DXの進展により、就業環境が大きく変化した。BYODやモバイルデバイスなどを導入し、インターネット上のあらゆるWebサービスを活用して柔軟にビジネスを行う形が一般的になりつつある。こうしたなか、クラウドストレージへデータ移行する企業が急増しているという。

7月21日に開催されたTECH+セミナー クラウド移行Day 2022 Jul.「クラウド移行でDX推進の基盤を支える」で、ウェブルート OEM & Enterprise Server Solution group Sr. Account Executive 土屋秀登氏は、企業がクラウド化するにあたって直面するデータ移行の課題とその解決方法について解説した。また、クラウド移行後のミッションクリティカルなシステム運用のポイントについても説明した。

  • ウェブルート OEM & Enterprise Server Solution group Sr. Account Executive 土屋秀登氏

データのクラウド移行における課題とツール選定のポイント

就業形態やIT環境の多様化への対応、オンプレミスのサーバー/データーセンターの運用・保守コストの削減、買収・合併や子会社化によるシステム統合、BCP/DR対策などを目的に、クラウド移行に取り組む企業が増えてきている。一方で、クラウド移行に踏み切れず実現できていない企業も多い。土屋氏はこの理由として下記の3点をあげる。

  1. プラットフォーム、OSの種類とバージョン、ストレージの種類など、移行元と移行先クラウドサービスのサポート対象が異なる
  2. 1つのデータセンターから複数のデータセンターにデータを移行する、あるいは、オンプレミス/クラウドそれぞれにあるデータを1つのパブリッククラウドに集約するなど、移行シナリオが複数にまたがる
  3. データ移行ツールによって対応プラットフォームやテスト機能などに差がある

土屋氏は「こうした課題を解決するためには、プラットフォームやOSを幅広くサポートしているAny to Anyの移行と高品質な移行ツールが必要」と指摘したうえで、ツール選びの重要なポイントとして下記の5つを紹介した。

  1. システムのダウンタイムが最小であること
  2. 人為的なミスが徹底的に排除され、データの損失なく確実にデータ移行できること
  3. 稼働中の移行テストができること
  4. リーズナブルなコストや料金体系
  5. 多様なプラットフォームやジョブ、あらゆる移行シナリオに対応していること

データ移行のリスクとダウンタイムを最小限に抑える「Carbonite Migrate」

ウェブルートの移行ツール「Carbonite Migrate」は、ダウンタイムと移行リスクを最小限に抑えたデータ移行を実現する。

「移行元システムは通常稼働のまま移行作業を自動化して実施するため、待機時間とダウンタイムを最小限にできる。また、オートメーションでクラウド移行が実行されるので、人為的なミスは存在しない。データ移行プロセスのテストも安全に行える。さらに、作業時間と人的リソースがソフトウェアベースで圧縮されるので、コストは劇的に改善される。対応OSやプラットフォームのバリエーションは多く、物理サーバー、仮想サーバー、オンプレミス、クラウドなど、各種環境下でのサーバー移行が可能。Any to Anyで、柔軟性のあるフレキシブルな移行を実現できる」(土屋氏)

実際にCarbonite Migrateを導入した国内企業からは、「複数のデータセンターから単一または少数のデータセンターへの移行に成功した。結果として保守コストを圧縮できた」「ベンダーに依存せず、希望する最新のサーバやストレージへ移行できた」「既存の老朽化した物理サーバーから最新のクラウドへ移行できた」「パブリッククラウドから別のパブリッククラウドへの移行を実現した」といった声が寄せられているという。

止まらないビジネスを実現するデータのレプリケーション

クラウド移行後、ミッションクリティカルなシステム運用時の最重要課題はデータの保護だ。たとえ災害や不慮の事故が原因であったとしても、事業やサービスの中断・長期停止に対してはユーザーの理解が得られにくく、営業機会の損失だけでなく、顧客離れやブランド競争力の低下をもたらすリスクがある。

一方で、昨今ではサイバー攻撃による企業のシステム停止が相次ぐ。ランサムウェア攻撃は、その代表例だ。WannaCryが台頭した2018年頃から身代金金額は増加の一途を辿っている。攻撃も複雑化し、ミッションクリティカルなシステムに身代金を掛けられてしまう被害も多くみられるようになった。システムのバックアップと災害復旧の方法を見直す必要性が高まっている。

ここで重要となる技術が、データレプリケーションである。土屋氏は同技術について「本番のシステムが稼働しているなかで、異なる場所にある予備機にデータをリアルタイムで複製する。本番システムが停止した際には、バックアップシステムに瞬時に切り替えて業務を継続する。結果として、不慮の事態からデータ資産を保護し、業務の継続性を向上させ、ビジネス機会損失を回避できる」と説明する。そのうえで、レプリケーションソリューション選定の重要なポイントとして、下記の5つをあげた。

  1. 対応プラットフォーム:ハイブリット構成など柔軟な選択ができること
  2. ダウンタイムの削減:RTOが数分レベルであること
  3. データの損失排除:可能な限りデータの損失を回避できること
  4. コスト削減:災害対策と高可用性ソリューションを1つのプラットフォームに
  5. 本番テスト:本番環境に影響を与えることなくテストを実施できること

これらを満たすのが、ウェブルートの「Carbonite Availability」だ。即時フェイルオーバー機能と監視機能により、ダウンタイムをわずか数分に短縮できるほか、バイトレベルのリアルタイムレプリケーションにより、データの損失を排除可能という特徴がある。土屋氏は「多くのレプリケーションソフトはフェイルオーバーまたは復旧のために別のソリューションを組み合わせる必要があるが、Carbonite Availabilityは、レプリケーションとフェイルオーバーを1つのプラットフォームで実装できるので、結果としてコストの削減に貢献できる」と説明する。

国内では、データセンター間、あるいは複数のデータセンターから中央のデータセンターなど選択したプラットフォームでデータの保護ができた事例や、ベンダーの制約を排除してレプリケーションを組むことができた事例、地理的に離れたサイト間でメインシステムとバックアップシステムをレプリケーションした事例などがあるという。

「レプリケーションを実装するために柔軟な選択肢を用意できるのが、Carbonite Availabilityのメリット」(土屋氏)

複合的なセキュリティ強化を検討したい場合にも対応

NIST(National Institute of Standards and Technology:米国国立標準技術研究所)が発行しているサイバーセキュリティフレームワークでは、「識別」「防御」「検出」「対応」「復旧」「教育」といった多面的な要素の連携によってセキュリティ対策に取り組みレジリエンスを向上する必要性が示されている。ウェブルートを含むOpenTextグループの製品ポートフォリオは、このフレームワークに合致する製品となっている。

今回紹介したCarbonite MigrateとCarbonite Availabilityは、復旧フェーズに対応するものだが、土屋氏によると「複合的にセキュリティ強化に取り組みたい場合は、ワンストップでOpentextのソリューションを提供できる」という。幅広くセキュリティ対策を検討していきたい場合も含め、ぜひ検討してみてほしい。

【お問い合わせ先】
TEL:03-4588-6500
Email: wr-enterprise@opentext.com

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