対談者プロフィール
(左)アダム・イスマイル氏
ティーリアムジャパン株式会社 パートナー営業部 シニアマネージャー
Citigroupにて証券アナリストとして主に新興市場を担当し、当時その一つであったデジタル広告市場にピボットでCRITEOに入社、大手小売やトラベル等を中心にデマンドサイドを経験。その後GroupMにて自社媒体の統括、アドビにてDXパートナーセールスの統括を務め、アドテク・マーテック両方での経験を経て、両サイドを跨ぐTealiumにて2024年11月よりパートナーセールスの責任者を務める。
(右)中村 卓弘氏
アマゾンジャパン Amazon Ads, Head of APAC Ad Tech Sales
三井物産にてITビジネス、インフラ事業投資を経験後、国内アドテックベンチャーの経営企画部長、海外事業担当役員を経て、2019年にアマゾンジャパンに入社。以来、Amazon Ads Japanにおいて、Amazon DSP事業のパートナーシップ拡大、アドテックセールス事業(Amazon DSP、Sizmek、Amazon Marketing Cloud)の立ち上げに取り組み、現在日本、中国とオーストラリアを主管する。
「Cookieレス」の世界を勝ち抜くため必要なこと
―はじめに、マーケティング環境の変化についてお聞かせください。「ファーストパーティシグナル」が注目されている背景には、何があるのでしょうか?
中村氏:オーディエンスの選定や広告効果の解析といった、デジタル広告に必須の活動は、サードパーティCookieの仕組みに大きく依存していました。しかし、世界的なプライバシー保護意識の高まりを背景に、その利用が厳しく制限されるようになっています。
こうした状況下で、生活者一人ひとりを深く理解し、適切なコミュニケーションを設計していくためには、お客様との直接的な接点から得られる「ファーストパーティシグナル」が欠かせません。この信頼性の高いシグナルを蓄積し、活用していく重要性が高まっているのです。
―ファーストパーティシグナルを蓄積し、活用する仕組みづくりが鍵となる中で、Tealiumの「CDP(顧客データ基盤)」はどのような役割を果たすのでしょうか?
イスマイル氏:一般にCDPは、散在する顧客データを一元的に管理・統合・蓄積・分析し、マーケティング施策に繋げるプラットフォームを指します。その中でもTealiumのCDPは、とりわけデータの「活用」、広告配信などのアクティベーションに特化しているのが特徴です。「アクティベーションCDP」とも呼ばれたりします。
TealiumのCDPは、ECサイトやスマホアプリ、実店舗など、オンライン・オフラインを問わず、複数チャネルから集まってくる膨大な行動データをリアルタイムで統合します。そして、顧客の動向を常に最新の状態で維持・管理することによって、「今、この瞬間」の興味関心に合わせたマーケティング施策へと、瞬時に繋げることができるのです。我々が強みとする「リアルタイム」は、収集・統合・施策先への供給までをミリ秒単位で実現することを意味しています。
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ティーリアムジャパン株式会社 パートナー営業部 シニアマネージャー アダム・イスマイル氏
Amazon AdsとTealiumの連携がもたらすもの
―顧客理解の精度を高めるには、プラットフォームの技術連携が要になると思いますが、Amazon AdsとTealiumは、どのような連携がなされているのでしょうか?
中村氏:Tealiumとは、コンバージョン計測や、オーディエンスセグメントの生成・管理に関するAPI連携をしています。この連携により、TealiumのCDP上にある質の高いシグナル、たとえば「実店舗での購入」といったオフラインのコンバージョン情報や、「ウェブサイトで特定の商品を閲覧した」といったオンラインの行動のシグナルを、Amazon Adsの環境へシームレスに取り込むことが可能となっています。
取り込んだシグナルは、広告配信サービスである"Amazon DSP"上で、カスタムオーディエンスを生成し、利用することができます。さらに、データクリーンルーム"Amazon Marketing Cloud (AMC)"での個人情報を特定しない形でのセキュアな分析にも用いることができます。
―Amazon AdsとTealiumの密な連携は、広告主に対してどのようなメリットを提供するとお考えですか?
中村氏:大きく3つの観点から、メリットを提供できると考えています。
1つ目は「広告・キャンペーンの効果測定」の精度向上です。近年、Amazonに出品していなくとも、Amazon Adsの広告ソリューションをご利用になるケースが増えております。そうした広告主様にとっては、自社サイトでの会員登録や資料請求といった、Amazonの「外」で発生するコンバージョンを正確に計測することが必要ですが、Tealiumさんとの連携により、広告投資の全体像を正しく評価することが可能になります。
2つ目は「高精度なオーディエンス選定」によるお客様へのリーチです。ファーストパーティシグナルを基盤にすることで、たとえば「自社のロイヤルカスタマーと似たような属性や行動パターン」を持つ、潜在層にアプローチをすることが可能になります。より効果的にお客様にリーチすることができるわけです。
そして3つ目は「カスタマーインサイトの深化」です。自社のファーストパーティシグナルだけでは見えてこない顧客像も、AMCを使い、「Amazon.co.jpのどんな商品カテゴリを閲覧しているか」「Prime Videoでどんなジャンルのコンテンツを視聴しているか」といった情報と掛け合わせて分析することで、より解像度の高いインサイトを得ることができます。
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アマゾンジャパン Amazon Ads, Head of APAC Ad Tech Sales 中村 卓弘氏
イスマイル氏:私は「リアルタイム性」がもたらすインパクトを、さらに強調したいと思います。API連携によるAmazon Adsとのシームレスな統合は、非常にパワフルなものだからです。
従来のバッチ連携、つまりデータをまとめて受け渡す方法では、どうしてもタイムラグが発生していました。お客様の関心は移りゆくものです。購買意欲が最高潮に達しているタイミングを逃してしまい、大きな機会損失に繋がる可能性がありました。
しかし、Amazon AdsとTealiumのAPI連携により、リアルタイムなデータの受け渡しが可能になりました。お客様が求めているタイミングで、最も適切なメッセージを届けることが可能になったのです。これは、広告効果を高めるだけでなく、心地よいコミュニケーションを実現し、顧客体験全体の向上に繋がる、非常に重要なポイントです。
