Microsoft Office 365移行をきっかけとしてワークフローに着目

1965年創業、翌1966年に株式会社として設立され、2026年で60周年を迎えるカーメイト。自動車向け後付けヘッドレストの安全性と快適性が注目され、のちのヘッドレスト標準装備法制化への道筋を作った企業だ。「CREATE -創造-」を企業理念とし、さまざまなカーアクセサリーやルーフキャリア、チャイルドシート、ドライブレコーダー、芳香剤・消臭剤といったカーライフを支える多彩なクルマ用品を中心に、ベビー用品、スノーボード関連用品など幅広い製品を企画・開発・製造している。

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2018年にはelectronics(電動化)、eco-friendly(環境配慮)、experience(体験)、eureka(発明・驚き)、evolve(進化)、ええもの・良いものと多様な意味を“e”に込めた「eモノづくり」を経営理念に掲げ、次世代モビリティにつながる開発も手掛けている。加えて近年は海外への取り組みやスマートフォンアプリ開発も加速。そのバックボーンとして社内DX、生成AI活用による業務効率化、そしてデータ分析強化に注力する。

いまはデジタル活用が盛んなカーメイトも、十数年前となるとまだまだアナログ的にこなす業務が多くを占めていた。情報システム部門にあたるICT室室長の品田幸一氏が、当時を振り返る。

「まだシステムまわりが整備されておらず、例えば会議室を使う際も総務部門に内線電話をかけ、空いているか確認してから予約するといったように、いまでは考えられないアナログな時代でした。さすがにそろそろデジタルをより積極的に取り入れていこうという全社的な動きが始まり、その流れの中でグループウェアとしてMicrosoft Office 365(当時、現:Microsoft 365)を導入することになったのです」(品田氏)

この頃からデジタル化の取り組みを推進する立場にあった品田氏。次に検討したのがワークフローの導入だった。

「まずはMicrosoft 365の中でワークフローを実現できないかと考え、検討を始めたのですが、当社の場合、部署によって承認ルートが変わるケースが多くありました。SharePointの標準機能では条件分岐を含む承認ルートの設定が難しく、細かな開発を加えなければ当社の運用に合わなかったため、やはり専用ツールに頼るのが望ましいとの結論に至りました」(品田氏)

  • 株式会社カーメイト 品田幸一氏

    株式会社カーメイト 品田幸一氏

複数候補から選ばれたのが、「ネクストセット・ワークフロー for Microsoft 365」(以下、ワークフロー)である。Microsoft 365にアドオンとして組み込んで利用できるツールとしては当時ほぼ唯一の選択肢だったと品田氏。「選定理由としては、ユーザーがO365に自動的にログインして使えることが最も大きかったですね。加えて、備える機能と導入のしやすさのバランスがよく、魅力的でした。また価格面でも、当時はMicrosoft Office 365自体の導入プロジェクトを併せて進めていたため、全体の費用感の中でワークフローに費やす予算を可能な限り抑えたいとの思いもあり、その点でもワークフローは魅力がありました」と回顧する。

2014年の導入から長期の活用で社内業務に定着

導入決定から半年ほどかけ、2014年に本格運用開始へと至る。この半年の期間においては、基本的には各申請書類が新しくなるため、申請内容やフローの要件定義にそれなりの時間を要した。また、旧システムでもともと使用していた申請書類を整理し、ワークフローに取り入れるものについては実装に向けた仕様決めを行った。こうした移行への準備段階で一定の手間がかかったものの、それ以外に苦労したことはとくになく、採用決定から稼働まで全体的にスムーズに進んだと品田氏。結果として本格運用開始から社員ユーザーもとくに手間取ることはなく、同社の日常業務に順調に定着していったという。

ちなみに同社では、ワークフローと並行して「ネクストセット・安否確認 for Microsoft 365」(以下、安否確認)も導入している。2014年といえば東日本大震災からわずか数年という時期であり、やはり災害などの際に社員の安否を確認できるツールの必要性を感じていたと品田氏は語る。

まずワークフローについて、現在、稟議書をはじめとする社内の各種申請書類はほぼすべてがワークフロー上で運用されている。

「導入当初からペーパーレス化を進めてきた結果、現在では100種類以上の申請書・ワークフローが日常業務の中で活用され、職位に関係なく会長・社長を含め全社員がこのプラットフォームを日々使って承認・申請を行っています。いまも新たな申請書の作成依頼をしばしば受けており、すっかり浸透している印象ですね。ワークフローはマスターデータを複数管理でき、ユーザーが項目を入力する際はプルダウンによる選択式入力や自動入力を活用できるので、入力ミス防止はもちろん申請者の負担軽減にもつながっています」(品田氏)

一方の安否確認は、総務部門が運用主体となってメールによる訓練を年に数回実施しており、災害など非常時の確認手段に確実に使えるツールとして社内に定着している。

「SMS送信への対応や管理者向け機能が充実しており、大雨や津波などの警報レベルに応じた自動通知の設定が可能な点も便利。管理画面が見やすく、管理者はスマートフォンからでも送信状況を確認できるため、社外にいるときや在宅時にも運用しやすい点が重宝していると総務部門から聞いています」(品田氏)

運用に工夫を加えながら、大きなメリットを実感

ワークフローの運用はICT室が担っている。長年かけて紙による申請書をデジタル化し、ワークフローを実装してきたうえ、社員から新たな申請書の依頼や使い方に関する問い合わせもあるため、ICT室としては運用負荷がどうしても上がってしまうと品田氏。ただ、全社的に見ると大きな効率化につながっており、しかも10年以上をかけて着実に定着してきたことから、導入のメリットは大きかったと評価する。

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「多くの社員が便利に利用していると感じています。当社はBYODを活用しており、スマートフォンから申請や承認を行える点については特に利便性が高いとの声が多く、好評です。ただ当社の運用方針に沿い、十分な確認を行わない“うっかり承認”を防止する目的で一括承認機能はあえて無効化しています。一括承認を利用したいという要望が寄せられることもありますが、承認品質を重視し、ミスを防ぐ運用として理解を得ています。そのほか、ワークフローは機能が多く柔軟性が高い分、社員から新たな要望も多くもらうのですが、要望をすべて形にしてしまうと使われない申請書が増えたり、仕組みが複雑化して運用負荷がさらに上がるおそれもあるので、申請書作成依頼については業務背景や利用頻度、全社的な必要性をしっかり確認し、費用対効果を意識した運用を心がけています」(品田氏)

企業理念につながる活用方法を考案、今後のAI連携にも期待

ワークフローは、社員提案のプラットフォームとしても活用しているという。

「ワークフローという名称から、やはり一般的には申請書や稟議書で使われるものだとは思いますが、当社は『CREATE』という企業理念のもとで社員のアイデアを大事にする企業文化があり、製品・サービスの新たなアイデアや改善案も提案という形でワークフローに乗せています。それが各セクションの責任者や担当者の目に留まり、実際に採用されるケースも生まれています。単純な申請・承認のプラットフォームとしてだけでなく、アイデアの発案を加速させ、ユニークな活用につなげる工夫も取り入れているのが、当社の風土に即した使い方といえるかもしれませんね」(品田氏)

このアイデア提案については、開発担当役員からも評価するコメントが出ている。まず、ワークフロー化したことで提案が出しやすくなりました。加えて提案を採点・審査する立場からも、各カテゴリー責任者の採点内容や評価コメントを確認できるため、そのアイデアをどの部門で推進できるかといった振り分けがしやすくなったとの意見が出ているそうだ。

ワークフローの活用法としてはもう一点、ワークフローのクラウド上のデータを社内サーバーに落とし、データベースから過去の申請内容を調べるという使い方もしていると品田氏。「過去のデータを必要とする部門にありがたがられています。これも導入前から魅力に感じていた部分で、実際にうまく活用できています」と話す。

現状、ネクストセットのアドオンツールを追加導入する予定はないとのことだが、一方でサテライトオフィスの生成AIサービス「サテライトAI」は2024年から導入し、高度な画像生成などより踏み込んでAIを使いたい社員が利用できるようにしている。「サテライトAIとワークフローなどのアドオン機能が連携すれば、日常業務全体の利便性がさらに高まると感じています」と、品田氏は今後のサービス展開に向けた期待感を示した。 最後に品田氏は、ネクストセットのアドオンツール導入を考える企業に向けて次のようなアドバイスをくれた。

「ネクストセットのアドオンツールは導入のしやすさと機能の豊富さ、コストと機能のバランスがよくとれている点が魅力です。まずはトライアルを活用して実際の操作感や機能を確認することで、コスト面・機能面の双方において優位性を実感できると思います」(品田氏)

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