〈会社設立100周年〉アース製薬社長・川端克宣の『お客様目線で 〝感動品質〟の追求を!』

「 これまで当社製品をご愛顧いただいたお客様を含め、全てのステークホルダーの皆様に感謝したい。特にここ10年の世の中の変化は激しいが、次の50年、100年に向けても、社会の変化に柔軟に対応できるような会社にしていきたい」

 今年8月、会社設立100周年の節目を迎えるアース製薬。現在はJR神田駅の発車メロディに、同社の洗口液『モンダミン』のCMジングルを使用。駅の副駅名標も「アース製薬本社前」とするなど、100周年記念行事も相次いでいる。

 同社を代表するのは、『ごきぶりホイホイ』や『アースノーマット』など、国内シェア約57%を占める虫ケア用品。

 近年は〝駆除〟から〝予防〟へ消費者のニーズが変化。昨年発売した『ゴキッシュ スッ、スゴい!』は、虫の死骸も見たくない、家への侵入も予防したいという消費者ニーズに応え、発売から8カ月で前製品比約2.2倍の売り上げとなるヒット製品となった。

 足元の原材料価格高騰や他の日用品メーカーとの価格競争にさらされる中で、ヒット製品を生み出す秘訣は何なのか。

「大事なことはお客様目線。原材料価格の上昇で価格転嫁をする時も、何らかの付加価値をセットで出していかないとお客様は納得してくれない。お客様の納得感や、これなら良いな、また買ってもいいなという〝感動品質〟を追求していく」

 42歳で社長に就任してから早くも11年が経った。この間、日用品メーカー・白元の買収を手掛けた他、2026年を目途に完全子会社のバスクリンを経営統合するなど、グループ経営力の強化に注力。今後は感染症予防を含めた〝感染症トータルケアカンパニー〟への変革を目指している。

「経営者の仕事というのは、自分の任期よりも先の未来の絵を描き、種を捲いていくこと。こだわりのないこだわりというか、虫ケア用品というコア事業を大切にしつつも、未来への変化を厭わず、失敗を恐れないチャレンジ精神で、社会に必ず必要とされる会社でありたい」

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