日々の業務では、誰もが契約書や社内規程、稟議書、議事録など、何らかの文書(ドキュメント)を扱っているはずだ。働き方改革の一環として、まずは紙ベースの文書を電子化し、ペーパーレスの実現を図るところから始める企業は多い。

だが本来、業務の効率化を考えるのであれば、文書の作成からレビュー、承認処理、保管/管理に至るまでの一連のプロセスをテクノロジーによって改革していく必要がある。これこそ真の「ドキュメントDX」だと言えるだろう。

9月9日に開催されたTECH+フォーラム「バックオフィス業務改革 Day 2021 Sept. 本質的な企業改善から導く『働き方改革』主導法」では、FRAIM(旧 : 日本法務システム研究所) 営業企画部 営業企画部長 山田純 希氏が登壇。同氏は、「ドキュメントDXにおける文書作成・レビュー業務の『働き方改革』」と題し、ドキュメントDXによる課題解決アプローチについて、事例を交えた解説を行った。

  • FRAIM(旧 : 日本法務システム研究所) 営業企画部 営業企画部長 山田 純希氏

    FRAIM(旧 : 日本法務システム研究所) 営業企画部 営業企画部長 山田 純希氏

働き方改革で見落とされがちな「文書作成・レビュー業務」

コロナ禍の影響もあり、皮肉にも日本企業の働き方改革は一足飛びに進んだ感がある。だが、テレワークやペーパーレス化は広がったものの、バックオフィス業務の多くの時間を占める文書作成・レビュー業務の効率化についてはどうだろうか。

山田氏は、「ペーパーレス化に取り組んでいる企業は多いが、文書の作成・レビューのDXについてはあまりフォーカスされていない」と指摘する。

IDCの調査によると、1週間のうち個人が文書の作成・管理に割いている時間は平均11.2時間、加えて文書のレビュー・承認といった共同で行う作業にも12.2時間が費やされているという。つまり、一連の業務に、週に合計23.4時間と、勤務時間のかなりの割合を割いていることになる。

「働き方改革において最も重要なポイントとなるのが、いかに業務を効率化して生産性を上げるかです。この実態を知れば、DXを進めるにあたって文書作成・レビューに目を向けない理由はないことがおわかりいただけるのではないでしょうか」(山田氏)

また、IDCの試算では、ペーパーレス化やAIを活用した自動化により、大幅な業務時間の削減が可能だとされている。しかし、期待通りの削減効果を実感できているケースは少ないという。これは、なぜなのだろうか。

バックオフィス業務の現場では、さまざまなアプリケーションが使用されている。それらは各利用シーンにおいては最適化されているように感じるものの、個々の作業が独立してしまいがちになる。例えば、参考になる文書を探す際は個人のフォルダや共有フォルダ(場合によってはクラウド型のストレージ)内を検索する、実際の文書のドラフト・編集はWordで行う、確認の依頼の際にはメールにファイルを添付するといった具合だ。

結果として、編集をしながら参照ファイルを探すために別のウィンドウを開く、メールを受け取ってWordファイルを編集し、コメントを添えたメールにWordファイルを添付するといったアプリケーションの連携コスト(無駄な時間)が発生し、作業の効率化を大きく阻害している。

山田氏は、「こうした問題は、検索性が高く再利用が容易なデータベースと、ほかの文書から文章を引用した際に自動で体裁を整えてくれるようなサポート機能を持つエディタを活用することで解決できる」と説明する。

「ドキュメントDXを検討する際には、文書の作成・レビュー業務に多くの時間が割かれていて、生産性の向上を阻害しているということにも目を向けていただければと思います」

ドキュメントDXを支援するクラウド ドキュメント ワークスペース 「LAWGUE」

後半では、AIを活用したクラウド ドキュメント ワークスペース「LAWGUE」の概要と、同ワークスペースを活用したドキュメントDXの推進について、事例を交えて紹介された。

LAWGUEでは、文書をアップロードするだけで、意味内容を持ったブロックに分けて保存することができる。新しいドキュメントを作成する際には、用途に応じてAIがひな型になるブロックを提案してくれる仕組みだ。

また、AIによって、類似した文書を探し出して比較したり、引用した文章の体裁を調整したりといった処理が自動で行われるため、個人の作業時間の大幅な削減が期待できる。加えて、クラウド上でファイルを一元管理するため、バージョン管理はもちろん、レビューのような共同作業も迅速に対応できるようになる。

「ファイルをアップロードするだけでデータベースを構築し、オンライン上で編集することが可能です。検索性が高く再利用が容易なデータベースを活用しながら、AIを使った効率的な文書の作成・レビューをオンラインで実現できます」(山田氏)

ここで同氏は、LAWGUEの導入した企業の事例を紹介した。課題となっていたのは、「契約書に関して、担当者が個別の案件の対応に十分に時間を確保できない」「自社規程のフォーマットがバラバラで統一感がなく、内容の校正が大変」「開示文書に関しては過去の開示内容との整合性などを確認するレビューに時間がかかる」といった事柄だ。

LAWGUEの導入により、これら全ての課題が解決されたという。使用頻度の高い契約書をコメント付きでデータベース化することで、チェックにかかる時間は半減。社内規程については、LAWGUE上で法令出版社の解説付きのひな型と比較できるため、効率的な修正が可能となった。そして開示文書のレビューに関しても、オンライン上で過去の開示内容とパーツ単位で比較し、効率良く修正できるようになったのだ。

最後に山田氏は、改めて「ドキュメントDXを達成するには、検索性が高く再利用が容易なデータベースにあたりながら、文書の作成・レビューを行うことが非常に重要」だと強調。複数のアプリケーションの利用が、結果的に時間の浪費につながっていることに警鐘を鳴らす。

「まさに、ここが生産性の向上や作業時間の削減につながるところ。ツールの導入を検討する際には、ぜひ選定のポイントにしていただきたい」と呼びかけ、セッションを締めくくった。

なお、FRAIM(旧 : 日本法務システム研究所)が提供するLAWGUEのWebサイトでは、ドキュメントDXを実践している事例が多数紹介されている。興味のある方はぜひご覧いただきたい。

LAWGUEの導入事例
https://lawgue.com/voice

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