デジタル化が進む現代のビジネス環境において、クラウドサービスの選択は企業の競争力を左右する重要な要素となっている。とくに日本企業においては、データセキュリティやコンプライアンスへの懸念から、パブリッククラウド移行に慎重な姿勢を示す企業も少なくない。

このような状況の中、いま日本企業に求められているのが、国内データセンターで稼働し、堅牢なセキュリティとデータ主権の保護を備えるクラウド基盤だ。本稿では、SCSKのクラウドサービス「USiZE」(ユーサイズ)に焦点を当てて、ハイブリッドクラウドやソブリンクラウドの実現方法、そして日本企業特有の課題解決策について深掘りしていきたい。

インテル® Xeon® プロセッサーを採用した安定性の高いプラットフォームとして、「USiZE」がどのように企業のデジタル変革を支援しているのか、その強みと将来展望についてSCSKの飯尾孝幸氏、堀口秀信氏、會澤一樹氏に語っていただいた。

明らかになってきたパブリッククラウドの課題点

SCSKは住友商事の子会社として、同社のデジタルソリューション事業の中核を担っているIT企業だ。売上高は約6000億円、従業員数は2万名以上(2025年3月期)。グローバルで9拠点を持ち、ネットワンとの統合により約10,000社の顧客を抱えている。幅広い分野でITサービスを展開しており、10~11月に開催された「Japan Mobility Show 2025」でIT企業としては初となるEV(電気自動車)を公開したことも記憶に新しい。

SCSKの飯尾氏は、国内企業がデジタル化・クラウド化を進めるうえで抱えている課題について語る。多くの企業は、サービスやシステムの特性に合わせた最適なクラウド選定を望んでいる。しかしその一方で、重要なシステムやデータは自社でコントロールしたいという相反する要求があるという。その理由は大きく3つある。

  • SCSK ITインフラサービス事業グループ クラウドサービス事業本部 事業推進部 クラウド営業課 セールスリプリゼンタティヴ 飯尾孝幸 氏

    SCSK ITインフラサービス事業グループ クラウドサービス事業本部 事業推進部 クラウド営業課 セールスリプリゼンタティヴ 飯尾孝幸 氏

1つ目は、法的リスク。クラウドサービスは各国の法律によって、政府が情報を閲覧できる可能性がある。米国のクラウドアクト法はその代表例と言えるだろう。情報の機密性を確保するためにもデータ主権を確保し、顧客の信頼に応えなければならない。ゆえに、自国企業が運営するデータセンターを望む企業・団体が増えており、とくに行政、自治体、製造業などで顕著だ。

2つ目は、地政学的リスク。各国間のネットワークは、海底に敷設された通信ケーブルなどによって接続されており、物理的な切断によるアクセス障害が発生する可能性がある。また海外リージョンで大規模障害が発生した場合、クラウドへのアクセスが不可能になってしまう。国際情勢が複雑化する中、有事に備え、国内でのアクセスが容易な環境を求める声は多い。

3つ目は、セキュリティリスク。パブリッククラウドにはさまざまな利点があり、強固なセキュリティを備えているが、簡単に利用開始できるがゆえに、不慣れな技術者による設定不備などにより、外部への情報漏洩リスクを懸念する声も根強い。

堀口氏は、「いま多くの経営層がパブリッククラウドに漠然とした不安を感じており、ビジネス上の機微な情報は社内に置いておきたいというニーズが増えています」と現状を説明。さらに飯尾氏は、「国内のデータセンターで管理することは、アクセス速度の観点からも利点があります」と補足した。

リスクに対する経営層の不安、これが国内のデータセンターや自社管理のクラウド環境を志向する理由に繋がっているのだろう。

ハイブリッドクラウドとソブリンクラウドを実現するUSiZE

こういった企業が抱えている課題に対する解決策のひとつとしてSCSKが提案するのがハイブリッドクラウドであり、その中核となるのが同社のクラウドサービス「USiZE」だ。

「パブリッククラウドがクラウドの基本だと思いますが、マーケットニーズは刻々と変化しています。パブリッククラウドだけでは実現できない部分を、特性に合わせて組み合わせてご提案するのが当社のUSiZEです。とはいえ、すべてをUSiZEで解決できるとは考えておらず、メガパブリッククラウドは最大限に活用するうえで足りない部分を我々が補うというのがひとつの答えだと考えています」(飯尾氏)

「USiZE」はハイブリッドクラウドだけでなく、ソブリンクラウドとしての側面も併せ持っている。堀口氏は、「USiZE」は4つの観点からソブリンクラウドを実現していると説明する。

  • 資料・求められる要素と「USiZE」で実現できること

1つ目は、データ主権と管轄権の管理。日本国内で日本企業が運営する堅牢なデータセンターに配置されたクラウドサービスであること。2つ目は、データの独立とモビリティ。閉域網接続のみで実現可能なこと。3つ目は、データのアクセスと整合性。アクセス方法の選択が可能であること。4つ目は、データセキュリティとコンプライアンス。各種認証を取得したデータセンターであることだ。

「もっとも重要なポイントは“データ主権”で、日本の企業として運営・保存を行っていることで、お客様に安心してご利用いただけるようにしています」(堀口氏)

  • SCSK ITインフラサービス事業グループ クラウドサービス事業本部 USiZEサービス部 第一課 堀口秀信 氏

    SCSK ITインフラサービス事業グループ クラウドサービス事業本部 USiZEサービス部 第一課 堀口秀信 氏

USiZEの強みはハイブリッドクラウドを実現するための重要なピースであること、そしてソブリンクラウドの要素を持つことにあると飯尾氏はまとめる。

「USiZEは、お客さまの未来に寄り添う形で提供するプライベートクラウドです。例えば古いOS環境やIPアドレス体系の移行を簡単に行うことができます。またパブリッククラウドの従量課金と異なり、月額で固定されていて予算が立てやすいというメリットもあります。日本円での課金・請求となるため、コストのシミュレーションがしやすいという点も国産ならではの良さでしょう。自社でデータセンターを保有・運営しており、セキュリティ面の強みもあります」(飯尾氏)

  • 資料・SCSKが推奨するハイブリッドクラウド

ここで會澤氏は、他社と差別化できる機能として、マルチクラウド接続サービス「SCNX (SCSK Cloud netXchange)」を通じた低遅延でのクラウド間接続を紹介。netXDC印西キャンパスは「AWS」「Microsoft Azure」「Oracle Cloud」などの主要パブリッククラウドの接続拠点を備えており、クラウドとのダイレクトな接続が行えるという。これはハイブリッドクラウドの環境構築において大きな強みとなるだろう。

「印西キャンパスは“データセンター銀座”と呼ばれるくらい、主要なパブリッククラウドのアクセスポイントが非常に近くに集まっており、これらを直接接続することで低遅延を実現しています。他のサービスではクラウド間を接続する際に通信キャリアの回線を使う必要がありますが、SCNXの場合はデータセンター同士が既に接続されているため、各パブリッククラウドへのダイレクトアクセスが可能です」(堀口氏)

某製造業における「USiZE」のユースケース

「USiZE」のユースケースとして、會澤氏は某製造業での移行事例を紹介する。このプロジェクトは2022年上期から事前検討を開始、同年10月より正式スタート。最終的には計画より半年以上前倒しで2025年上期に移行が完了したという。

現行データセンターの閉鎖を見据え、約300のシステムと1000台近いサーバーを対象にした大規模な移行プロジェクトを計画した。特にデータベースの移行については社内では解決策がみつからず、総合SIerとしてシステム構成のあらゆる要素に幅広く対応が可能なSCSKに声がけを行った。当初はAWSへの移行を中心に計画をしていたものの、サポートが終了した古いOSやシステムが混在しており、それらすべてをAWSへ移行させるには、多大な時間、労力、コストが必要となった。

  • 資料・ハイブリッドクラウド環境移行事例

ここで活用されたのが「USiZE」となる。「USiZE」は、ユーザーがリスクを負担することは大前提となるが、基本的にOSのサポートが切れていてもそのまま移行が可能。またIPアドレスの体系変更も不要であり、そのまま使用できる。

「USiZEでは既存構成から大きな変更をせずに安定稼働が見込めます。データセンター閉鎖の期限が迫るなか、厳しいスケジュール且つ高いコストをかけてアプリを刷新するよりも、一旦USiZEに移行いただき、余裕をもって対応いただくプランを提供させていただきました。 USiZEと同じデータセンターにAWSの接続点(PoP)があるため、SCNXを使ってシステム間の連携も問題なく行えます。また、アプリの刷新をすすめていたものの、途中で対応が間に合わなくなってしまったものも、移行先をUSiZEに変更いただき柔軟な使い方も提案させていただきました。結果としてAWSとUSiZEを組み合わせることで本移行プロジェクトを安定且つスムーズに進めることができました」(會澤氏)

  • SCSK ITインフラサービス事業グループ ITインフラサービス事業グループ統括本部 グループ戦略営業部 第一課 會澤一樹 氏

    SCSK ITインフラサービス事業グループ ITインフラサービス事業グループ統括本部 グループ戦略営業部 第一課 會澤一樹 氏

ユーザーの課題に向き合い、自社のサービスにこだわることなく“ここはパブリッククラウド、ここはUSiZE”と柔軟な対応を行っていることも「USiZE」が信頼される理由なのだろう。

「対話ができるという点も評価されているポイントです。お客さまからの要望を聞いて新しいサービスを開発するなどフィードバックを活かしたサービス開発も行っておりますし、お客さまに寄り添って「こういうことができます」と提案も行います。総合SIerならではの姿勢が評価されていると感じますね」(會澤氏)

「USiZE」のインフラを支えるインテル® Xeon® プロセッサー

「USiZE」がユーザーに支持される大きな理由のひとつは安定性だ。あらゆるパブリッククラウドは安定稼働の努力を惜しまないが、それでも障害は必ず発生するものだ。そんななか、「USiZE」の稼働率は99.99%と非常に高く、特に直近約2年では稼働率100%を維持している。

この「USiZE」のインフラを支えるCPUとして長年にわたり採用されているのが、インテル® Xeon® プロセッサーだ。約20年の歴史がある「USiZE」の安定稼働を支え続けてきたのがインテル製CPUというわけだ。

「サービスを始めた当初からずっとインテル製品を使用しており、変えることへの不安もあります。実際にサーバーの中心となるCPUのアーキテクチャを変更するには、かなりの検証が必要になるため、長年にわたり安定して動かし続けられているという点は非常に重要です。USiZEが安定稼働を実現できている根幹のひとつにインテル製品があると考えています」(堀口氏)

続けて堀口氏は「インテルCPUの機能をまだ十分に使いこなせていないと感じています」と課題を話す。セキュリティ機能の1つであるTDXや、AI関連の機能のAMX といったインテルの新しい技術を吸収し、サービスとしてユーザーに届けることは、同社がさらに力を入れていきたいことのひとつだという。

クラウドサービスの活用に新しい姿勢が求められるなか、ハイブリッドクラウド・ソブリンクラウドとして柔軟に活用できる「USiZE」の価値は高まっている。最後に3人より、ユーザーに向けたメッセージをいただいた。

「我々は、ハイブリッドクラウドの実現や、グローバルサプライチェーンがどうなるかわからないなかで最適な使い分けに悩むお客さまとともに、システム全体の最適解を一緒に目指したいと考えています。クラウドの組み合わせやデータ管理に悩むお客様に寄り添うサービスを用意しておりますので、ぜひご相談ください。ソリューションの押し売りではなく、お客さまにとって最適な環境を提案できることはSCSKの強みと自負しています。そしてUSiZEは、その中で大きな役割を果たすクラウドサービスです」(飯尾氏・堀口氏・會澤氏)

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