現場はもちろん経理や総務などのバックオフィス業務の効率化をサポートするサービスとして、注目されている法人・個人事業主(様)向けの購買専用サイト「Amazonビジネス」。そのメリットをユーザーの声から紹介するイベントとして2019年8月7日に「Amazon Business Meet Up!」が開催され、「Amazonビジネスで実現する攻めのバックオフィス」をテーマに、以下の参加者によるパネルディスカッションが行われた。セッションでは、バックオフィスの価値をどこに置くかといった話からAmazonビジネス導入に関する各社ストーリーまで、幅広い議論が交わされた。本記事では、その模様をお伝えする。

【司会進行】
●アマゾンジャパン合同会社 Amazonビジネス事業本部 営業部長 鐸木 恵一郎 氏

【パネリスト】
●freee株式会社 経営管理本部 カルチャー推進 成田 美和 氏 ●株式会社セクションエイト 法務総務部長 河村 堅一郎 氏 ●600株式会社 Employee Experience担当 執行役員 阿部 愛 氏

  • Amazon Business Meet Up!

経営陣が着目するバックオフィスのミッション、そして評価指標

アマゾンジャパン合同会社 アマゾンビジネス事業本部 営業部長 鐸木 恵一郎 氏

アマゾンジャパン合同会社 Amazonビジネス事業本部 営業部長 鐸木 惠一郎 氏

鐸木氏:ここにいらっしゃるお三方には、それぞれにミッションがあると思うのですが、会社からどんな期待が掛けられていますか?

阿部氏:弊社では、組織を目的別に作っています。例えば、私が所属している部署は「Employee Experience」という名前で、従業員の体験を高めることが目的となっています。「Employee Experience」の中に総務や人事などの部門があり、総務の役割で言えば、Amazonビジネスを使って購買の発注速度を上げたり、経理とのシームレスな連携を構築する仕組みを作ることも「Employee Experience」の1つとなります。

鐸木氏:つまりは、従業員の働きやすさを高めることが一番の期待となるのでしょうか?

阿部氏:そうですね。従業員の働きやすさは、総務の動きで変わるところが多いので、いろいろ意見を聞きながら進めているところです。

鐸木氏:河村さんと成田さんは、阿部さんがおっしゃるような「Employee Experience」を高めるというミッションについてはいかがでしょう?

河村氏:ビジネスや企業のブランドの価値が向上すれば、(企業の成長に伴い)報酬もポジションもあがります。それが従業員の「Employee Experience」を高めることになると考えています。ですから、いかにブランドを世間に認知していただき、そしてお客様の役に立つことができるかが大切です。世間の方々に「いい会社なんだ」と認識していただいて、そして実際に役に立つことが、従業員の「Employee Experience」に繋がるのではないかと思います。また、私たちは今あるブランド価値を高めることに加えて、新しいアイデアやビジネスの種を常に求めています。その中で、従業員の独立制度や、新しいアイデア、サービスをビジネスにつなげていくこともバックアップして、人材が育つことも期待しています。

成田氏:私たちのチームミッションは「freeeを、輝くカルチャーアイコンに。」と掲げています。具体的には、freeeのカルチャーが浸透し、freeeという単位で強いチームになっている状態を実現することと、社内のみならず社外においても「freeeのカルチャー」が広く認知されることを目指しています。

また、私達の所属する経営管理本部では、「1,000人規模の企業として社会の進化を担い、国内No.1の組織基盤だと自信を持って言える強いカルチャーと管理体制を構築する」を指針としています。その中で、我々のチームに関連する取り組みは大きく分けて3つあります。1つ目は、社員が社内カルチャーを体得すること、2つ目は1,000人規模になっても耐えられるツールの選定やオペレーションの構築。3つ目が、組織規模が大きくなってもメンバーの成長にコミットできる制度や仕組みを整えていくこと。これらが会社から期待されていることになります。

また、弊社では、目標管理手法としてOKR(Objectives and Key Results)を導入しています。

【OKRとは?】
組織が掲げる目標を達成するために、達成目標(Objectives)と主要な成果(Key Results)をリンクさせ、組織・個人の方向性とやるべきことを明確にする目標管理方法の一つ。

freee株式会社 経営管理本部 カルチャー推進 成田 美和 氏

freee株式会社 経営管理本部 カルチャー推進 成田 美和 氏

鐸木氏:なるほど、確かにミッションと同時に、それらを達成するためのKPIも大切ですよね。皆さん、どのようなものを設定していますか? バックオフィス業務の場合、定量的なKPIを設定するのは難しいと思うのですが。具体的に「これ」というものがあれば教えてください。

阿部氏:弊社はfreeeさんと同様にOKRを採用しています。例えば、コーポレート部門のObjectiveとして情報の標準化を進めるというものがあります。情報の標準化を進めて作業を効率化することで、各チームが挑戦的なアクションを取れる体制にすることを大きなOKRとして設定しています。

Key Resultsは定量的なものを設定しています。例えば、弊社では、最近Hubbleという、法務系のドキュメントをクラウドで管理し、GitHubのようにバージョン管理できるSasSを導入しました。こういったツールはなるべく多くのメンバーが利用してくれないと効率化が図れないので、コーポレート部門のKPIとして「Hubbleへのファイルのアップロード数80以上」と設定しました。これを達成するために、従業員にこのツールのメリットを伝えてアップロードを促す、そんな取り組みをしています。

成田氏:私たちも、OKRとは別に1つだけKPIがあり、それは総務の業務として、メンバーからの問い合わせに答えるというものです。例えば備品を用意してほしいとか、弊社は建物が古いので結露の報告とかもあります(笑)。ちなみに弊社では、問い合わせる手段としてGoogleフォームとWorkplace(Facebookのビジネス版)を使っています。Googleフォームを使った問い合わせには5時間以内、Workplaceを使った問い合わせには3時間以内に最初の回答をすることをKPIとしています。

  • Amazon Business Meet Up!

    メモを取ったり、真剣なまなざしで話を聞くなど、当日は大勢の方々にお集まりいただいた。

週休3日制など、常識を疑い本質を問う各社の攻めたバックオフィス業務への取り組み

鐸木氏:今回のテーマとして「攻めのバックオフィス」というのがありますが、皆さんの社内で、それを実現するための野心的な取り組みがあれば教えてもらえますか? 例えば、600さんは、週休3日制を取り入れていますが、これはかなり野心的な取り組みかと思います。そのあたりいかがでしょう?

阿部氏:実は先日、代表の久保がTwitterで週休3日制についてつぶやいたところ、想像以上の反響がありまして、昨日の時点で20万リツイートされています。採用の応募も600名以上の方が来て、とても対応しきれないので、今は一旦、停止しています。ただ、弊社としては、週休3日制は単に休みを増やすのではなく、生産性を高めることが目的です。従業員の皆さんには、週休3日であっても週休2日と同じくらいのパフォーマンスを出してもらう。総務などのバックオフィスは、そのための環境を整えます。例えばエアコン一つにしても、現場の人たちの手を煩わせないように、細かくタイマーの設定をしたりするなど、どんなに細かいことでも業務を阻害しないように意識する役目を担っていると考えています。

河村氏:バックオフィスには常に業務効率の向上やコスト削減への取り組みが求められます。ただ、それらは今までも散々やってきています。ではコストを下げるために、サプライヤーにさらに値下げを求めるのかとなると、それもちょっと違う気がします。私の感覚では、単純な効率化やコスト削減ではなく、「トータルライフコストで下がればいい」と考えています。100円の電球が100時間もつのと、1万円のLED照明が1万時間もつのとでは、トータルコストは同じです。買いに行く手間を考えれば、LED照明の方が安いかもしれません。

例えば、私たちの店舗では、月一回、定期的に床ワックスを掛けていました。皆さんもご存じかもしれませんが、ワックスを掛けた直後は床がペタペタしてしまいます。従業員からもそれすごく嫌だという声が上がっていたんです(笑)。全店舗で床ワックスを掛けると年間では何千万円というコストがかかります。結構なコストをかけているのにペタペタする。これをなんとかできないかと考えて、床にコーティング処理を施しました。最低で2年、長ければ5年はもつそうです。コストはワックスの3〜4倍くらいです。最低2年保つのならコストはワックスの6分の1以下です。ワックスを掛ける際には従業員の立ち会いが必要だったので、その分の人件費を考えると、さらにコストが下がります。

単純に価格が倍するから高いのではなく、どんなメリットがあって価格が倍なのか。それを使った場合のトータルコストはどうなるのか。そうやって取り組んでいく方が、コストを下げるためにサプライヤーさんに値引きを迫るより、メリットが出てくるのではないか。強いて言えば、その辺りが攻めている部分と言えるかもしれません。

株式会社セクションエイト 法務総務部長 河村 堅一郎 氏

株式会社セクションエイト 法務総務部長 河村 堅一郎 氏

成田氏:私たちのチームは人事の役割も一部、担っていて、年に何回か従業員調査を行い、その結果や日常業務の中から組織課題を抽出し取り組んでいます。そこから、今までにない企画や発想を形にして取り組んでいることがあります。例えば、弊社は急速に従業員数が増えたので、「後から入ったメンバーは経営陣との距離が遠くなっていく」という課題が見つかりました。そこで、月に一回ほど、経営陣がスナックのマスターやママになって、従業員とざっくばらんに話すという「スナック燕」というイベントを開催しています。業務以外の話も気軽にできる場として、メンバーからも好評です。

それと、これは課題ではないのですが、毎年バレンタインについて悩むことが多くて(笑)。弊社は従業員の男女比率もかなり差があります。受け取る側も渡す側も、多少なりとも心理的負担になっていたんじゃないかと思うんですよね。そもそも弊社はダイバーシティを推進している会社なのに、バレンタインはあまりイケてないなぁ...とも個人的には思っていました(笑)。一方で、組織の課題として、メンバー間で「ありがとう」と言われる機会が減ってきているという話もありました。そこで全社で2月14日に「ありがとうをバクハツさせる日」として、「ありバク」というイベントを開催しました。感謝を伝える側はGoogleフォームを通じて「ありがとう」を送り、受ける側は「ありがとう」がきたことだけが事前に通知され、2月14日当日に誰からどんなメッセージが届いたかが分かります。当初は500通も通知がくればいいかと思っていたのですが、最終的には2,000通を超える通知が飛び交うことになりました。いいなと思ったことをどんどん仕掛けていく、そんな部分は攻めているのかなと思います。

いつもの便利な個人向けのAmazon.co.jpを、会社で請求書払いと購買承認フローありで使えるのがAmazonビジネス

鐸木氏:皆さんは、Amazonビジネスをご利用されていらっしゃる訳ですが、なぜAmazonビジネスを導入しようと思ったのか。その経緯と導入後に苦労したことがあれば教えてください。

600株式会社 Employee Experience担当 執行役員 阿部 愛 氏

600株式会社 Employee Experience担当 執行役員 阿部 愛 氏

阿部氏:以前は、業務でも個人向けのAmazon.co.jpのアカウントを使っていたのですが、請求書払いができることを知って、すぐにやろうと思いました。実際に使ってみるといろんな機能があって、めちゃくちゃ便利だなと。正直、導入後の苦労はあまりないです(笑)。

河村氏:弊社では、Amazonビジネスがスタートした直後から利用させていただいています。導入した理由の1つは請求書業務の簡略化です。店舗はいろんな備品を必要としているので、お店やサイトで、さまざまなものを買います。そして、その請求書がバラバラに届く。それを紐付けるのが大変なので、なんとか一本化したいと考えていました。

もう1つは、総務・経理業務の負担軽減です。決済権限を店舗に持たせているので、今は必要な備品があれば各店舗がそれぞれで購入します。以前はすべて総務で発注していたのですが、それを行うのは実質、私一人だけなんです。あまりにも属人化してしまっているので業務を標準化して分散化したい。そう考えた時に、Amazonビジネスを使えば解決できるのではないかと思い、導入に踏み切りました。現在では、50店舗すべてにAmazonビジネスのアカウントを付与して、一定のルールを設けた上で、必要な備品があれば自由に購入してもらい、請求書の処理だけを経理が行うようにしています。請求書も一本化され、「かなり楽になった」と経理からも感謝されています。導入してからの苦労は、ほとんどありません。

成田氏:以前は、メンバーがそれぞれ備品を購入して、それを我々の部署が承認するという手順でした。1つ1つ内容を確認して承認をしていくというフローが本当に大変で、それがAmazonビジネスでは1つにまとめてできるという点が魅力でした。それと、弊社の福利厚生には「メンバーの成長に必要な本は購入補助を行う」という「書籍freee」という制度がありまして、これをAmazonビジネスで管理できるようになったのは本当に便利で助かっています。

「攻めのバックオフィス」とは何か

鐸木氏:最後に、本日のテーマである「攻めのバックオフィスとは」について、お考えをテロップにお書きいただけますか?

阿部氏:「メンバーが挑戦できるバックオフィス作り!」ですね。バックオフィスの役割はメンバーが活躍できる環境作りです。ですから、これをしっかりとしていきたいですね。

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成田氏:「常に進化し社内イノベーションを起こしていきたい」です。弊社自身が、バックオフィスやスモールビジネスをサポートして、世の中を変えていきたいと考えている会社なので、それらを一番に体現するチームでありたいと思っています。

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河村氏:私は一言「愛」ですね。愛情をもって、お客様の間にも愛が芽生えてほしいと思っています。そして、従業員もお客様に愛情を持って接する。バックオフィスは、従業員が取引先でありお客様であるとも言えます。何事も、愛情を持って接していく。それが攻めのバックオフィスに繋がると考えています。

  • 株式会社セクションエイト 法務総務部長 河村 堅一郎 氏

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