企業のDX推進が加速する昨今、データ分析はもはや一部の専門部署だけのものではなく、事業成長に不可欠な業務の中核となりつつある。それに伴い、データ分析基盤も、PoCフェーズから、止まることが許されない本番業務システムへと移行。セキュリティやコスト最適化の観点からオンプレミス回帰を選択する企業も増えるなかで、その基盤となるサーバには従来以上の性能と信頼性が求められている。

しかし、日本のサーバ市場には「使えるうちは長く使う」という考え方が根強く残っている。この慣習が、AI活用が必須となった現代において、企業の競争力をかえって削いでしまっている可能性があると、NEC コンピュート統括部プロフェッショナルの石坂一久氏は警鐘を鳴らす。

石坂氏は、長年HPC分野で並列処理やコンパイラの技術開発に携わり、現在はデータ分析高速化ライブラリ「FireDucks」の開発を率いる専門家だ。30周年を迎えたNECのサーバ「Express5800シリーズ」とインテル® Xeon® 6 プロセッサーの組み合わせが、これからのデータ分析基盤にどのような価値をもたらすのか。適切なサーバリフレッシュがビジネスに与えるインパクトについて、詳しく話を聞いた。

「まだ使える」から「TCO」へ——サーバ投資の判断基準を変えるべきとき

日本企業では「壊れるまで使う」「減価償却が終わるまで使い切る」といった運用方針が根強く残っている。しかし、ITインフラ、とりわけサーバにおいては、“使える”ことと“最適に使えている”ことはまったく別の話だ。

技術の進化が著しい現在、古いサーバを使い続けることは、多くの見えないコストを発生させる。最新の機能が使えないことによる機会損失だけでなく、運用負荷の増大や、日々高度化するサイバー攻撃に対するセキュリティリスクなど、事業継続に関わる課題も無視できない。

  • 資料・サーバーリフレッシュの必要性

「サーバのリフレッシュには初期投資が懸念されがちですが、私たちは性能向上による業務効率化、消費電力の削減といったメリットを総合的に捉えたTCOの観点で価値を提案していきたいと考えています。最新サーバへの投資は、将来のビジネス競争力を高めるために不可欠です」(石坂氏)

実際、インテル® Xeon® 6 プロセッサー(6700P/6500Pシリーズ)を搭載した最新サーバへの移行により、TCO(総保有コスト)の大幅な削減が可能になることが明らかになっている。たとえば、従来の第2世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー搭載サーバと比較して、MongoDBのようなデータサービスでは最大81%のサーバ台数削減と73%の消費電力削減を実現。ResNet 50による画像分類では、サーバ台数を90%削減し、TCOを68%も削減できたという。

  • 資料・サーバーリフレッシュの効果

特にデータ分析の領域では、その傾向が顕著だ。クラウドで始めた分析基盤を、セキュリティやコスト最適化の観点からオンプレミスへ回帰させる動きも活発化しており、"止められない"システムとしての信頼性が強く求められている。

5年で性能は1.8倍に——最新サーバがデータ分析を次のステージへ引き上げる

適切なサーバリフレッシュがもたらす性能向上は劇的だ。一般的な更改タイミングである5年前のサーバと比較すると、その差は歴然としている。30周年を迎えたExpress5800シリーズの最新モデルは、インテル® Xeon® 6 プロセッサーを搭載。CPUコア数やメモリ帯域、I/O性能の大幅な向上により、データ分析基盤としての実力を一段と高めている。

「5年前の第1世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー搭載モデルと比較して1.8倍、第3世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー搭載モデル比でも1.4倍の性能向上を達成しました。この性能向上は、プロセッサーのコアあたりの周波数向上はもちろんですが、データ分析において特に重要となるメモリ帯域がDDR4からDDR5へ進化したことが大きく寄与していると分析しています。一昔前は1台のサーバでは処理できなかったテラバイト級のデータも、今や1台で扱える。これは分散処理の複雑さから解放されるという点でも、非常に大きな進歩です」(石坂氏)

  • NECが開発するデータ分析高速化ライブラリ「FireDucks」を用いたベンチマーク結果

    NECが開発するデータ分析高速化ライブラリ「FireDucks」を用いたベンチマーク結果

この進化の背景には、NECとインテルの長年にわたる強固なパートナーシップがある。NECがインテル® Xeon® プロセッサーを選び続ける理由は、その性能だけではないと石坂氏は語る。

「一番の理由は、エントリーからハイエンドまで非常に幅広いCPUのラインナップを持たれている点です。そして何より、その信頼性です。多くのOSや仮想化ミドルウェアの開発ベンダーが、インテル® Xeon® プロセッサー上での動作を前提に開発・評価を行っています。この強固なエコシステムが、結果としてサーバ全体の品質と安定稼働に繋がり、お客さまの安心につながっているのです」(石坂氏)

  • NEC コンピュート統括部 アクセラレータソリューショングループ プロフェッショナル 石坂一久氏

    NEC コンピュート統括部 アクセラレータソリューショングループ プロフェッショナル 石坂一久氏

既存コードが資産になる「FireDucks」 手間いらずの高速化がAI活用を加速する

データ分析の領域において、最新サーバの性能を最大限に引き出す鍵となるのが、石坂氏が開発を率いる「FireDucks」だ。これはデータ分析の標準的なツールであるPythonライブラリ「pandas」と高い互換性を持ちながら、処理を劇的に高速化するソフトウェアだ。

FireDucksの特徴について石坂氏は「既存のpandasプログラムのimport文を1行書き換えるだけで、コードを修正することなく利用できる高い互換性。そして、私たちの評価では最大100倍以上の圧倒的な高速性です」と説明する。

  • グラフ・ベンチマーク結果

pandasはシングルコアで動作するため、最新CPUが持つ多数のコアを活かしきれない。一方、FireDucksはHPC開発で培った並列処理技術でマルチコアを最大限に活用。さらにライブラリ内部に実行時コンパイラを組み込んでおり、プログラム実行の直前に自動的に分析・最適化を行い、計算量やデータ転送量を削減することで、圧倒的な速度向上を実現する。

特に、ゲノム解析など巨大なデータを扱うバイオインフォマティクスの分野では、その効果は絶大だ。ある遺伝子変異情報の集計処理では、pandasに比べて実に34倍もの高速化を達成。これまで一晩かかっていた処理が数十分で完了し、研究開発のサイクルを劇的に加速させることが可能だという。

ほかにも、たとえば金融機関では、膨大な取引データから不正を検知するモデルの開発サイクルが短縮され、リスクへの迅速な対応に貢献できる。製造業では、工場のセンサーデータを分析して故障の予兆を捉え、生産ラインの停止を未然に防ぐといった活用も考えられる。

これまでβ版として提供されてきたこの強力なツールが、2025年12月よりいよいよ製品版として本格的に展開される。データ量の爆発的な増大というデータ分析の現場が抱える課題を解決する切り札として、大きな期待が寄せられている。

「単体のソフトウェアライセンスとしてご購入いただけますが、私たちはExpress5800シリーズを推奨環境として位置づけています。というのも、FireDucksの性能評価はExpress5800シリーズの実機で行っており、そのマルチコア性能や広帯域なメモリといったハードウェアのポテンシャルを最大限に引き出せることを検証済みだからです。ハードウェアとソフトウェアの両面から最適化された環境で、最高のデータ分析体験を提供したいと考えています」(石坂氏)

  • FireDucks導入のメリット

止まらない基盤を支える、日本市場に寄り添う品質とサポート体制

ハードウェアの性能競争が激化するなかで、NECが選ばれる理由は性能だけではない。そこには、日本市場に深く根差した、品質へのこだわりと手厚いサポート体制がある。

「私たちは、特に日本のお客さまの課題や使い方に寄り添った製品・サービスの提供を重視しています。その象徴が、国内生産に裏打ちされた品質と、手厚い運用・保守体制です。全国に約340カ所の保守拠点を構え(※2025年3月末時点)、万一の際にも迅速にサポートします」(石坂氏)

さらに、NECは「サーバ診断カルテ」や「稼働分析サービス」といった独自の運用支援サービスを提供している。これらはサーバの稼働状況を可視化・分析し、障害の予兆検知やリソースの最適化を支援するものだ。

ハードウェアの進化とともに、こうしたソフトウェアやサポート体制も常に進化しており、古いサーバではその恩恵を十分に受けることができない。だからこそサーバリフレッシュは、単なる機器の入れ替えに留まらず、運用保守のレベルそのものを次世代へと引き上げる、またとない機会となるのだ。

「データ分析の体感が変わる」体験が、ビジネスの競争力を生む

最後に、サーバリフレッシュを検討している企業へ、石坂氏はこうメッセージを送る。

「これまでPCでデータ分析をされていた多くの方に、ぜひ最新のExpress5800シリーズとFireDucksの組み合わせを体験していただきたいです。扱えるデータ量が格段に増え、処理速度が劇的に向上することで、データ分析の"体感"がまったく変わります。データ活用が日常業務の中核となる今、適切なタイミングでのサーバリフレッシュは、将来のビジネス競争力に直結します。NECは、ハードウェアの性能だけでなく、運用性、信頼性の三位一体でお客さまのAI活用とデータ分析基盤を支援します」(石坂氏)

金融や官公庁をはじめ、業界を問わずデータ分析の内製化は加速している。その基盤となるサーバへの投資は、コストという枠組みを超えた、企業の競争力を支える戦略的な一手と言えるだろう。

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