スーパーコンピューティング(SC)とハイパーパフォーマンスコンピューティング(HPC)の国際カンファレンス「SCA/HPCAsia 2026」が2026年1月26日~29日、大阪府立国際会議場(グランキューブ大阪)で開催される。
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SCA/HPCAsia 2026 公式HP(日本語のご案内はこちら)
日本は米国、欧州に次ぐSC・HPC及びAIムーブメントの第三極となれるのか、当イベントを日本に招致した理化学研究所 計算科学研究センター センター長の松岡 聡氏、スポンサーとしての参加に加えて注目の出展も行うGMOインターネット株式会社 執行役員 システム本部 本部長の牧田 哲氏、日本ヒューレット・パッカード合同会社(HPE) 常務執行役員 HPC & AI事業統括本部長の根岸 史季氏に、SCA/HPCAsia 2026の意義や見どころなどをご紹介いただいた。
理化学研究所 計算科学研究センター センター長
松岡 聡氏(中央)
2018年に理化学研究所計算科学研究センター長に着任。世界トップクラスの性能を誇るスーパーコンピュータ「富岳」、次世代機となる「富岳NEXT」、AI for Science、量子HPC連携プラットフォームなどさまざまな研究開発を取り仕切っている。今回のSCA/HPCAsia 2026では実行委員長として、日本への誘致から開催に至るまでの責任者としての役割を担う。
GMOインターネット株式会社 執行役員 システム本部 本部長
牧田 哲氏(右)
日本アイ・ビー・エムでのシステム開発経験を経て、2018年5月、総合インターネット企業であるGMOインターネットグループに入社。現在は、インターネットインフラ事業、インターネット広告・メディア事業を展開するGMOインターネットのシステム本部 本部長として、大規模インフラ基盤の開発・運用を支えるエンジニアリング全般を統括する責任者を務める。
日本ヒューレット・パッカード合同会社(HPE) 常務執行役員 HPC & AI事業統括本部長
根岸 史季氏(左)
1998年日本アイ・ビー・エムに公共担当SEとして入社、HPC等の先進技術を他業界やアジアに展開する事業開発担当。2011年インテルに入社しHPC事業開発担当、2015年APJのHPC&AI担当ディレクター就任。 2020年日本ヒューレット・パッカード(HPE)のHPCチームに旧日本SGIと旧クレイ・ジャパンが合流したHPC&AI事業統括の取締役執行役員、2025年HPC&AI本社直轄組織のAPJ統括。
SCA/HPCAsia 2026とは?
――はじめに、SCA/HPCAsia 2026とはどのようなイベントなのか教えてください。
松岡氏:SCA/HPCAsia 2026は、その名の通りAIなどの基礎技術であるスーパーコンピュータやHPCを軸に、AIによって研究が加速されるAI for ScienceやAI for Industry(産業におけるAI活用)、量子コンピュータなど最先端のテーマが一堂に会する国際的な会議です。実は同様の会議は米国や欧州で既に1980年代から行われています。米国の会議はSCと呼ばれ、2025年も11月に約1.6万人を集めて開催されました。欧州のISCは毎年夏、主にドイツで開催されており、こちらも約3,500~4,000人を集めています。
ユニークなのは、SC、ISC、そして今回開催されるSCA/HPCAsia 2026も、最先端の研究者による論文発表が行われる学術会議であると同時に、民間企業や研究機関等が最先端技術を展示する場でもある点です。つまりこれらに参加すれば、最先端技術のすべてをわずか数日で吸収できるわけです。
今回は、このような形態のSCA/HPCAsia 2026を、日本で初めて開催することになりました。従来も学術会議としては開催されてきたのですが、規模が小さく、商業的展示を組み合わせて大規模化したのは2023年のシンガポール開催からです。そして2026年、ついに日本へやってくるという流れです。
――具体的にどういった企業が出展するのでしょうか。
松岡氏:GMOインターネット様とHPE様にはダイヤモンドスポンサーとして協力をいただき、ブース展示やプレゼンテーションを実施いただきます。それに加えてNVIDIA、AMD、IBM、Google、NEC、富士通、三菱重工といった国内外の大企業はもちろん、今回は日本のベンチャー企業、特にAI系ベンチャーの展示も多く、全体で約100社が参加します。また、企業だけでなく、日本の研究機関による展示や技術発表も用意されています。
日本で開催されることの意義とは?
――今回、日本で開催されることになった経緯とその意義を教えてください。
松岡氏:ぜひ日本で開催してほしいという声が非常に多く上がったことです。日本には「富岳」のようなシンボリックな研究開発があり、日本の最先端技術に触れたい、企業や研究機関の研究者とコンタクトしたいという要望は世界中にあります。
日本開催の意義としては、まず日本の技術を世界に紹介できることが挙げられます。さらに重要なのは、日本の方々が世界の”本当の最先端”に直に触れられる機会を提供できる点です。特にAI分野は日進月歩で進化しており、日本が遅れをとっている側面も間違いなくあります。SCA/HPCAsia 2026に参加することで、各国企業のトップレベルの技術に触れ、インターネット上では得られないような情報を取得できるため、日本企業の大幅なレベルアップにつながるはずです。
牧田氏:当社としては、日本開催に2つの意義があると考えています。1つは言うまでもなくGMOインターネットをより多くの方に知っていただくこと。もう1つは、現在の最先端技術や動向に直接触れることで、当社のクラウドサービスをさらにブラッシュアップするヒントを得られる点です。世界中のAI開発者や研究者が抱える課題や、計算科学が歩む方向性を学ぶことで、当社のサービスをより一層進化させる貴重な知見が得られると考えています。
根岸氏:米国と欧州では、同様のイベントが以前から行われており、日本開催は念願でした。かつての日本は、ガラパゴス化し、日本に最適化したものはグローバルに広がらないという課題を抱えていましたが、現在は裾野が広がり、これまでにない新たなプレイヤーも登場しています。一方で、残念ながら日本のグローバル市場におけるレリバンス(関連性、重要性)は低下傾向にあります。しかし、これは決して悲観すべき状況ではなく、日本には世界にアピールできる強みが数多くあり、今からでも十分にキャッチアップが可能です。
SCA/HPCAsia 2026は、まさにレリバンスを高める場となります。松岡さんのご尽力により、今回ついに日本で初開催されることとなり、スポンサーとしてこの歴史的な機会に貢献できることを大変感慨深く感じています。
GMOインターネットとHPEの出展内容をクローズアップ
――両社がSCA/HPCAsia 2026で紹介する予定の取り組みについてお話しください。
牧田氏:当社が2024年にリリースした高性能クラウドサービス「GMO GPUクラウド」は、日本の研究開発機関やさまざまなAIベンチャーに導入され、好評をいただいています。SCA/HPCAsia 2026ではそうした中から、最先端技術開発の領域で活躍するAIロボット協会様(AIRoA)と、完全自動運転の実現に取り組むチューリング様などの事例を紹介します。
当社はAIやHPCの文脈ではまだまだ新参者なので、繰り返しになりますがまずは「GMOインターネット」を知っていただくことが重要だと思っています。実は当社が「GMO GPUクラウド」をリリースするのは2度目で、最初はあまり話題にならなかったのですが、2022年末にChatGPTが爆発的な話題を呼んでから、それを動かすGPUのニーズが急激に上がり、そのタイミングで「GMO GPUクラウド」を改めてリリースしました。もちろんそこには過去の知見やクラウドの運用ノウハウを活かしており、良いGPUクラウドサービスが作れたと自負しているので、そこをしっかり知ってもらうことにも意義があります。
根岸氏:HPEというとGPUを連想する人が多いと思いますが、今回はそれ以外の部分、例えば深いノウハウを有する水冷のソリューションや、AIのHPCシステムにとって重要なネットワークに関するソリューションなどGPU以外にもフォーカスし、ポートフォリオの広さをお見せできればと考えています。
また、当社はパソコンやプリンタを扱う株式会社日本HPとは別会社であり、AIやHPCではグローバルのナンバーワン企業であることをぜひ日本のみなさんに知っていただきたいです。そのうえで、HPEには完成品のシステムやソリューションを提供する力だけでなく、大規模で複雑なシステムの構築・運用をご支援できる力もあることをお伝えし、お客様の課題解決やチャレンジを直接応援する場にしたいとの思いで参加します。
さらに個人的には、これを機に米国、欧州の二極に対してアジア・日本がいずれは第三の極になっていくことに期待感を抱いています。
牧田氏:AI、HPCなどこれまでは個々に取り組み、クローズドだった研究開発を、よりオープンに世の中へ出していけるチャンスだと思っていますし、これまで日本のインターネットインフラを支えてきた当社が国内の多くの企業にリーチできる立場で参加することで、個々に深く研究されてきた内容を一気に広げる役割を担える貴重な機会と捉えています。そのため当社や商材の紹介だけでなく、各分野のエキスパートたちとつながり、日本の広いマーケットにどのように展開していくかを考える場にしたいとの思いもあります。
来場者側のメリットとビジネスに期待できる効果
――来場者が享受できるメリット、来場者に届けたい価値をお聞かせください。
松岡氏:SCA/HPCAsia 2026は企業や研究機関から”真の最先端”で研究開発に携わる人たちが参加するので、やはり一味違う驚きがありますし、最先端の世界を肌で実感できます。その雰囲気に触れるだけでも大きな意味があり、この場に身を投じるとあっという間に時間が過ぎていきます。日本企業の技術者や研究者も、学術とビジネスの世界が入り混じるこの会議で膨大な量の情報に身を浸し、吸収して、今後の研究開発やビジネスにぜひ活かしていただきたい。それが私たちの狙いです。
根岸氏:それに加えて、企業によってはあらかじめコンタクトいただいた方向けに個別ミーティングも行われます。インターネットでは入手できない情報を手に入れられるので、もしHPEに興味があればぜひ事前にお声がけください。
牧田氏:当社も同様にコンタクトをお待ちしています。当社の「GMO GPUクラウド」は、スーパーコンピュータ性能ランキング「TOP500」で国内商用クラウドサービス1位、クラウド国際評価レポート「ClusterMAX 2.0」でSilverを獲得しているのですが、今回はその開発に携わったメンバーが生の事例をお話しします。そうした場はなかなかないので、ぜひご来場いただくと共に、公式の展示はもちろん、個別のミーティングにも参加いただければと思います。
松岡氏:今回の参加形態には、全プログラムに参加できる「Conference Pass」と、企業展示・キーノートだけに参加できる「Exhibition Pass」の2つがあります。可能であれば「Conference Pass」で参加いただくのがベストですが、企業展示とキーノートでひとまず試してみるという考え方もあります。後者は参加費もかなり低く設定しているので、初めて参加し雰囲気を感じたいならこちらをおすすめします。
<個別ミーティングをご希望の方は以下までお問い合わせください>
●GMOインターネットのお問い合わせ先
https://gpucloud.gmo/form/
●日本ヒューレット・パッカードのお問い合わせ先
個別ミーティングについては弊社営業にお問い合わせください。
その他、全般のお問い合わせ先は下記まで。
https://www.hpe.com/jp/ja/contact-hpe.html
日本開催のSCA/HPCAsia 2026が未来につながる
――最後に、今回のSCA/HPCAsia 2026がどのような未来をもたらすのか、あるいは今回のイベントを機にどのような未来を目指していきたいか、みなさんの視点で伺えますか。
根岸氏:何より、このようにユニークで重要なイベントが日本で開かれること自体が意義深いことです。私としてはやはり日本のレリバンスを上げていきたいとの思いがあり、SCA/HPCAsia 2026がその契機となって、結果として日本企業のビジネスが伸びていくことを期待しています。
牧田氏:私たちは国産企業で、日本が大好きです。その私たちはもちろん、ベンチャー企業のみなさんもこの場で技術力をしっかり見せることで、世界の中で「日本の技術力はやっぱり高いよね」と思ってもらいたいですし、私たち自身も日本の技術は遅れているわけではないと勇気づけられたい。そのきっかけになればうれしいですね。
松岡氏:最大のキーワードは、“メイド・イン・ジャパン”から“メイド・ウィズ・ジャパン”への転換です。もう日本だけでガラパゴス的にやっている時代ではありませんし、そもそも一国で完結すること自体が難しい。しかし一方で、日本は技術的にまだまだ高いポテンシャルを秘めています。だからこそ、日本と組むことで可能性をさらに伸ばせると世界中の企業や研究所が思っているわけです。私が考える、日本が復活するためのキーワードがまさに“メイド・ウィズ・ジャパン”であり、それを今回のSCA/HPCAsia 2026で追求できればと考えています。
SCA/HPCAsia 2026 公式HP(日本語のご案内)はこちら
<参加企業・機関一覧>
ダイヤモンドスポンサー(2):GMOインターネット株式会社、HPE(日本ヒューレット・パッカード)
プラチナスポンサー(15):DataDirect Networks、クオンティニュアム株式会社、NVIDIA G.K.、コアマイクロシステムズ株式会社、アマゾンウェブサービスジャパン合同会社、日本IBM株式会社、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ合同会社、NSCC Singapore、三菱重工業株式会社、Vertiv、日本電気株式会社、河村電器産業株式会社、グーグル・クラウド・ジャパン合同会社、富士通株式会社、理化学研究所 計算科学研究センター
ゴールドスポンサー(11):ピュア・ストレージ・ジャパン株式会社、VAST Data、IQM Quantum Computers、Super Micro Computer, Inc.、CSC - IT Center for Science / LUMI Supercomputer、Giga Computing Co., Ltd.、ウエスタンデジタルマーケティング合同会社、ネットアップ合同会社、ソフトバンク株式会社 / Arm、WEKA、ASUS JAPAN INC.
シルバースポンサー(31):XENON Global Technologies、株式会社JSOL、Slurm、QUDORA Japan KK、The Siemon Company、Do IT Now、さくらインターネット株式会社、プラナスソリューションズ株式会社、株式会社ScaleWorX、QuEra Computing, Inc.、High Performance Software Foundation、沖縄科学技術大学院大学、ThinkParQ GmbH、国立研究開発法人 産業技術総合研究所 量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター、National Center for High-performance Computing (NCHC)、xFusion技術日本株式会社、一般財団法人 高度情報科学技術研究機構 神戸センター、インテル株式会社、Digital Research Alliance of Canada、東京エレクトロン デバイス株式会社、クオルガ株式会社、OpenWebSearch.eu、兵庫県立大学、株式会社フィックスターズ、Linaro、Arista Networks Japan Limited.、株式会社トーメンデバイス、Siemens Digital Industries Software、AMD Japan Ltd.、QILIMANJARO、Cerebra
ブロンズスポンサー(37):Omnibond、データライブ株式会社、Arcitecta、株式会社HPCソリューションズ、ヒビノグラフィックス株式会社、タツタ電線株式会社、Pacific Teck Japan合同会社、量子イノベーションイニシアティブ協議会、PCクラスタコンソーシアム、東京大学 情報基盤センター、筑波大学 計算科学研究センター、Oxford Quantum Circuits、一般社団法人スーパーコンピューティング・ジャパン、北海道大学 情報基盤センター、株式会社ジーデップ・アドバンス、株式会社コサウェル、学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点、MEGAZONE株式会社、東京科学大学、Classiq Technologies、Leibniz Supercomputing Centre、センコーアドバンス株式会社、東北大学 サイバーサイエンスセンター、九州大学 情報基盤研究開発センター、ClusterVision Solutions、大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所、Schneider Electric、ENEOS株式会社、日本オラクル株式会社、Australia's HPC、VSTECS (SINGAPORE) PTE LTD (x2)、理化学研究所 計算科学研究センター (x2)、Hammerspace、Calligo Tech、ノックス株式会社、ビジュアルテクノロジー株式会社、VDURA
スタートアップ(7):QunaSys Inc.、モルゲンロット株式会社、Open OnDemand、X-ScaleSolutions、HPC Gridware、Pasqual、Qunova Computing
※2025年12月時点
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