M365移行で失われる従来の操作性をいかに再現するか

積水化成品工業は1959年に設立された、発泡プラスチック(発泡スチロール)分野のリーディングカンパニーである。食品向けを中心に多様な包装材・梱包材を製造しているほか、これまで培ってきた高度な技術と知見を生かし、近年では液晶ディスプレイ向け電子部品材料や自動車部材、生活関連素材など、独自の付加価値を備えた高機能製品の展開にも注力している。「ニューケミカル・ソリューション・カンパニー」をコーポレートビジョンに掲げ、国内外で事業を拡大するとともに、ITを活用した業務効率化や働き方改革にも積極的に取り組んでいる。

  • 須井悟氏お写真

    須井悟氏

同社では従来、別のメールシステムを利用していたが、2010年代半ばにMicrosoft 365(以下、M365)への移行を検討・実施する過程で、いくつかの課題が浮上した。情報システム部 大阪情報システムグループでPCやアプリケーションなど情報系システムを担当する須井悟氏は、当時の状況を次のように振り返る。

「以前のメールシステムでは、メール送信時の宛先を組織階層から選択できました。例えば人事部のグループ長宛てにメールを送りたい場合でも階層をたどることで指定でき、またグループ会社の特定組織に所属する社員全員を対象に一斉送信することも容易でした。ところがM365のOutlookへ移行すると、こうした機能が標準では提供されていないことがわかりました。それまで当たり前に使えていた機能が失われるとなれば、社員の反発も想定されるため、当時の担当者が対応策の検討を進めていたと聞いています」(須井氏)

加えて、メール以外の領域でも課題が見えてきた。スケジュール管理や会議室・設備の予約状況の把握についても、従来は組織階層を起点にスムーズに確認できていたが、M365の標準機能では同様の使い勝手を再現しづらいことが判明した。その結果、拠点を跨いだスケジュール調整に時間を要する可能性がある点が懸念されたという。

さらに、組織変更時における連絡先情報の更新負荷が増大することも課題として挙がっていた。こうした状況を踏まえ、担当者が解決策を模索する中で、代理店からの紹介をきっかけにネクストセットのM365アドオンツールの存在を認識したと、須井氏は説明する。

組織ツリー階層表示により従来の操作性を再現

担当者が着目したのが、「ネクストセット・組織アドレス帳 for Microsoft 365」(以下、組織アドレス帳)と「ネクストセット・組織カレンダー for Microsoft 365」(以下、組織カレンダー)の2つのアドオンツールである。自社のニーズに適合することから導入を決定し、検証開始から本番運用までは約2~3カ月と短期間でスムーズに移行できたと須井氏は振り返る。

移行にあたっては、従来システムの操作感に近づけるため、公開範囲や表示項目の設計(どのユーザーを非表示にするかなど)に一定の調整が必要となったものの、それ以外に大きな障壁はなかった。結果として、M365への切り替えと同時に本番稼働を開始し、国内グループ会社を含めた全社展開を実現している。

全社展開の際には、M365自体が新たな基盤となることも踏まえ、ネクストセットのアドオンと合わせて利用マニュアルを整備し、社内ポータルや掲示板を通じて周知を図った。一定の工数は要したものの、「特筆すべき混乱もなく移行を完了できたと聞いています。社員からの大きな不満も出なかったようです」と須井氏は語る。

  • 須井悟氏お写真

こうしてスムーズな立ち上げを経て、導入から約10年が経過した現在では、組織アドレス帳と組織カレンダーはいずれも日常業務に不可欠なツールとして定着している。

組織アドレス帳は、メール作成時に組織のツリー階層から宛先を選択できる機能として広く活用されている。特に、普段接点の少ない部署の社員に連絡する際には、情報システム部が管理する組織データをベースに、所属メンバーを確認しながら宛先を指定できる点が評価されているという。

「組織階層をツリーでたどれる点が便利だという声が多いですね」(須井氏)

一方、組織カレンダーも、特定部署のスケジュール確認や会議室・設備の予約状況を一覧で把握する用途で活用されている。M365の標準機能でも同様の確認は可能ではあるものの、「従来の仕組みに近いインターフェースで操作できる点が支持され、多くの社員が組織カレンダーを主に利用しています」と須井氏は説明する。現在では、スケジュールや会議室予約の確認用途において、組織カレンダーの利用が特に浸透している状況だ。

業務効率化と情報共有を実現し、働き方改革にも寄与

組織アドレス帳と組織カレンダーの導入による効果として、須井氏は「業務効率の向上」「情報共有の向上」「働き方改革への寄与」の3点を挙げる。

「業務効率の面では、特にメール送信時の宛先検索にかかる時間が大きく削減されました。組織ツリーから直感的に宛先を選択できるため、スムーズにメール送信が行えます。また、会議設定時のスケジュール調整も、組織階層をベースに進めることで、短時間で完結するようになりました。情報共有の面では、組織情報を情報システム部が一元管理しているため、信頼できるデータとして活用されています。普段接点のない部署の社員に対しても、宛先を誤ることなくメールを送信しやすくなりました。さらに、社員同士の可視性が高まったことも、情報共有の円滑化につながっています」(須井氏)

  • 須井悟氏お写真

加えて、働き方改革の観点でも効果が表れている。M365とネクストセットのアドオンはいずれもクラウドサービスであるため、リモートワークやモバイル環境からでも必要な情報に容易にアクセスできる。須井氏は「日常業務における“ちょっとした手間”が積み重なって削減され、業務全体の利便性向上につながっています」と評価する。

実際、社員からは「他部署の社員を探しやすくなった」「スケジュール調整が簡単になった」「スマートフォンでも使いやすい」といった声が寄せられており、「直感的に操作できるため、多くの社員がマニュアルなしで活用できています」と現場の定着状況を説明する。

導入規模としては、ネクストセットのアカウント数は約2100。国内グループ会社も含め業務上必要な社員のほぼすべてが活用している。営業部門や管理職など数百人にはスマートフォンを貸与しており、「MDM(モバイルデバイス管理)ツールを用いて、あらかじめアドオンのアイコンを配置した状態で提供しています」(須井氏)という。 運用面については、組織情報の正確性と鮮度の維持を最重要ポイントとしている。

「人事異動に合わせた定期的な情報更新に加え、権限設定や公開範囲の管理、退職者情報の整理などを着実に実施しています。それ以外の運用で大きな課題はなく、万一トラブルが発生した場合でも、ネクストセットのサポートに問い合わせれば迅速に対応してもらえています。現時点で困っていることは特にありません」(須井氏)

活用シーンの明確化と組織データ整備が成功の鍵

今後についても、組織アドレス帳および組織カレンダーを継続的に活用していく方針だという須井氏。ネクストセットのM365アドオンツールの導入を検討する企業に対して、次のようなアドバイスを寄せる。

「当社では、メール送信時の宛先選択や社員のスケジュール確認、会議室など設備の予約状況の把握といった場面で、組織図形式で情報を可視化する使い方を主軸に据えていました。そのため導入前には、組織データを整理し、信頼性の高い情報をわかりやすく表示できる状態に整備することを最優先で進めました。同様の活用を想定している場合は、やはり事前の組織データ整理が重要になると思います。そのうえで、どの業務シーンで活用するのかを明確にしておくこと、社内展開時には丁寧な周知を行うことも欠かせません。ツール単体の導入にとどめるのではなく、運用設計まで含めて検討することが、成功のポイントになるのではないでしょうか」(須井氏)

Microsoft 365の導入支援はネクストセットへ!

■■「組織ワークフロー」を100社無償提供中!■■

ネクストセットはMicrosoft 365の導入支援とアプリケーション開発に特化したソリューションベンダーです。Microsoft 365をより安全に、より便利にご利用いただくため、「シングルサインオン」や「組織アドレス帳」、「組織ワークフロー」など、さまざまなプロダクトを開発し、ご提供しています。現在、100社限定で「組織ワークフロー」を無料提供中です。この機会に、ぜひ、導入をご検討ください。

詳しくはこちらをご覧ください。

[PR]提供:ネクストセット