注目を集めています。企業の希望によりマッチする人材を見つけることができ、直接やり取りすることでミスマッチの防止や採用力の向上にも役立ちます。
しかし、採用活動が長期化しやすい点や、ある程度のノウハウを得るまで効果が出にくいこと、採用担当者の業務負担が大きくなるなど、デメリットもあるので導入には慎重な判断が必要です。ダイレクトリクルーティングで優秀な人材を獲得するためには、会社全体で意識改革をおこない、長期的な姿勢で取り組む必要があります。
ポイントを押さえてダイレクトリクルーティングを導入し、自社に適した優秀な人材確保を目指しましょう。
◆記事で紹介した商品・サービスを購入・申込すると、売上の一部がマイナビニュース・マイナビウーマンに還元されることがあります。◆特定商品・サービスの広告を行う場合には、商品・サービス情報に「PR」表記を記載します。◆紹介している情報は、必ずしも個々の商品・サービスの安全性・有効性を示しているわけではありません。商品・サービスを選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品・サービススペックは、メーカーやサービス事業者のホームページの情報を参考にしています。◆記事内容は記事作成時のもので、その後、商品・サービスのリニューアルによって仕様やサービス内容が変更されていたり、販売・提供が中止されている場合があります。