2021年度に改正された電子帳簿保存法(以下、電帳法)では、各種規制が緩和された一方、電子取引データの紙保存が廃止。すべての事業者に電子データによる保存が義務化されることとなった。2022年1月1日以降の電子取引が対象となり、2年間の宥恕期間が設けられたことで、電子取引データの保管システム整備は2023年末がリミットとなる。

とはいえ、各システムに散在した、独自に運用・管理されてきた電子取引データを集約し、電帳法に対応した管理体制を構築するのはかなり難解なミッションだ。経理部門と情報システム部門をまたいだプロジェクトになることもあり、二の足を踏む企業も少なくない。そこで本稿では、電子取引の電子データ保存義務化に向けて、電子帳票システムを導入したA社の事例を紹介。電帳法対応をフックに、全社的な電子化推進を目指す取り組みについて紐解いていこう。

多様な取り込み方法を選択でき、既存システムとの連携も容易な
クラウド型電子帳票システムの導入を検討

国税に関わる帳簿書類の電子データ保存を定めた電帳法は、「電子帳簿等保存」「スキャナ保存」「電子取引」の3つに区分されている。なかでも「電子取引」は2022年1月からデータでの保存が義務化されており、2年間の宥恕期間を踏まえても、対応待ったなしの状況だ。

毎月数千の電子取引情報を処理しているA社の経理部門。以前より電帳法への対応を重要なミッションと認識していたものの、法律と照らし合わせた要件定義や電子化のプロセス(取り込み方法)、データの保管方法、既存システムとの連携など、検討すべき事項が多く、なかなか着手できずにいた。

  • 電帳法対応に頭を抱えるA社の経理部門に所属するB子さん

人的リソースが限られているうえに、対象帳票の種類や件数が増え、ファイルサーバーに保管して管理を行うといった手動のアプローチでは対応が難しいと判断したA社は、改正電帳法に対応した電子帳票システムの導入を検討。導入・運用の容易さを考慮し、クラウド型のサービスを中心にさまざまなソリューションを比較検討したという。

電子帳票システムの選定にあたり、A社が重視したポイントは多岐にわたる。法律に準拠する機能、すなわち訂正・削除規定や履歴管理といった真実性の確保や検索要件(可視性の確保)を満たしていることはもちろん、既存システムとの連携機能(現状の業務を大きく変えずに運用)や多様なファイル形式への対応、クラウド上に取引データを保管する際のセキュリティ機能などを踏まえて選定を進めた。さらにA社では、データによっては最長10年の保管が必要になることに着目し、保存データの容量増加によって利用料金が変動しないシステムの導入を検討。こうした要件を満たした帳票管理システムとしてA社が選択したのが、インテックが提供する電子帳票システム「快速サーチャーGX」である。

電帳法対応の証となるJIIMA認証を取得し、
堅牢な国内データセンターで運用されるクラウドサービスを採用

A社が採用した快速サーチャーGXは、改正電帳法における3つの区分すべてに対応し、クラウド上に書類や電子取引データを保管できる電子帳票サービスだ。日本文書情報マネジメント協会の「スキャナ保存」及び「電子取引」におけるJIIMA認証を取得するなど、電帳法の要件に対応した機能を実装。専用ツールによるファイル単位での登録(1件ずつの手動登録、検索キー情報と合わせた一括登録に対応)や、WebAPIを利用したシステム間連携など、多様なデータ取り込み方法が用意されていることや、PDFをはじめExcelやCSVといったファイル形式に対応していることも採用を決めた要因だという。

  • 快速サーチャーGXは豊富な取り込み方法を用意!

快速サーチャーGXは、ティア 4相当の堅牢な国内データセンターに構築されたクラウド基盤上で提供されており、セキュリティ性や可用性の面でも信頼度は抜群。ハードウェアの構築が不要で、導入・運用が容易なクラウドサービスであることに加え、シンプルで使いやすいUIであることもA社にとって見逃せないポイントだった。さらに快速サーチャーGXは、毎月の登録件数に応じて利用料金が設定されており、前述したデータの長期保管に伴うコスト増加の懸念も払拭。トータルの保管容量によって追加コストが発生しないことも、他社製品と比べて大きなアドバンテージとなった。

※ティア:日本データセンター協会(JDCC)が定めるデータセンターのファシリティ基準。ティア1~4まであり、数字が大きくなるほど災害時の稼働信頼性が高い。

既存のワークフローシステムとWebAPIで自動連携、
人的リソースをかけずにデータを保管するシステムを構築

このような経緯で、A社は快速サーチャーGXを導入。基幹システムと連携しているワークフローシステムから出力した取引データを、WebAPIを用いて自動で快速サーチャーGXに保存・管理する仕組みの構築に成功している。さらにワークフローシステムで管理していない帳票や、イレギュラーケースにより個別に登録しなければならない帳票に関しては、キー入力ツールを使用した手動登録で対応。さらにA社では、今後帳票が増えて登録オペレーションの負荷が増大することを見据え、手動登録を行う個所についてはRPAを活用した自動化も検討しているという。このようにシステムやツールとの連携が容易に行えることも快速サーチャーGXを導入したことによるメリットといえる。

  • 【図:A社のシステム構築イメージ】
    Web APIを用いて既存ワークフローシステムと自動連携

またクラウド基盤の信頼性だけでなく、システム上のセキュリティ機能が充実していることも運用面における強みだとA社の担当者は評価している。アカウントロックやパスワードポリシーの設定も柔軟に行えるほか、グローバルIPアドレスにより接続先をフィルタリングすることも可能。利用者は安全性を担保しながらクラウド上に保管された取引データを閲覧・検索できる。

さらにA社の担当者は、導入検討時にはそこまで重視していなかった検索スピードに関しても、実際に運用していくなかで大きなメリットであることを実感したと振り返る。快速サーチャーGXは、その名前が示すとおり検索性とスピード力に優れているのが大きな強みだ。今後、長期にわたって取引データが蓄積されていくなかで、検索性の高さがもたらすメリットはより増大するとA社は期待している。

  • 「快速サーチャーGX」の圧倒的な検索スピードのおかげで、業務が効率化したB子さん

電帳法対応を起点として、経理DXを推進

こうして電子取引のデータ保存義務化に対応したA社では、今回の改正電帳法対応をフックに、業務全般の電子化を加速させていきたい考えだ。システム間連携や電子データの効率的な保管や閲覧・検索機能を持った快速サーチャーGXを効果的に活用すれば、業務負荷の軽減や迅速な経理処理等が可能になると考えており、DX実現に向けた有効な一手として今後も活用を模索していくという。

快速サーチャーGXのサービス自体も、アップデートが容易なクラウドの利点を活かし、機能の拡充を図っていく予定だ。特に企業の運用負荷軽減につながるデータ取り込みに関してさらなる機能強化を目指しており、他社サービスとの連携強化や入力不可を軽減する機能の追加などが想定されている。もちろん法要件の見直しが発生した際には順次対応するほか、セキュリティ面の強化も検討されており、より幅広い領域での活用が可能になるとA社は期待を寄せている。

義務化された電子取引のデータ保存への対応を推進したい企業はもちろん、電帳法対応を足がかりに経理DXに着手したい企業にとっても、快速サーチャーGXは有効な選択肢と言える。A社の事例が自社の課題解決につながると感じたのならば、導入を検討する価値は大いにあるはずだ。

「快速サーチャーGX」について詳しくはこちら

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