生成AIの活用がビジネストレンドとなっている現在、あらゆる業界においてAI開発の環境整備は喫緊の課題といえる。そのなかで、AIエンジニアの採用・育成と並び重要な要素となっているのが、開発基盤となるハードウェア・ソフトウェアの選択だ。世界最大手の半導体メーカーとして長年にわたり業界を牽引してきたインテルでは、AI開発におけるハードウェア面での支援はもちろん、ソフトウェア面においてもAI活用に取り組む企業を強力に支援している。
その一環として提供されているのが、インテル製CPU/GPU/AIアクセラレーターを搭載したサーバーを利用できるクラウドコンピューティングサービス「インテル® Tiber™ デベロッパークラウド」だ。本稿では、長年にわたりインテルソフトウェア開発製品の販売及び技術サポートの提供を行ってきたエクセルソフト株式会社に話を伺い、インテル® Tiber™ デベロッパークラウドの特徴と導入メリットを確認していく。
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30年に及ぶインテルとのパートナーシップを活かし、日本企業のAI開発を支援するエクセルソフト
ビジネスや生活にAI技術が浸透したことで、企業におけるAI活用の重要度は高まり続けている。AI開発には多大なコンピューティングリソースが必要であり、CPU/GPU/AIアクセラレーターなどのハードウェアはもちろん、AIトレーニングや推論を担うソフトウェアを含めたインフラの構築が不可欠だ。しかし、進化を続けるAIインフラを構成するハードウェア&ソフトウェアをオンプレミス環境で構築するのは効率的とはいえず、AI開発向けクラウドコンピューティングサービスの利用が主流となってきている。
こうした状況のなか、インテルが提供するサーバー&ワークステーション向けCPUであるインテル®Xeon® プロセッサーや、インテル® データセンター GPU マックス シリーズ、インテル® GPUフレックスシリーズ、さらにはディープラーニングトレーニング及び推論プロセッサーである「インテル® Gaudi® AIアクセラレーター」をクラウド・インフラストラクチャサービスとして利用できる「インテル® Tiber™ デベロッパークラウド」への注目が高まっている。
2024年4月に開催されたインテルの年次イベント「Intel Vision 2024」でTiberブランドへの統合が発表されたインテル® Tiber™ デベロッパークラウドは、他のAI開発向けクラウドコンピューティングサービスと比較し、最新のインテル製ハードウェアを手軽に利用できるという優位性を持つ。ただし、グローバルで提供されるサービスのため、日本国内においては日本語対応の遅れなどからAIインフラとしての認知度は高くはなかった。こうした状況のなか、インテル製品の販売・技術サポートのパートナーとして事業を展開するエクセルソフトがインテル® Tiber™ デベロッパークラウドの販売・技術サポートを開始。日本国内における導入ハードルは格段に低くなり、AI開発環境の構築を検討している企業にとって見逃せない選択肢の1つとなっている。
約30年近くにわたってインテルとのパートナーシップを構築し、インテル コンパイラーやライブラリ製品の販売パートナーとして活動を続けてきたエクセルソフトでは、インテルが提供しているプロセッサーやグラフィックスカードなどのハードウェアを活用するためのソフトウェア開発者向け技術サポートを提供。現在は約3万人のアクティブユーザーを支援しており、HPC/AIアプリケーションの最適化向け技術トレーニングも展開している。同社のセールスエンジニアである竹田 賢人 氏 は、取り扱いを開始したインテル® Tiber™ デベロッパークラウドの概要と強みについて、次のように説明する。
「インテルが提供するインテル® Tiber™ デベロッパークラウドは、インテル製のCPUやGPU、AIアクセラレーターのGaudiといった最新ハードウェアを比較的低コストで利用できるクラウドコンピューティングサービスです。クラウド・インフラストラクチャとしては、Xeonプロセッサーをはじめ、インテル製のGPUやAIアクセラレーターと、それらを接続するネットワークをベアメタル及び仮想環境やKubernetesのコンテナ環境で構築してインスタンスとして提供できます。さらにソフトウェア開発者向けサービスとしての側面もあり、LLMモデルの最適化やAIモデルのトレーニングと推論のデプロイといったワークロードも利用できるほか、 AIソフトウェア開発者向けの勉強用コンテンツなども提供されています」(竹田氏)
竹田氏は、本サービスの特徴としてコストパフォーマンスの高さを挙げる。ディープラーニング向けの第2世代AIアクセラレーター「インテル® Gaudi® 2 AIアクセラレーター」をはじめ、インテル® Xeon® プロセッサーやインテル® データセンターGPU Maxシリーズ、フレックスシリーズといったGPUを含んだヘテロジニアス・デプロイ環境をクラウドサービスとして利用可能だ。2024年8月現在、インテル® Gaudi® 2 AIアクセラレーターを搭載したインスタンスを提供しているのは本サービスのみとなる。さらに他社のサービスと比較して20~40%のコスト削減が可能で、インテル製ハードウェアを用いたプラットフォームを安価に評価できることも大きな強みとなる。
「本サービスでは、クラウド・インフラストラクチャだけでなく、アクセラレーター・ライブラリや最適化されたAIフレームワーク/モデルを含んだソフトウェアスタックもインスタンスに搭載して提供しています。さらに弊社ではELAサブスクリプション・オプションを提供しており、3/6/12カ月予約可能なベアメタルSKUを10~30%の割引で利用することが可能となっています」(竹田氏)
大幅なコスト削減とパフォーマンス向上を実現、事例から確認するインテル® Tiber™ デベロッパークラウドの導入効果
コストパフォーマンスに優れたインテル® Tiber™ デベロッパークラウドは、すでにグローバルでの導入が進んでいる。例えばマーケティング/広告業界向けにサービスを提供している企業では、AIを活用して展開しているコンテンツの分析・スコアリングを行うツールのプラットフォームとしてインテル® Tiber™ デベロッパークラウドを採用。オンプレミス環境に構築していた従来のインフラと比較し、約40%から約400%のコスト削減を実現した。さらにAIトレーニングを約20%、AI推論を約50%高速化することに成功しており、コストとパフォーマンスの両面で大きなメリットを得られている。
また、LLMを活用し、コンテンツの事実性と有害性をチェックする企業向けのAPIサービスを提供している企業も、インテル® Tiber™ デベロッパークラウドのインスタンスを活用することで最大80%のコスト削減を実現。GPUからGaudi 2アクセラレーターへと移行したことで、特定のモデルにおいてはスループットが約2倍に向上したという。
「グローバルでは、AIアクセラレーター(Gaudi 2)を活用するためのプラットフォームとして本サービスを利用するケースも増えてきています」と竹田氏は語り、日本国内における本サービスの利用拡大に向けて、さまざまなサービスを準備していると同社の取り組みについて言及する。
「弊社では、インテル® Tiber™ デベロッパークラウドに関してインスタンスの販売や技術サポートの提供などを開始しており、ビジネスプランに基づいたPoC構築から最適な価格プランの提案、購入サポート、環境構築までを支援する「クラウドサービス導入支援」も展開しています。インスタンス販売に関しては前述したELAサブスクリプション・オプションで割引価格での提供も実現しました。本来はインテルの米国本社と英語でやり取りする必要があるのですが、弊社から購入いただくことで、日本語による販売手続きや、請求書による円払いなど日本の商習慣に合わせた形で利用が可能です。
また評価目的で無償利用できるインスタンスのクーポンコード発行に関してもリクエストを代行するほか、評価に向けて必要な情報や技術の支援も行います。さらに技術サポートを購入された企業には、日本語によるサポートを提供するなど、インテル® Tiber™ デベロッパークラウドの導入・活用を円滑に行うためのサービスを幅広く展開していく予定です」(竹田氏)
次世代AIアクセラレーター「インテル® Gaudi® 3 AIアクセラレーター」にも対応予定、インテル® Tiber™ デベロッパークラウドが日本のAI開発を牽引する
先に述べたとおり、インテル製のCPUやGPU、AIアクセラレーターといった最新ハードウェアを手軽に利用できるクラウド・インフラストラクチャとして期待が高まるインテル® Tiber™ デベロッパークラウド。利用可能なAIハードウェア・ポートフォリオは今後も拡充していくとのことで、Intel Vision 2024で発表された第3世代のAIアクセラレーター「インテル® Gaudi® 3 AIアクセラレーター」もポートフォリオに加わる予定だ。AIの演算で多用される行列演算エンジンはインテル® Gaudi® 2 アクセラレーターの4倍、Tensorプロセッサー・コア数は2.6倍と大幅な性能向上を果たしたインテル® Gaudi® 3 AIアクセラレーターを利用することで、生成AIのパフォーマンスは飛躍的に向上するはずだ。
最新のAIハードウェアとソフトウェアサービスを提供し続けるインテルと、長年にわたりソフトウェア開発向け技術サポートを提供してきた経験と実績を持つエクセルソフト。両社の強力なパートナーシップにより、導入しやすくなったインテル® Tiber™ デベロッパークラウドは、日本のAI開発環境を次のステージへと押し上げてくれるだろう。両社の連携が生み出すソリューションには、今後も注視して行く必要がありそうだ。
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