2025年11月19日~21日、パシフィコ横浜にて国内最大級の組み込み・エッジテクノロジー総合展示会「EdgeTech+ 2025」が開催されました。会場では「生成AIで進化する開発現場。ものづくりは『AIと創る』新時代へ」をテーマに、AIやIoT、組み込みソフト、半導体デバイスなど多岐にわたる技術・製品が紹介されており、多くの来場者で賑わっていました。
そうしたなか、製造現場におけるAI活用の中核を担う存在として注目を集めていたのが、エプソンPC「Endeavor Pro9300」です。外観検査AIや推論処理、動画解析といった高負荷なAI処理を低コストかつ安定的に実現する本製品を軸に、同社は製造業の課題解決に向けた製品・ソリューションを提案していました。 本記事では、「EdgeTech+ 2025」に出展したエプソンダイレクトのブースを取材し、Endeavor Pro9300を中心とした製造業×AIの最新動向をレポートします。
製造業の課題に寄り添いながら製品開発を行うエプソンダイレクト
現在、国内の製造業は、少子高齢化による人手不足や設備の導入コスト増など、さまざまな課題に直面しています。DXの遅れも深刻で、AIやIoTなどを活用した生産効率の改善や品質管理の強化、コスト削減などが求められています。
そうしたなか、エプソンダイレクトは共創パートナーとともに製造業の課題を解決するための製品開発やプロジェクトに取り組み、2022年度から「EdgeTech+」を含む製造業に関連した展示会に出展して具体的な活用事例とともに製品・ソリューションを提案してきました。
この取り組みを通じて同社が痛感したのが、外観検査や技術継承、ペーパーレス化など、製造現場における「AI活用ニーズ」が切迫していることだったと言います。しかしそのベースとなるPCの選定が大きなボトルネックとなり、DX化がなかなか進んでいない現実も見えてきました。
たとえば、専用機は民生用PCに比べて導入コストが高いという問題があります。また基本的に受注生産となるため、納品までの時間も長くなってしまいがち。一方、民生用PCは導入コストやリードタイムは抑えられるものの、耐環境性能や信頼性、カスタマイズ性などの面では専用機に及びません。またモデルチェンジが頻繁に行われるため、万一故障したときに供給体制やサポート面でも不安が残ります。結果、コストや納期の圧縮化を検討しながらも民生用PCへの導入に踏み切れないというケースが少なからず発生していたのです。
エプソンダイレクト 取締役 平田朋賢氏によれば「製造業のお客様が求めているのは“壊れないPC”。現場で故障せず長く使えるものであれば、安くてサービスが良いもののほうがいい。もともとお客様に品質や長期にわたる供給体制を評価していただいているエプソンPCなら、そうした本質的なニーズに応えられる」と気づいたのが、製造業にコミットするようになった理由だそうです。
会場では、専用機と民生用PCの長所を併せ持つ同社製品が多数展示されており、実際に触って試すこともできました。
現場ごとに異なるAI活用ニーズに対応するエプソンPCの製品
今回の展示会では、「エプソンPC×AI=止まらない業務を支える未来を!」をスローガンにエプソンPCの最新ラインアップが一挙に展示されていました。
製造業の場合、AI活用に必要なスペックは現場ごとに異なります。それに応えるには、ニーズに沿ったきめ細かい製品ラインアップが求められます。エプソンPCの場合は、超小型モデルの「Endeavor JG150」や、ミニタワーながら拡張性に優れる「Endeavor JM8400」、フラッグシップモデル「Endeavor Pro9300」など、AI活用に適した複数のデスクトップPCが用意されています。ノートPCも、16型ディスプレイを搭載しながら薄型軽量ボディを実現したCopilot+ PCの「Endeavor NL3000E」があります。
そうしたなかでも、ハイレベルなAI処理が要求される現場に適した製品が、2025年11月26日に発売された「Endeavor Pro9300」。AI処理に特化した専用エンジン「NPU」を内蔵するだけでなく、GeForce RTX5000シリーズを搭載でき、外観検査AIや推論処理、動画解析などにも対応することが可能です。
前モデルの「Endeavor Pro9200」からは筐体サイズなどは大きく変わらないもののデザインや内部構造が刷新されており、より高負荷な処理にも対応しやすくなっています。その開発の背景について、エプソンダイレクト 事業推進部 マーケット企画グループ 志澤啓公氏は「最新の市場動向に対応するのがひとつの理由」だと語ります。
「前モデルは2019年発売のEndeavor Pro9000から踏襲したデザインを採用していました。しかし、最近のAI活用ニーズに対応するにはNVIDIA GeForce RTX5000シリーズを搭載できるようにしたい。それには、以前と比べて巨大化したグラフィックスボードに対応するため内部構造を刷新する必要がありました。そこでこの機会に今までお客様からフィードバックをいただいていた部分を含め、使い勝手やデザインを改めて見直していこうということになったんです」(志澤氏)
事業推進部 マーケット企画グループ係長 大波賢一氏は「もちろん、フラッグシップモデルですので、グラフィックスだけでなくCPUも高性能なものを採用したいというニーズがあります。お客様によって必要なスペックは異なるため、幅広い領域にも対応できるように『より高性能なものをお届けする』という考えでスペックを構成しています」とのこと。
もっとも、性能を重視すると言っても、そのために筐体を大きくするという考えにはならなかったそうです。
「高性能なのに省スペースというのもひとつの特徴なので、ミドルタワーというケースサイズは変えず、搭載できるグラフィックスボードを大きくするような設計を技術側で考えてもらいました。また前モデルでは上方に突き出た持ち運び用ハンドルを、新モデルではフロントパネル部に組み込む形に変更しています。その結果、サイズ感は同じなのに中身は大きくパワーアップしていますよ」(志澤氏)
さらに拡張性とメンテナンス性を両立する改良も行っていると言います。
「従来のマザーボードはグラフィックスボードを取り外さないとストレージを交換できない設計になっていたのですが、今回からM.2スロットをマザーボード裏面に配置することで、サイドパネルを外すだけで簡単にアクセスして交換や増設ができるようにしています。お客様の反応も非常によく『画期的ですね』というお声もいただきました。また、効率的なエアフロー設計とともにAIでCPUの温度推移などを予測してファンの回転を制御する『AIファンコントロールシステム』も搭載しており、スペックと同時に静音性もアップしています。筐体やマザーボードを自社設計しているエプソンだからこそできたことだと思います」(志澤氏)
その“エプソンならでは”の特徴としては、国内生産や手厚い保守サービスなども挙げられます。
「エプソンPCは、国内の生産拠点で製造されているのも強み。独自の厳しい基準で部品の選定から評価まで行うことで、高い品質と信頼性を実現しています。また、定額保守サービスでは通常保証対象外となるグラフィックスボードについても保証※が適用されるため、より安心してお使いいただけます。さらに、長時間の連続稼働が求められる環境向けには有寿命部品保守サービスも用意しており、耐久性が重要となる運用でも長く安定してご利用いただけます。エプソンPCはBTOで必要なスペックに合わせて柔軟にパーツの構成をカスタマイズできるのも特徴ですが、こうした手厚い保守の存在も安心してお使いいただける要素になっていると思います」(志澤氏)
※状況によっては保証期間内であっても有償となる場合がございます。詳しくは保証規定をご確認ください。
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そして、製造DXの課題解決のため現場のニーズに合わせてパッケージ化されたモデルが、AIによる外観検査を行うための高性能GPUを標準搭載した「外観検査AI向け NVIDIA搭載パッケージ」、現場でのタブレット活用を支援する「ペーパーレス化向け Windowsタブレット運用パッケージ」、ウルトラコンパクトPCをベースとした「装置組み込み向け 長期運用パッケージ」の3つです。
企画変更に携わった大波氏によると「展示会でエプソンPCに関心を持ってくださったお客様や、既存のお客様とのコミュニケーションからニーズが見え、これら3モデルを用意しました。目的にジャストフィットしたパッケージがあれば、選ぶ必要なく購入できます。お客様がPCを選ぶ手間を省けるものを作りたかったのです」とのこと。その狙いは見事的中。そこに昨今のAI活用ニーズが重なり、顧客からの引き合いが急増しているそうで、会場でも多くの来場者が高い関心を寄せていました。
製造業のさまざまな場面に適したパッケージモデル
AI先端企業から“選ばれるPC”とは - 共創パートナーが評価するエプソンPC
エプソンダイレクトが製造業の課題に寄り添ううえで、欠かせない存在だったのが共創パートナーです。ブースにはAI実装の最前線企業である、日本マイクロソフト、Airion、HACARUS、フツパーの4社のコーナーが設けられ、各社のソリューションとエプソンPCを組み合わせた用途の提案などが行われていました。
▼Copilot+ PCの活用を提案する日本マイクロソフト
日本マイクロソフトのコーナーでは、ローカル環境で高速に生成AIを実行できる「Copilot+ PC」として、16型のエプソンPC「Endeavor NL3000E」が紹介されていました。
同社によると、Endeavor NL3000Eは「図面を開く際に見やすい画面サイズで、マルチタスクを快適に行える高いスペックも搭載しています。また画面サイズに対して軽く、持ち運びやすいという利点もあります。AI処理に特化したチップであるNPUが搭載されており、ローカル環境でAI機能が使えるのもポイントで、物理的・セキュリティー的にインターネットを使えない場所でも要約や翻訳などのAI機能を利用したり、業務トレーニングできたりする点も製造業のお客様に喜ばれるところ」と、そのアドバンテージを挙げました。
また、「製造業に向けた取り組みが豊富で、導入後のサポートも手厚く、お客様の満足度も高いと感じています」とのことで、「お客様にEndeavor NL3000Eを使っていただきながら、製造業におけるAIに求められるものを特定していけたら」と期待を寄せました。
▼AIによる技術継承を実現するAirion
そのうち、Airionのコーナーでは、チャットや音声による会話でAIがベテラン技術者のナレッジを引き出し、誰もが活用できる構造化された情報としてデータベースに蓄積する「ナレッジ活用AIシステム 技能継承くん」の展示とデモンストレーションが行われていました。
使用されていた端末は13.3型モバイルノートPC「Endeavor NA610E」およびWindowsタブレットPC「Endeavor JT51」で、同社によると「(エプソンダイレクトが強い)製造業へのアプローチがより進められるのではないかと考えエプソンPCを選びました。本体が堅牢なうえ軽く、タブレット端末にはジャケットやハンドキャリーなどを付けることもでき、製造現場に合った使い方ができるのが魅力的」と言います。
▼少量データで高精度な外観検査AIを実現するHACARUS
HACARUSのコーナーでは、20〜60枚程度の少量の良品データによる学習からでも高精度な外観検査が可能なAIソフト「HACARUS Check ZERO」の紹介が行われていました。目視検査の負担や検査によるばらつきを減らし、自動化と品質の安定化を進めたいニーズに応えるソリューションです。
チョイスした端末は、容積約2.8Lというコンパクトな筐体ながら高性能グラフィックスボードを搭載し、OSに特定用途向けのWindows 11/10 IoT Enterprise LTSCを採用した「Endeavor JG150」。同社によるとエプソンPCを選んだ理由は「長期保守サービスがあり、大規模なOSのアップデートがないため、アプリケーション資産も活かしやすい。そのため長期的に安定稼働するPCが必要なお客様に安心してお使いいただけるところが決め手になりました。産業用PCに比べて納品が非常にスピーディーなのも魅力的でした」とのこと。
▼外観検査&品質管理AIを提案するフツパー
フツパーのコーナーでは、ベルトコンベア上を流れる製品の良品・不良品をAIで判別し、不良品の自動排除にまで対応した外観検査&品質管理AI「メキキバイト」の展示デモが行われていました。
選定したPCは、OSに特定用途向けのWindows 11 IoT Enterprise LTSCを搭載した高性能タワー型デスクトップPC「Endeavor JM8400」。同社によると「低コストでありながら長期サポートが受けられる点と、端末の起動が安定していてスピーディーな点、納品までが早い点が決め手でした。予期しない不具合がPCに起きると生産工程のラインが止まってしまうため、エプソンPCで安定した状況が作れたのは大きいですね。産業用PCと民生用PCの間に位置しているからこそ実現できたこと」とエプソンPCならではのメリットを挙げました。
▼用途に応じた機種を必ず用意できるラインアップの厚み
共創パートナーの声からも分かるように、エプソンPCは製造業のさまざまな場面で活用が進んでいます。それができるのは、タブレットPCから高性能タワー型デスクトップPCまで幅広いラインアップ展開を行うエプソンダイレクトならでは。また、多くの企業と共創実績を持ち、顧客とともに“ものづくり”に取り組んでいける関係性を築いているのも大きな理由と言えるでしょう。その成果は着実に製品として結実しており、展示会会場でも随所で伺い見ることができました。
AI時代の製造業を支える“新しい定番PC”
産業用PCの耐環境性能や信頼性、民生用PCの低コストと短納期を併せ持ち、AI活用ニーズに対応した「Endeavor Pro9300」などの製造現場に適した製品をラインアップするエプソンPC。「EdgeTech+ 2025」では共創パートナーのAIソリューションと組み合わせた用途を提案していましたが、そこから生まれる“新しい価値”は製造DXの課題解決にとって心強い味方になってくれるはずです。
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