基幹系システムのクラウド移行やハイブリッド環境でのデータ活用の高まりなどを背景に、PostgreSQLへの関心が大きく高まっている。PostgreSQLはさまざまな業務システムで長年利用されてきたオープンソースソフトウェア(OSS)のリレーショナルデータベース(RDB)だ。クラウド時代に入ってからも、さまざまな商用RDBサービスの基盤ソフトウェアに採用されるなど、活用領域は大きく広がっている。

マイナビニュース TECH+でPostgreSQLの利用状況について実態調査を行なったところ、多くの企業が、PostgreSQL利用に際してコストや保守サポートなどの点で課題を抱えていることが明らかになった。商用データベースからOSSまで、さまざまなRDBの導入から運用支援、教育、サポートサービスで 実績を持つ 株式会社アシストに、これからのデータベースの検討と活用のポイントについて伺った。

人気のPostgreSQL、保守サポートやセキュリティには課題感が残る

ビジネスインフラ技術本部 データベース技術統括部 技術4部 部長 佐瀬 力氏

ビジネスインフラ技術本部 データベース技術統括部 技術4部 部長 佐瀬 力氏

PostgreSQLは人気が高く、企業のさまざまなシステムで採用されている。実際、アンケートでも「PostgreSQLを利用しているか」について「はい」の回答は59.5%(アンケートQ1)と過半数に達した。また「PostgreSQLの採用の決め手」については「低コスト」が68.9%、「多機能でさまざまなシステムに対応できる」が37.0%(アンケートQ2)と、コストや柔軟性を評価する回答が多くを占めた。

アシストの佐瀬氏は、アンケート結果についてこう話す。

「昨今ではSoE(System of Engagement)などの領域でRDBが使われなくなっているイメージがあるかもしれませんが、実際はそんなことはなく、重要な役割を担っています。ただ、商用データベースを利用する場合、ライセンスコストが大きな課題になっているのも事実です。クラウドを含めさまざまな環境と用途でRDBが動くようになりデータの量や生成頻度が増えていることなどから、クラウド上でのライセンスや課金の仕組みの関係で、RDBのコストは以前よりも大きく増えています。こうした背景から、PostgreSQLのようなOSSのRDBへの関心が高まっているのです」(佐瀬氏)

一方で、PostgreSQLの利用で課題や不安を感じていることも分かった。PostgreSQLを運用する上での課題を聞いたところ「保守、サポート」という回答が最も多く、全体の42.9%に達した(アンケートQ5)。

セキュリティについては「PostgreSQLの採用の決め手」として「セキュリティ機能」を挙げる回答者が19.3%にとどまっていることからも、PostgreSQLがセキュリティ面では不足があると感じている回答者が多いことが考察できる(アンケートQ2)。

このように、アンケート結果からは、PostgreSQL採用によるコスト最適化やシステム構築時の柔軟性といったメリットを評価している一方、運用時の保守サポートやセキュリティ対応などの人的コストに企業担当者が課題を感じていることを読み取ることができた。

商用データベースを一足飛びにOSSに移行できない難しさ

昨今のデータ量の増加により、データベースのコストがシステム全体のコストの中で比重が大きくなる傾向にある。

というのも、データベースのコスト構造として、いわゆるライセンス料といったソフトウェアの使用料をはじめ、運用管理にあたっての要員や、拡張、セキュリティ強化にあたり必要となる追加費用など、さまざまなコストがあるためだ。

こうしたデータベースのコスト構造の見直しがかかり、PostgreSQLをはじめとしたOSSは無料で利用できることから、商用データベースからOSSに移行するケースも増えているという。

「商用データベースを部分的にOSSに切り替えていくことで、システム全体にかかるコストを最適化し、バランスをとろうとしているのです。そこで課題になるのが、商用データベースから一足飛びにOSSに移行する難しさと言えます」(佐瀬氏)

ただ、エンタープライズ領域に求められるような可用性やセキュリティ要件をPostgreSQLで満たすためには、バックアップやリカバリ、BCP/DR、セキュリティなどの周辺ソフトウェアを組み合わせることが必要になってくる。また、パフォーマンスチューニングや各種パッチ適用などに対応していくためには、PostgreSQLを自前で管理することが負担になりやすい。さらに、移行できるかどうかの検証やアプリケーションの改修、移行後の影響度の調査などにもコストがかかる。

PostgreSQLを採用し、自分たちで対応できない部分を外部のサポートサービスでまかなうという選択肢もある。ただ、その場合もOSSであることの制約を受けやすくなるという。

「OSSはコミュニティで開発を進めるため、パッチの開発や提供もコミュニティに依存します。企業独自の要件に素早く対応する必要があっても、個別の企業の事情による修正に関しては、求めるスピード感とギャップが生じることもあります。」

こうしたデータベースの見直しによるシステム全体のコスト最適化と運用保守性・セキュリティ強化を両立するものとして、アシストが提案するのがRDB製品の「EDB」だ。

「EDB」で商用データベースとOSSを含めたコスト構造の見直しを実現

EDBは、EnterpriseDB Corporationが提供するPostgreSQLをベースにした商用データベース製品だ。PostgreSQLに企業用途を想定して機能を追加したデータベース「EDB Postgres Advanced Server」を利用できる「Enterprise Plan」と、PostgreSQLをデータベースエンジンとし、エンタープライズ環境でのPostgreSQLの開発生産性、運用保守性を向上させるユーティリティツールが付属した「Standard Plan」がある。

アシストは2011年からEDBの取り扱いを開始しており、すでに国内300社に及ぶ企業へ導入をサポートしてきた実績がある。また、2021年からEDB Partner Awardを3年連続受賞 (2023年Partner of the Year)するなど、国内におけるEDB展開のリーダー企業でもある。

「当社は2009年からPostgreSQLのサポートサービスを提供してきました。しかし、商用データベースからPostgreSQLへの移行に際して課題に直面するお客様が多くおられました。そのため当社では、それらの課題を解決する一案として、2011年からEDBを提案してきました。EDBは、Oracle Databaseとの高い互換性を有し、エンタープライズレベルの可用性やセキュリティを実現できます。一方で、EDBの開発メンバーの多くがPostgreSQLのコミュニティにも関わるなど、PostgreSQL開発でも高いプレゼンスを持っています」(佐瀬氏)

EDBには、Oracle DatabaseのSQL構文やPL/SQLパッケージ、関数との互換性があることも特長のひとつだ。また、管理ツール群として提供される「Postgres Enterprise Manager」や「Failover Manager」「Backup And Recovery Manager」などを利用することで、エンタープライズレベルの高度な可用性や冗長性、堅牢性を保つことができる。

また、セキュリティについても、透過的データ暗号化(TDE)への対応など、高度化するサイバー攻撃や情報漏えい事故などに対し、データベースレベルでの対処が可能だ。

さらに特徴的なのは料金体系だ。クラウドやオンプレミス、仮想環境など、利用している環境にかかわらず、データベースサーバーが割り当てられたCPUコア数にのみ課金される仕組みだ。そのため、利用環境を選ばない扱いやすい料金体系となっている。

EDB、PostgreSQL教育サービスも提供

アシストの強みは、データベース製品の導入支援によるコスト最適化を中心に、さまざまなサポートサービス、支援サービスを提供できることにある。

サポートには、Oracle DatabaseやPostgreSQLのサポート経験が豊富な、国内の複数拠点で対応するエンジニア約50名が24時間365日対応する。自然災害などで基幹システムなどにトラブルが発生した際も、継続的なサポート提供が可能だ。サポートセンターには年間約1,200件(2023年度実績)の問い合わせがあり、95%以上(2023年度実績)の高い顧客満足度を実現しているという。

支援サービスとしては、顧客の可用性要件に応じて、データベースの最適な構成を製品、技術支援、ドキュメントとセットで提供する「EDB高可用性パック」やEDBの設計から運用、開発、チューニングなどのノウハウを標準ドキュメントとレクチャーとして集約した「EDBガイドライン」、検討フェーズでのアセスメントや導入展開時の移行支援、データベース診断、アップグレード支援などトータルサービスを提供する。

「EDB、PostgreSQLを学ぶことができる弊社オリジナルの教育サービスやスキルトランスファー支援サービスも展開しています。研修コースは、OSS-DB技術者認定教材にも指定されています。また、日本PostgreSQLユーザー会の理事を当社メンバーが務めていたり、PostgreSQLエンタープライズ・コンソーシアム(PGECons)への参加や技術書の執筆など、商用データベースからOSS活用まで日々幅広い活動に取り組んでいます」(佐瀬氏)

クラウド、AI時代に入り、データとそれを格納するデータベースの重要性がかつてないほど高まっている。一方で、データベースのコスト問題は深刻化しており、将来を見据えた最適化が急がれる状況だ。アシストのEDBやPostgreSQL関連サービスを活用して、データベースの最適化に取り組んでみてはいかがだろうか。

アンケート実施概要


回答方法:インターネットによるアンケート
対象:マイナビニュース会員読者
回答者数:200名
実施期間:2024年5月24日(金)〜 2024年5月31日(金)

関連リンク

■EDB(PostgreSQL)研修については こちら から
『OSS-DB Gold試験対策問題集』の販売開始 (2024年5月31日)

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