企業が成長を続けるにあたって、今や取り組むことが必須となったDXだが、「どこから着手すべきなのか」、「どのようなツールを使うべきなのか」と悩みを抱える企業も多いだろう。とくに従業員が多く、さまざまな部署がそれぞれの課題を抱えている大企業の場合は、「システムを導入すればすべて解決」というわけにはいかないのが現実だ。本稿では、DXに取り組むうえで注意すべき点や有効なツール、サービスについて紹介していく。

思うように進まないDX──そもそもDXはなぜ必要なのか?

まずはあらためてDXが必要とされる背景を紐解いていこう。デジタルの普及により、あらゆる技術が生まれ、情報が飛び交い、ビジネス環境はめまぐるしい変化を遂げている。それにくわえて昨今では、急激な円安や物価の高騰、感染症拡大の懸念などの地政学的リスクにより、企業の中長期的な見通しも立てづらくなっている。こうした不確実の時代において、企業に求められるのは「変化に迅速に対応できる能力」を持つことだ。そのためにはデジタルの力を用いてうまくビジネス機会をとらえていくことが重要だ。つまりDX推進がビジネス成功のカギを握るということになる。

DXを進めるうえで注意すべきは、“誰が主体となって進めるか”だ。冒頭でも触れたとおり、企業の規模が大きくなればなるほど業務内容は多岐にわたり、それぞれで求められる改善策は変わってくる。たとえばDX推進部門や情シス部門がそれぞれの現場にヒアリングを行い、システム提案、開発、実装後の改修まで行うとなると膨大な工数がかかる。SIerに依頼すれば工数の課題は解消できるが、そのぶんコストが発生してしまう。いずれにしてもスピーディな対応は難しく、結果的にビジネス変化にITシステムが追いつかなくなってしまうのだ。

  • (図版)経営・現場から様々な要望を寄せられるが、IT部門が応えきれない

こうした課題を解消するには、現場の仕事をよく知る現場の従業員たちに、使いやすいツールを内製してもらう、つまり“現場主体のDX”を実現することが重要だ。もちろん本業に負担をかけないことが前提となるが、自らがつくったものであれば、必要に応じて改善・改修するのもスピーディかつ低コストで行えるうえ、IT部門がシステムの保守に費やす手間と時間を抑制できるというメリットもある。

スピーディかつ低コストで改革が可能な「現場主体のDX」

これを実現するサービスとして、中小企業のみならず、大企業からも注目を集めているのがサイボウズの「kintone(キントーン)」だ。「ドラッグ&ドロップ」の操作で誰でも簡単に業務アプリをつくれるkintoneは、まさに現場主体のDX を推進するには最適なソリューションといえる。kintoneの導入実績の9割は非IT部門が占めており、この数字からもkintoneが簡単に扱えるものであるということが読みとれる。

  • (キャプチャ)kintoneの操作画面

    直感的なUI/UX

kintoneには帳票出力やカレンダー、Webフォームなど便利なサービスが豊富に用意されている。さらにできあがったアプリをPOSやECシステム、MAツール、電子契約サービスなど、さまざまなシステムとも柔軟に連携させることもできるため、幅広い業務の効率化が可能だ。

現場にアプリ開発を任せるにあたっては、全社でシステムの安全性を保つために開発ルールを決めるなど、ガバナンスを強化しなければならない。具体的にどのようなガバナンスが必要になるのかについては、サイボウズが配布している「kintoneガバナンスガイドライン」に目を通してみるといいだろう。kintoneを社内展開させるうえでのポイント、IT部門や現場が行うべきことが詳細に記されている。

とはいえ、IT部門が「今日から各部でkintoneを使いましょう」と音頭をとるだけでは、現場はすぐには動いてくれないだろう。kintoneとはどんなもので、どういったアプリをつくることができるのかを説明し、アプリ開発の研修を実施する必要がある。

ノウハウを貯め、変化に対応できる基盤をつくる、伴走DX

実際にkintoneを利用したDXを進めていくにあたって、サイボウズと同社のパートナー企業が現場主体のDXを支援する「伴走サービス」を利用することもできる。kintoneの販売戦略を手掛けるサイボウズの山田 明日香氏は支援内容について次のように説明する。

「伴走の内容はお客さまのご要望に合わせてカスタマイズしますが、第1にkintoneを中心としたデジタルツール活用の『企画』、第2にkintoneについての『現場教育』、第3に必要なシステム・アプリの『作成』、そして最後に将来にわたってDXを継続していただくための『フィードバック(キーマン育成)』の4つに分類できます」(山田氏)

  • (図版)伴走パートナーと進める継続的な業務改善イメージ

「企画」は、kintoneを使ってできることをIT部門、現場、サイボウズまたはパートナー企業(以下伴走パートナー)が一緒になって掘り起こしていくプロセスだ。企業の事業戦略や現場の課題をもとに、kintoneに搭載された数ある機能からどれを使えばそれが可能になるか……など、解決案を一緒に考えていけるので、kintoneに精通した伴走パートナーならではのアイディアや提案が得られる。これまで「どこから着手すべきか」と悩みを抱えていた人も、このプロセスを通して業務課題を可視化し、業務改善イメージ、予想される効果が見えてくるだろう。

「現場教育」でkintoneについての基礎を学んだあとは、いよいよ現場が主体となって必要なアプリや、それを他のツールと連携させた仕組みを「作成」していくことになる。技術的にわからないことは伴走パートナーに相談し、アイディアをもらいながら作成を進めていける。一見、現場の手間が増えるだけのように思うかもしれないが、アプリ作成の勘所やノウハウが社内に蓄積されるため、開発スピードは次第に上がっていく。内製化によって思い通りのものを仕上げられるだけでなく、変わりゆく顧客ニーズにあわせてクイックにアプリを改修していくことが可能になる。

  • (図版)伴走パートナーとユーザー企業の役割図

いずれは伴走に頼らず、DXを“自走”で進めていけるようにしていきたいと考える企業も多いだろう。そうしたニーズに応えるために伴走サービスのメニューとして用意されているのが「フィードバック(キーマン育成)」だ。

「多くの企業様でさまざまなデジタルツールやSaaSを活用されていると思いますが、決まった使い方に縛られてしまって、デジタルの力をビジネスにうまく活かしきれていないというケースも多く感じます。私たちは、デジタルを活用してどのような効率化ができるか、それによって新たなビジネスを生み出せるかなど、具体的な発想ができるキーマンを育成し、IT人材の不足を補っていきたいと考えています。ベンダーの支援よりも踏み込むけれど、コンサルまではいかない──ほどよい距離感を保つことで、現場主体のDXを根付かせ、ビジネス変化に対応できる体制づくりをサポートしていきます」(山田氏)

  • (写真)サイボウズ 事業戦略室 兼 営業戦略部 山田 明日香氏

    サイボウズ 事業戦略室 兼 営業戦略部 山田 明日香氏

パートナー企業は300社以上、伴走の成果は大手企業でも

実際に伴走サービスを利用したロート製薬では、伴走を頼りながらの内製を通して、技術的なノウハウだけでなく、現状把握力、課題解決力、要件定義力を身につけた人材の育成ができるようになったという。また、他大手企業ではスピーディなシステム開発を実現し、ペーパーレス化による生産性の向上を実現させ、海外も含めたグループ全体での活用にも踏み出しているそうだ。

現在、伴走サービスを提供しているパートナー企業は300社以上あり、システム構築、業務整理、人材教育など、それぞれに強みを活かした伴走メニューを展開している。パートナーを探す前に伴走の具体的なイメージを掴みたいという方は、サイボウズがkintoneの活用法や現場に導入・浸透させるコツ、実際の事例などを紹介するセミナーを月1回ペースで開催しているので、まずは参加してみてはいかがだろう。

IT部門から始まる業務改革セミナー

「kintone(キントーン)を導入したらどう業務が改善するの?」
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