生成AI技術の急速な進展により、企業のITインフラに求められる要件は大きく変化している。高い計算性能と効率性を両立し、柔軟な拡張性を備えたサーバーシステムが求められるなか、デル・テクノロジーズは、インテル® Xeon® 6 プロセッサーを搭載した最新世代のDell PowerEdgeサーバーシリーズを投入。さらに業界標準化を牽引するOpen Compute Project(OCP)のデータセンター・モジュラーハードウェアシステム(DC-MHS)を本格採用し、サーバー業界の新たな潮流を作り出している。
「PowerEdgeサーバーは、30年以上にわたり、お客さまからいただく声を大切にし、その時々のビジネスニーズやワークロードに最適なプロダクトを追求し続けてきました」と語るのは、デル・テクノロジーズ インフラストラクチャー・ソリューションズ営業統括本部の南部憲夫氏だ。同氏は、入社からPowerEdgeサーバーを中心としたソリューションビジネスの開発に一貫して携わってきた。本稿では、最新PowerEdgeサーバーがもたらす変革とオープンスタンダードに基づく同社の取り組み、そしてインテルとの強固なパートナーシップについて話を伺った。
30年、進化し続けるPowerEdgeサーバー
PowerEdgeサーバーのラインアップは、用途に応じた4つのシリーズで構成される。汎用性の高いラックマウント型の「Rシリーズ」、オフィス環境に適したタワー型の「Tシリーズ」、AIや高性能コンピューティングに特化した「XEシリーズ」、そしてエッジ環境に最適な「XRシリーズ」だ。
これら全シリーズに共通するのが、「パーパスビルド」「インテリジェント」「サイバーレジリエント」という3つの設計思想だ。用途やワークロードに合わせた専用設計、AI技術を活用したシステム管理、そしてゼロトラストを前提としたハードウェアレベルでのセキュリティ対策が、PowerEdgeサーバーの特徴といえる。
最新のインテル® Xeon® 6 プロセッサー搭載機種は、RシリーズのR470、R570、R670、R770の4機種と、XEシリーズのXE7740の1機種。Rシリーズ4機種は、電力効率重視のEfficient-cores(E-Cores)と性能重視のPerformance-cores(P-Cores)の選択が可能となっている。
また、XE7740は、インテルのAIアクセラレーターであるインテル® Gaudi® 3 (PCIe)を最大8枚まで搭載可能だ。インテル® Gaudi® 3 は、AI学習や推論用途に最適化されており、従来のベンダー固有技術に縛られない新たな選択肢を提供する。インテル® Gaudi® 3 の優位性について南部氏は「圧倒的なパフォーマンスと電力効率を実現するだけでなく、クラスタ―構築をする際にも業界標準のイーサネットを採用した設計になっているため、コストを大幅に抑えたAI基盤構築が可能になります」と強調する。
市場、そして社会全体に価値を還元する——デル・テクノロジーズが注力するオープンスタンダード
サーバーがコモディティ化するなかで、ベンダー間の差別化はますます困難になっている。しかし、デル・テクノロジーズはこの状況をむしろ好機と捉え、オープンスタンダードに力を入れて取り組むことで、市場全体への貢献を目指している。「差別化が難しいのは事実ですが、当社が関わる優れたテクノロジーや仕組みが、より多くの方に利用され、最終的には社会・人類の進化に貢献できた方が、私たちにとっては非常に有意義です」と南部氏は語る。
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デル・テクノロジーズ インフラストラクチャー・ソリューションズ営業統括本部 南部憲夫氏
デル・テクノロジーズは創業以来、ベンダーロックインによって顧客の選択肢を狭めることは望まず、むしろオープンスタンダード技術の積極的な活用と推進に取り組んできた。その象徴的な取り組みが、Open Compute Project(OCP)が提唱するプロジェクトの1つであるデータセンター・モジュラー・ハードウェアシステム(DC-MHS)への参加だ。デル・テクノロジーズとインテルは、DC-MHSの発足段階から主要メンバーとして、仕様の策定や業界全体の標準化を牽引してきた。
DC-MHSは、従来のサーバー設計・製造手法を根本から変革する取り組みだ。各ベンダーが独自仕様で開発していた従来手法では、設計・開発コストと在庫管理コストが増大し、市場投入も遅れがちだった。DC-MHSでは、CPU、サーバーベンダー、またはそれぞれのODMが、従来のシステムボードに相当する「ホストプロセッサーモジュール (HPM)」を、DC-MHSの共通仕様に基づき設計・製造。さらに、ストレージやネットワークデバイス、管理コントローラ―、拡張スロット、電源装置、冷却ファンなどサーバーを構成するあらゆるコンポーネントについても、パーツ・サプライヤーが、このHPMに統合できるモジュール型のコンポーネントとして設計、製造し、サーバーベンダーへ供給する。
それぞれのサーバーベンダーは、目的、用途に合わせて、これら共通規格化したモジュールを柔軟に組み合わせることで効率的なサーバー製品の開発が可能になるわけだ。
今回のインテル® Xeon® 6 プロセッサー搭載PowerEdgeサーバーは、このDC-MHS規格を初めて本格実装した製品として、業界の先陣を切っている。「まるでレゴブロックのように標準化されたモジュールを組み合わせて、さまざまな用途に合わせたサーバーを構築していく。これが10年以上前から追求してきた理想の形です」と南部氏は説明する。
DC-MHSがもたらす真価とは
DC-MHSがサーバーベンダーやパーツサプライヤーに広く浸透すると、業界全体で部品調達や供給の標準化が進み、サプライチェーンの安定化が期待される。特定のパーツが供給不能となった場合でも、DC-MHSに準拠した同等機能の部品を別のサプライヤーから調達できるため、迅速な代替が可能となり、供給リスクの分散につながる。サプライヤーにとっては、サーバーベンダーごとに異なる仕様で部品を製造する必要がなくなり、設計・生産・在庫管理の効率化が図られることで、製造負担の軽減につながる。これらの変化は最終的に顧客にもメリットをもたらし、サーバーの調達や納期の安定化、設備投資や運用計画を柔軟に進めることが可能となる。このように、DC-MHSの普及はサプライチェーン全体のリスク分散・効率化・安定化を促進し、サーバーベンダー、パーツサプライヤー、顧客、それぞれにとって具体的な恩恵を享受することができる。
また、DC-MHSの導入は、サーバーの設計やメンテナンスにも大きな変革をもたらす。南部氏は、「たとえば、ネットワークカードが故障した場合でも、工具なしで簡単に交換できます。これにより、保守作業の時間が大幅に短縮され、ダウンタイムを最小限に抑えることができます。また、工場での組み立て作業も簡素化されるため、品質の均一化と安定化にも貢献します」と説明する。
さらに、DC-MHSは柔軟なサーバー構成を可能にする。たとえば、フロントI/Oモデルだ。従来、サーバーメンテナンスは高温の背面(ホットアイル)で行う必要があったが、モジュラー設計によるフロントI/Oモデルを採用することで、前面(コールドアイル)での作業が可能になった。保守担当者が高温環境で長時間作業する負担を大幅に軽減できる。
南部氏は、「私たちはサーバー業界全体でこの方式をスタンダード化していきたいという思いがあります。現在、競合他社でもDC-MHSへの取り組みは見られますが、インテル® Xeon® 6 プロセッサー搭載PowerEdgeサーバーのような本格実装はまだ少ない状況です。この先行優位性により、最新のテクノロジーをいち早く取り入れ、用途や目的に最適化した製品を、短納期で、安定的にお客様へご提供していきたい」と述べ、DC-MHSの戦略的重要性を強調する。
運用管理とセキュリティ——AIが支える次世代インフラ
コモディティ化が進むサーバー市場において、デル・テクノロジーズは、製品そのものが持つ独自の優位性、幅広いソリューションやサービス、そしてグローバル規模での堅固なサプライチェーン体制を通じて、総合的な価値を提供することで差別化を図っていく考えだ。運用管理機能とセキュリティ対策もその重要な柱となる。
PowerEdgeサーバーでは、従来のiDRACやOpenManageといった管理ツールに加え、AI技術を活用した独自のオブザーバビリティーツール「Dell AIOps Infrastructure Observability」を提供している。南部氏は「システム状況をもとに障害の予兆分析やセキュリティ対策のレコメンデーションを行うほか、生成AIを活用したアシスタント機能も利用できます。使い勝手は非常にシンプルでありながら、豊富な機能を備えているため、ユーザビリティも高く、運用負担の大幅な軽減につながることを実感していただけます」と説明する。
セキュリティ面においては、ゼロトラストを前提とした多層的な対策が施されている。BIOSやファームウェアの改ざん防止機能、ストレージ暗号化、そしてAIによる障害・不正アクセスの予兆検知など、ハードウェアレベルでのセキュリティを強化。さらに、サプライチェーン全体においても、製品の製造から輸送、配送に至るまでの過程でセキュリティ対策が講じられている。
「これらの付加価値によってお客さまに安心してサーバーをご利用いただけるよう、私たちは常に革新的な技術を取り入れています」と南部氏は語る。
インテルとの強固なパートナーシップが拓く未来
デル・テクノロジーズとインテルの関係は、創業以来40年以上にわたる強固なパートナーシップによって支えられている。インテルの最新CPUが発表されると同時に、デルもそれに合わせた新世代PowerEdgeサーバーを投入するなど、両社はまさに一心同体で技術革新を進めてきた。最近の協業例としては、インテル® Xeon® 6 プロセッサー搭載のPowerEdgeサーバーを用いたAI推論ベンチマークや、5Gコアネットワーク向けの共同検証などが挙げられる。
しかし、ベンチマークの数値だけでは伝わらない価値もある。「自社のワークロードやアプリケーションを持ち込んで検証してみないと、本当の効果はわからない」と南部氏は指摘する。そこでデル・テクノロジーズが用意しているのが、「Customer Solution Center」というショールームだ。最新製品・ソリューションを実際に体験でき、定期的なセミナー・ワークショップと実機でのPoCが可能な施設として、顧客の生の声を製品開発にフィードバックする重要な役割を担っている。
「インテルの日本法人とデル・テクノロジーズの両社が東京・大手町の徒歩圏内にオフィスを構えることになったため、今後はお客さま・パートナー企業も参加していただけるオフィスツアーやワークショップを通じて、この検証環境をさらに活用していきたい」と南部氏は展望を語る。
最後に、南部氏は読者に向けて力強いメッセージを送った。
「PowerEdgeサーバーは、進化し続けるテクノロジーの時代において、お客さまの課題解決とビジネス成長を力強く後押しする存在です。これからもデル・テクノロジーズは、革新的な技術によって皆さまの挑戦と成長を全力で支援していきます」(南部氏)
PowerEdgeサーバーは、インテル® Xeon® 6 プロセッサーと、DC-MHSに代表されるオープンスタンダードの取り組み、そして最先端の運用管理・セキュリティ対策によって、AI時代のITインフラを強力にサポートする。デル・テクノロジーズとインテルのパートナーシップにより生み出される次世代サーバーソリューションは、これからも企業のデジタル変革を力強く後押ししていくことだろう。
関連リンク
- デル・テクノロジーズ株式会社
- インテル株式会社
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