【農林水産省】「やらせ投稿」に厳しい目 小泉氏、コメ増産を強調

自民党総裁選(10月4日投開票)に立候補している小泉進次郎農水相に世間から厳しい目が注がれている。一部週刊誌によると、小泉陣営の総務・広報班長を務める牧島かれん元デジタル相の事務所が、動画配信サイトで小泉氏に好意的なコメントをするよう、陣営関係者に依頼していたという。

 小泉氏は9月26日の記者会見で、今回の”やらせ投稿”問題について「当該事務所の独自の判断」としながらも、「参考例に一部行き過ぎた表現があった」と釈明した。

  小泉進次郎・農水相

 報道機関の調査によると、党所属国会議員の間では小泉氏と林芳正官房長官が選挙戦を優位に進めている。一方で、党員・党友を対象とした調査では高市早苗前経済安全保障相がトップで、小泉氏を上回るケースが多い。ただ、政府備蓄米の放出で名を上げた小泉氏だが、コメ問題は課題が山積みだ。

 農林水産省が公表した9月15日~21日のスーパーのコメの平均販売価格(税込み)は、5キログラムで前週より29円(0.7%)安い4246円だった。4週間ぶりに低下したものの、最高値に迫る水準まで上昇傾向にある。

 農水省が発表した2025年産米の需給見通しによると、インバウンドの増加で需要量は697万~711万トンを見込む一方、各地で増産が進んだ結果、生産量は需要を上回る728万~745万トンとみている。猛暑による渇水や台風による大雨といった気候変動リスクを踏まえて、幅を持たせた数字だ。

 政府備蓄米の供給量を加えると、来年6月末時点の民間在庫量は最大で229万トン。コメ不足を懸念する声に対し、小泉氏は「直近で最も在庫水準が高かった2015年の226万トンに匹敵する水準となる。冷静に対応してほしい」と強調する。

 小泉氏は次期総裁の有力候補だが、トップとしての資質を問われる場面もある。少数与党の自民党に対し、不満に耳を傾けてくれるリーダーが選ばれることを国民は望んでいる。

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