
夜間や土日営業で 新たな需要取り込む
「約20年ぶりの新店舗。銀行としての新たな節目であり、新たな挑戦」─こう話すのは三菱UFJ銀行頭取の半沢淳一氏。
2025年9月12日、三菱UFJ銀行はJR・高輪ゲートウェイ駅直結の商業施設内に、新型店舗「エムットスクエア」を開業した。
この新型店舗は個人専用。外観はオープンで入りやすいデザインを採用している。営業時間も夜8時まで営業している他、土日も利用できることが大きな特徴。従来は平日午後3時までの営業が主だったため、働く現役世代は来店が難しかった。
2号店は25年10月に大阪・箕面萱野に開業予定で、今後全国約320店のうち、3分の1から4分の1をエムットスクエアに切り替える他、新規出店も進めていく考え。
日本に「金利ある世界」が戻り、資産運用への関心が強まる中、相談ニーズも高まっている。その中で三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は25年6月、顧客のライフステージに合わせて自社の金融サービスを提供する総合サービス「エムット」をスタート。デジタルとリアルの融合を進めている。
ここに来て、三井住友銀行、みずほ銀行も個人向けの新店舗の開設を進めている。これまでのゼロ金利、マイナス金利下では預金は足かせだったが、金利ある世界では、逆に力となる。
「銀行も社会の変化とともに姿を変えながら、新たな価値を提供していかないといけない」と半沢氏は語る。
MUFGは誕生から20年経つが、今回の店舗は発足後、ほぼ初めての新規出店。銀行店舗のイメージを変えられるか。