デジタルとAI活用を前提とした業務プロセスの変革に挑む小岩井乳業。同社は、長年活用してきたkintoneをさらなるデータ基盤へと進化させるべく、アールスリーインスティテュート(以下、アールスリー)が提供する業務改善・システム開発サービス「キミノマホロ for kintone」を採用しました。

発注者・受注者という枠組みを超え、対等なパートナーとして歩みを進めてきた両社。プロジェクトが進行する今だからこそ見えてきた、サービスをメニュー化した支援がもたらす安心感と、ガバナンス構築という上流工程からの伴走がもたらす価値について、小岩井乳業のプロジェクトメンバー4名とアールスリーの担当者2名にお話を伺いました。

  • 本日取材に参加していただいたアールスリーインスティテュート担当者2名と小岩井乳業株式会社プロジェクトメンバー4名の集合写真

    プロフィール(左から)
    アールスリーインスティテュート システム開発グループ マネージャー 浅賀 功次 氏
    アールスリーインスティテュート システム開発グループ マネージャー 井上 貴仁 氏
    小岩井乳業株式会社 デジタルICT戦略部 AI変革推進室 室長 川口 賢一 氏
    小岩井乳業株式会社 デジタルICT戦略部 AI変革推進室 イ ボムソク 氏
    小岩井乳業株式会社 デジタルICT戦略部 AI変革推進室 相馬 大輝 氏
    小岩井乳業株式会社 デジタルICT戦略部 AI変革推進室 井関 顕也 氏

kintoneをより信頼できるデータ基盤へと昇華させるために

―まずは今回のプロジェクトが立ち上がった背景や課題感についてお聞かせください。

小岩井乳業 川口氏:
小岩井乳業は現在、デジタルを通じた変革に取り組んでいます。生産性向上と価値創造を二本柱としており、特にAI技術を活用することで「人がやらなくてよい仕事をゼロにする」ことを目指しています。これらを当社で具現化するための中核組織として、2025年10月に新設されたのが、私たちが所属する「AI変革推進室」です。

AI活用を成功させるためには、その土台となるデータの整備が欠かせません。そこで私たちは、業務効率化ツールとして長年利用してきたkintoneを、AI活用のための重要なデータ基盤として再整備する必要があると考えました。

  • 小岩井乳業株式会社 デジタルICT戦略部 AI変革推進室 室長 川口 賢一 氏の写真

    小岩井乳業株式会社 デジタルICT戦略部 AI変革推進室 室長 川口 賢一 氏

小岩井乳業 相馬氏:
私はもともと物流部門に10年以上在籍していました。現場業務に従事していた頃は、自分たちの部署の目標達成が最優先でしたが、全社視点に立つと部署間でデータの見方や言葉の定義がバラバラであることに気づきました。たとえば、物流と営業で同じ言葉を使っていても、指しているデータの意味が異なることがある。これではAIを活用しようにも、基盤となる「共通言語」が存在しない状態です。

  • 小岩井乳業株式会社 デジタルICT戦略部 AI変革推進室 相馬 大輝 氏の写真

    小岩井乳業株式会社 デジタルICT戦略部 AI変革推進室 相馬 大輝 氏

小岩井乳業 井関氏:
そうですね。As-Is分析を進めるなかで、「なんとなく時間がかかっている」「人手が足りない」といった現場の感覚的な課題を、定量的に言語化できていないことが浮き彫りになりました。AI活用の前段階として、まずはkintone内のデータを整理し、ガバナンスを効かせた運用体制を整えることが急務でした。

  • 小岩井乳業株式会社 デジタルICT戦略部 AI変革推進室 井関 顕也 氏の写真

    小岩井乳業株式会社 デジタルICT戦略部 AI変革推進室 井関 顕也 氏

小岩井乳業 イ氏:
kintone自体は導入から10年以上が経過し、社内には多くのアプリが存在しています。しかし、組織体制の変化などもあり、「どのデータがどこにあり、どう活用されているのか」を正確に把握しきれなくなっていました。そこで、外部のプロフェッショナルな知見を借りてガバナンスを再構築し、現場主導の開発を安全かつ効果的に推進できる土台を作ろうと考えたのです。

  • 小岩井乳業株式会社 デジタルICT戦略部 AI変革推進室 イ ボムソク 氏の写真

    小岩井乳業株式会社 デジタルICT戦略部 AI変革推進室 イ ボムソク 氏

ゴールが見えるから、迷わず進める―ワークショップで体感した柔軟かつ体系化された支援スタイル

―数あるベンダーやサービスの中で、アールスリーの「キミノマホロ for kintone」を選定された決め手は何だったのでしょうか。

小岩井乳業 川口氏:
もともと、アールスリー提供のkintoneカスタマイズツール「gusuku Customine」を利用していた経緯があり、製品への信頼感はありました。決定打となったのは、アールスリーさんが主催するワークショップへの参加です。実際にサービスを体験し、対面で課題感を共有できたことが大きかったですね。

アールスリー 浅賀氏:
キミノマホロは、システム開発を代行するだけのサービスではありません。最大の特徴は作業内容と料金をメニュー化している点です。従来のシステム開発にありがちな「要件定義が終わるまで費用が見えない」という不安を解消するため、お客さまの予算や課題に合わせて最適なメニューを組み合わせてご提案しています。

  • 「キミノマホロ for kintone」の利用の流れをイメージした画像

    「キミノマホロ for kintone」の利用の流れ

  • アールスリーインスティテュート システム開発グループ マネージャー 浅賀 功次 氏の写真

    アールスリーインスティテュート システム開発グループ マネージャー 浅賀 功次 氏

小岩井乳業 井関氏:
まさにそのメニュー化が魅力でした。やるべきことと費用がパッケージ化されているため、最初から着地点が見えている状態でプロジェクトを進められるのです。もちろん、パッケージといっても画一的なものではなく、私たちの事情に合わせてチューニングしていただける柔軟性もありました。「軸がありつつ、寄り添ってもらえる」という安心感が導入の決め手です。

小岩井乳業 相馬氏:
安心感という点では、コミュニケーションの取りやすさも大きかったですね。もともとgusuku Customineのサポートを通じて、アールスリーさんの技術力の高さや対応の丁寧さは知っていました。キミノマホロのプロジェクトで体感している「わからないことがあればすぐに聞ける」「週次の定例会で課題を1つひとつ解決できる」というプロセスへの信頼が、キミノマホロの契約前からすでに醸成されていたように思います。

事業方針を尊重しつつ、対等な立場で話し合う真の伴走

―現在は、ガバナンスルールの策定という上流工程を中心に支援が進んでいると伺いました。アールスリーの伴走支援について、具体的な進め方や印象をお聞かせください。

アールスリー 井上氏:
私がPMとして心がけているのは、小岩井乳業さんの業務を深く理解したうえで、アールスリーのノウハウと小岩井乳業さんの現実のギャップを埋めることです。kintoneは簡単にアプリが作れる反面、無秩序に作るとデータが散乱してしまいます。ガバナンスを効かせることは、自由度を制限する側面もありますが、小岩井乳業さんは「事業方針としてこう使いたい」という強い意志をお持ちです。

ですから、私たちも単に言われた通りに作るのではなく、どちらに寄せるのが最適かを話し合い、プロとして率直に意見をお伝えするようにしています。

  • アールスリーインスティテュート システム開発グループ マネージャー 井上 貴仁 氏の写真

    アールスリーインスティテュート システム開発グループ マネージャー 井上 貴仁 氏

小岩井乳業 川口氏:
そこが非常にありがたい点です。私たちはkintone設計のプロではありません。アールスリーさんは私たちの要望に対し、イコールパートナーとしてフラットに意見交換をしてくれます。時には耳の痛い指摘も含めて、対等に議論ができる。この関係性は、キミノマホロというサービスを通じてより加速したと感じています。

小岩井乳業 相馬氏:
たとえば、物流の特殊配送業務に関するアプリ作成の際も、「ユーザーがどこで迷うか」「チェック項目はどう設定すべきか」といった細かい点までアドバイスをいただきました。kintone上のコメント機能でのやり取りだけでなく、必要に応じて「ちょっと1時間話しましょう」とWeb会議を設定し、膝を突き合わせて解決策を練る。まさに伴走していただいている実感があります。

アールスリー 井上氏:
現在の小岩井乳業さんとのプロジェクトは、1つの業務改善だけでなく、全社的なガバナンスという幅広いテーマも扱っています。1つの会議のなかで多岐にわたる課題が出てきますが、アールスリー社内の他のメンバーの知見も結集し、「チームアールスリー」として最適解を引き出し続けることを意識しています。

成功事例が次のメニューになる―顧客とともに進化し続けるパートナーシップの形

―プロジェクトは進行中とのことですが、現時点での手応えや今後の展望についてお聞かせください。

小岩井乳業 イ氏:
ガバナンスルールの骨子が固まり、これからはユーザーへの展開・定着フェーズに入ります。今まで自由に使っていた現場からすると、新しいルールは面倒なものと捉えられるかもしれません。しかし、アールスリーさんの知見を借りながら、会社をより良くするためのルールであることを丁寧に伝え、定着させていきたいと考えています。

小岩井乳業 井関氏:
そうですね。ルールを作って終わりではなく、守られ続ける仕組みにすることが重要です。私たち情報部門のリソースも限られていますので、運用に手間がかからない、省力で回り続ける仕組みをアールスリーさんと一緒に設計してきました。今後は、kintone上のデータがマスタとして正しく管理され、部門間でデータの点在がなくなる状態を目指します。それができてはじめて、AI活用のスタートラインに立てると考えています。

小岩井乳業 相馬氏:
ユーザー部門が何となく欲しがっていたデータを、マスタとして整理し、全社の共通言語として提示してあげること。それができれば、現場での新たな価値創造につながるはずです。

小岩井乳業 川口氏:
将来的に情報部門は、「作る人」ではなく、「サービスの目利き」や「ガバナンスの番人」になっていくべきだと考えています。現場のユーザー部門自らが「キミノマホロのようなサービスを使って改善したい」と手を挙げ、私たちがそれを承認・支援する。そんな自律的なサイクルを作りたいですね。

私たちにとってはチャレンジングな取り組みですが、だからこそ今回のプロジェクトを通じて、アールスリーさんとは発注者と受注者という垣根を超えた、お互いに成長できるパートナーシップを築けていると感じています。

アールスリー 浅賀氏:
今回の小岩井乳業さんとのプロジェクトは、ガバナンスやAI活用を見据えたデータ整備という、アールスリーとしても非常に先進的かつ重要なテーマでした。ここから得られた知見や成功パターンは、間違いなく今後のキミノマホロの新しいメニューとして形になっていくはずです。

お客さまの課題解決とともにサービス自体も進化し、そのノウハウをまた次のお客さまへ展開していく。こうしてメニューが増えていくことで、小岩井乳業さんをはじめ、より多くの企業のDX推進に貢献できれば嬉しいですね。

― ありがとうございました。

関連リンク

[PR]提供:アールスリーインスティテュート