今回はMicrosoft 365のOutlookで、複数の差出人メールアドレスを使い分ける設定を行う準備として、PowerShellの環境の構築を紹介します。 テナントにドメインを追加する方法については当連載の第116回~117回を、ユーザーに別のドメインのメールアドレスを追加する方法については第118回~119回の記事を参照してください。
リモート管理の環境構築について
同じメールボックスに割り当てた複数のメールアドレスを、差出人メールアドレスとして使い分けるには、PowerShellによるリモート管理で、Microsoft 365のExchange Online(Microsoft 365のメールサーバーの役割を持つ)の設定変更が必要です。
今回は、リモート操作に使うPCに、PowerShell 7とPowerShell用Exchange Online Managementモジュールをインストールします。
リモート管理に使うPCは、インターネットに接続できてWindows 11が動作していれば、機種は問いません。
PowerShell 7のインストール
Windows 11に標準装備されているPowerShellはVer.5.1です。しかし、Exchange Onlineの設定を変更するにはPowerShell 7が必要です。まずはPowerShell 7がインストール済みかどうか確認してください。
(1)「PowerShell」と入力する
(2)「PowerShell 7…」という黒いアイコンがメニューに表示されれば問題ない
(3)「Windows PowerShell…」という青いアイコンはPowerShell Ver.5.1
PowerShell 7がないときは、マイクロソフトのサイトからPowerShell 7をダウンロード、インストールしてください。なお、PowerShell 5.1を削除する必要はありません。
以下のURLにアクセスします。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/
(4)「PowerShell 7」と入力する
(5)「検索する」をクリックする
(6)案内に従ってPowerShell 7のパッケージをダウンロードしてインストールする
Webサイトの案内に従ってPowerShell 7のインストールを完了したら、次にPowerShell 7のバージョンを確認します。
(7)検索ボックスに「PowerShell」と入力する
(8)「Run as Administrator」をクリックして管理者権限でPowerShellを起動する
PowerShellを開くとバージョンが表示されます。Ver.7.5未満の時は、以下のコマンドレットを実行して最新版にアップデートしてください。
Invoke-Expression “& { $(Invoke-RestMethod https://aka.ms/install-powershell.ps1)} -UseMSI”
(9)PowerShellのバージョンを確認する。
(10)バージョンが7.5より古いときは、上記のコマンドレットを実行して、PowerShellをアップデートする。
(11)PowerShellのアップデートウィザードが起動するので、ウィザードの案内に従ってアップデートを完了する
PowerShell 5.1とPowerShell 7では、対応する.NET Frameworkのバージョンが異なります。また、PowerShell 7はマルチプラットフォームとなり、Windowsだけでなく、LinuxやMacOSでもPowerShellを使えるようになりました。
Exchange Onlineモジュールのインストール
Ver.7.5以降のPowerShell 7を使えるようになったら、Exchange Onlineをリモート管理するためのモジュールをインストールします。
PowerShellを管理者モードで起動して、以下のコマンドレットを実行してください。
Import-Module ExchangeOnlineManagement
(1)Import-ModuleコマンドレットでExchange Online Managementモジュールをインストールする
PowerShellのコマンドプロンプトに戻れば、モジュールのインストールは終了です。
ここでいったん中断するときは、「exit」コマンドを入力してPowerShellを閉じてください。
次回は、PowerShellでMicrosoft 365のExchange Onlineにリモート接続して管理する手順を紹介します。
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