【総務省】フジテレビ問題で事実関係解明と対応を求める

元タレント・中居正広さんと女性とのトラブルを巡るフジテレビの一連の問題に対し、放送行政を所管する総務省も対応に追われている。フジテレビは第三者委員会を設置し、第三者委が調査・検討を行った上で3月末をめどに報告書をまとめる予定だ。総務省は情報流通行政局長がフジに対し、第三者委での早急な調査と、その結果を踏まえた適切な対応と判断をするよう要請。村上誠一郎総務相も「フジテレビは早急に事実関係を明らかにし、視聴者やスポンサーの信頼回復に努めてもらいたい」と苦言を呈した。

 中居さんのトラブルは23年6月に発生。フジ側は間もなく事態を把握したが、中居さんが出演する番組の放送を続けた。1月17日の記者会見でも情報公開に後ろ向きな姿勢が目立ち、70社以上の広告主が自社CMをACジャパンの公共広告に差し替えた。同27日には当時の港浩一社長と嘉納修治会長が引責辞任し、10時間半に及ぶ記者会見を開いた。

 一連の問題が業績に与える影響は甚大だ。フジテレビは2025年3月期の広告収入が1252億円と、従来予想から233億円減少する見通しだと発表。スポンサーの間でCM差し止めの動きが拡大し、赤字に転落する見込みとなった。

 これを受け、親会社フジ・メディア・ホールディングスも通期の連結業績予想を下方修正。広告主が差し止めたCMの料金を請求しないと正式に決めたことを業績予想に反映させた結果、親会社の純利益は従来予想の290億円から98億円へと3分の1の水準に落ち込み、営業利益は180億円に半減する見通しだ。

 一方、大物の総務省官僚OBがフジの取締役などを務めていることで「天下りだ」との批判も強まっている。村上総務相は「自社の判断で採用したもので、府省庁が企業などにあっせんして再就職させる『天下り』という事実はない」と強調。火消しに追われている。

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