場所を問わない柔軟な業務環境とデータ漏えいを防ぐ強固なセキュリティを両立させるVDI(仮想デスクトップ)は、端末運用・管理の効率化といったメリットがあり、業種・業態を問わず数多くの企業・組織で導入されてきた。ところが半導体製品の価格高騰・品薄が進む昨今では、導入コストが大幅に増大。快適な業務環境の構築にはハイスペックなサーバー・ストレージが必要なことも相まって、維持コストも高騰し、リプレース時の予算確保に悩む企業は増加傾向にある。本稿では、VDIから物理PCへの回帰という選択肢と、日本HPが提供し、あらゆる業務PCに導入可能な先進的なエンドポイントセキュリティソリューション「HP Sure Click Enterprise」の有用性、アルファテック・ソリューションズによる導入支援やサポート体制について、30年にわたり日本HPと強固なパートナーシップを築いてきたアルファテック・ソリューションズの田島 雄生 氏に話を伺った。

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    アルファテック・ソリューションズ株式会社 マーケティング本部 マーケティンググループ マネージャー 田島 雄生 氏

SSD/メモリ価格の高騰・品薄が進み、VDI環境の構築・維持コストが課題に

DX/働き方改革の推進にコロナ禍の影響といった要因も加わり、一気に浸透したテレワーク。テレワークを推進する上で、セキュリティ強化やネットワーク負荷を軽減できる仕組みとして再び注目されたのがVDI(仮想デスクトップ)だ。特に個人情報保護に関する法律が整備され、情報漏えいのリスクが高まった近年では、社外に持ち出したデバイス(PC)にデータを保存することなく作業を行うことができ、VPNと比べて通信量も抑えられるVDIの有用性が増大。快適かつセキュアなテレワーク環境を構築できる技術として、大企業を中心に導入が進められてきた。

ミニコンピューターの製造・販売から事業をスタートし、現在は豊富な実績とノウハウを有するシステムインテグレーターとして、ITインフラを中心としたソリューションを展開するアルファテック・ソリューションズの田島 雄生 氏は、VDIが企業のITインフラとして導入されてきた背景について、次のように分析する。

「情報漏えいが社会問題化し始めた2000年代前半から、PCにデータを持たせず、社外で紛失した際にも情報漏えいを防げる仕組みとしてVDIの導入が進んだと認識しています。その後、仮想化技術の浸透や物理サーバーの高速化がVDIの導入を後押ししました。また近年のコロナ禍によりテレワークが一気に普及した際、VPNを利用して情報漏えい対策を講じた企業が多かったのですが、利用拡大により通信帯域がひっ迫し、Web会議などの業務が快適に行えないといったケースも増加しました。こうした課題を解決する手段として、画面転送型で通信量を比較的抑えられるVDIが注目されたという背景もあります」(田島氏)

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OSやアプリケーションを一元的に管理可能で、修正プログラムやパッチも一括で適用できると、田島氏はVDIのメリットに言及。その一方で、快適な環境を構築するためにはサーバーやストレージといったハードウェアに高い性能が求められ、導入コストは高くなると話を続ける。

「利便性とセキュリティを両立できるVDIですが、導入・維持コストが高いことが懸念点となります。特に昨今ではSSDやメモリの価格が高騰しており、VDI基盤更改時に、想定していた価格の10倍近くのコストがかかるケースも少なくありません。OSの要求スペックが上がっていることに加え、ユーザーが常に利用する環境であるということを踏まえると、サイジングもシビアに行う必要があり、頭を抱えている情シス担当者も多いのではないでしょうか」(田島氏)

半導体製品が品薄で調達することすらままならない状況においては、VDIの新規導入はもちろん、単純なリプレースであっても難易度の高いミッションとなる。そこで注目したいのが、法人・個人向けPCベンダーとして知られる日本HPが、あらゆる業務PCに導入可能なエンドポイントセキュリティソリューションとして展開する「HP Sure Click Enterprise」だ。

米国国防総省でも採用されているエンドポイントセキュリティ「HP Sure Click Enterprise」

エンドポイント(物理PC)を保護するセキュリティ製品であるHP Sure Click Enterpriseは、物理PC上でVDIと同等以上の強固なセキュリティを実現する先進的なソリューションだ。ソフトウェアとして提供されるため、日本HP製品以外のPCでも利用できる。既存のPCに導入するだけで、セキュリティを担保した状態でVDI環境から物理PCを軸とした業務環境へと移行し、大幅なコスト削減と生産性向上が可能になる。

本製品は、マイクロVMという隔離された空間をPC内に作成し、その中でメールやUSBメモリなどの外部ファイルを実行することで、万が一マルウェアに感染しているファイルを開いてしまった場合でも、ファイルを閉じるだけで感染を簡単に回避できるというセキュリティ製品だ。WindowsのハイパーバイザーではないCPUベースの仮想環境上で処理が実行されるため、マルウェアに感染したとしてもPC本体のOSはまったく影響を受けない。その結果、面倒なPCの復旧作業も不要なほか、ユーザーのセキュリティリテラシーも問わないため、IT管理者の負荷も大幅に軽減できる。また、PC内で動作するため遅延もなく、VDIと比較して快適な業務環境で作業が行えるためユーザーの生産性向上も期待できる。Word/Excel/PowerPointといったOfficeアプリケーションをはじめ、PDFやアーカイブ(圧縮ファイル)、実行ファイルも隔離の対象となる。

  • 図_HP Sure Click Enterpriseの機能や特長を示す図

    HP Sure Click Enterpriseの機能や特長を示す図

さらに、セキュアブラウザも用意されており、マルウェアが仕込まれたサイトにアクセスした場合も、感染や情報漏えいを防ぐことができる。インターネットにアクセスする際はセキュアブラウザ、イントラネットなど社内システムへのアクセスにはEdgeやChromeなど既存のブラウザと使い分けることで、1つのPC内でネットワーク分離が可能となり、VDIと同等のセキュリティ対策が施せる。

PCにインストールすれば利用可能なため、サーバーなどのハードウェアの調達・維持コストがかかるVDIと比較して安価に導入できることも見逃せない。100~499ライセンスの場合、メーカー希望小売価格でPC1台あたり年額7,600円(初期導入時には別途デプロイメントサービスの購入が必要)から利用でき、VDIの代替ソリューションとしてコスト面での優位性は極めて高い。

各省庁のセキュリティガイドラインも遵守でき、企業価値の向上にもつなげられる

日本HPとパートナーシップを締結しているアルファテック・ソリューションズでは、HP Sure Click Enterpriseをエンドポイントセキュリティ強化における有効な一手と捉えており、VDI環境から物理PCを用いた業務環境への移行を検討する企業にとって見逃せない選択肢になると評価している。田島氏は、本製品には大きく3つの特徴があると説明する。

「1つ目はVDIと比べて大幅なコストダウンが図れること、2つ目はユーザーリテラシーに依存することなくセキュリティを強化できること、3つ目は生産性の維持・向上が図れることが挙げられます。セキュリティレベルを維持するためには、ユーザーのリテラシーを高める教育が必要で、そのためのコストも発生します。この製品はユーザーのリテラシーに依存することなくセキュリティを強化できるため、VDIにかかるインフラコストだけでなく、教育のコストも削減できます。さらに通常のPC環境で利用できるため、VDIの画面転送時にたまに生じる画面操作の遅延もなく、快適な操作感を実現します。その結果、業務をスムーズに進めることができ、生産性の向上も期待できます」(田島氏)

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アルファテック・ソリューションズではHP Sure Click Enterpriseの提案・導入支援を積極的に進めており、昨今では長久手市役所への導入を支援した。セキュアなインターネット接続環境が必須となる自治体の生産性向上とセキュリティ強化に寄与している。田島氏は、経産省のサプライチェーンセキュリティ評価制度をはじめ、厚労省やデジタル庁などが策定しているセキュリティガイドラインへの対応という意味でも、HP Sure Click Enterpriseの導入は有効と語り、自治体への導入で得られた知見とノウハウを、幅広い企業に展開していきたいと力を込める。

「HP Sure Click Enterpriseは、経産省が策定したサプライチェーンセキュリティ評価制度の要求事項(☆3/☆4)に応える機能を備えています。弊社が準備中のアセスメントサービスや各セキュリティサービスと併せて利用することで、各省庁のセキュリティガイドラインを遵守することが可能となり、企業価値の向上を図れると考えています」(田島氏)

アルファテック・ソリューションズはHP Sure Click Enterpriseの導入に加え、運用面での支援も提供している。24時間のサポート窓口を設け、操作方法に関するQA対応をしているほか、不具合発生時の調査や対応、バージョンアップに関する案内やサポートも行っている。こういった支援のほか、 PCライフサイクル全体の効率化を実現するソリューション「ピタッとキャパシティ for PC」も提供している。多岐にわたるPC管理・運用・保守業務をアルファテック・ソリューションズに任せることができるサービスで、業務のデジタル化、管理プロセスの標準化、リソースの最適配置、運用コスト削減などの効果が期待できる。

  • 図_「ピタッとキャパシティ for PC」の提供メニュー

    「ピタッとキャパシティ for PC」の提供メニュー

セキュリティを事業における柱の1つと位置付け、ゼロトラストの知見も豊富なアルファテック・ソリューションズは、今後も日本HPが提供するハードウェア・ソフトウェアを活用したソリューションを展開し、生産性とセキュリティを両立した業務環境の構築を支援していく予定だ。田島氏は、エンドポイントセキュリティを強化し、脱VDIを図りたい企業に向けてメッセージを送る。

「昨今ではランサムウェアをはじめ巧妙化したサイバー攻撃が増加しており、アンチウイルスやEDRだけでは端末を守り切れない状況です。こうした懸念に対する有効な手段の1つとして、HP Sure Click Enterpriseはとても優れたソリューションだと捉えています。今後は、他のセキュリティ製品と組み合わせた多層防御のソリューションを多様な業界のお客様に提案し、エンドポイントセキュリティの強化を支援していきたいと考えています」(田島氏)

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