Amazon(アマゾン)が提供するAmazon Ads(アマゾンアド)では、EC関連の広告ソリューションを提供している。近年は、アマゾンのオンラインストアだけでなく、プライムビデオで配信するライブスポーツや、配信サービスのTwitch(ツイッチ)、FireTVなどの広告への対応も始めているという。多様な広告が、アマゾンのストア内での購買行動に、どのような影響を与えるのかを把握し、アマゾンアドの施策につなげているという。アマゾンアドの取り組みや導入事例について、Amazon Ads Japanのカントリーマネージャーを務める石井哲氏に話を聞いた。
<「発見」の体験を強化するスポンサー広告>
アマゾンでは20年以上にわたり、中小企業が直面する最大の課題を理解し、成功を支援するべく、その解決策の開発に専念してきた。
アマゾンアドでは、セルフサービス型で、リソースと予算に応じて柔軟に広告を展開できるサービスを日本で提供している。中小企業が事業戦略の中で広告投資をすると決めた際に、できるだけ簡単に使えるツールを提供したいと考えている。
アマゾンでのショッピング体験の核心には、「発見」がある。その体験をさらに強化するため、スポンサー広告を開発している。
「スポンサープロダクト広告」は、個々の商品の販売を促進している。顧客を直接、商品詳細ページに案内し、1~2クリックで簡単に閲覧や購入ができるようにしている。動画のクリエーティブを反映でき、ブランドが持つ、ストアや商品詳細ページへのトラフィック増加に貢献している。
「スポンサーディスプレイ広告」を活用すれば、アマゾンストアでショッピングをしている人はもちろん、アマゾン外の数千のアプリやウェブサイトで楽しんでいるユーザーにもリーチすることができる。
「ストア」は、ブランドがアマゾンで、独自のページを開設できる無料のツールだ。商品一覧を特集して、ブランドのストーリーを伝えることができる。
実際に、アマゾンで広告を掲載している中小企業は、平均して売り上げの26%がアマゾンアドによって推進されていることが分かっている。
<アド活用で前期比51%増の事例も>
バイク用モニターやドライブレコーダーなど、バイクアクセサリーを販売するKaedear(カエディア)は、2019年からアマゾンでの販売を開始した。「0→1(ゼロイチ)の事業は、認知を拡大するのが難しい場合がある。そこでアマゾンアドの活用を始めたようだ。
スポンサープロダクト広告を使い、検索結果の上部で、顧客に商品を見つけてもらいやすくしていた。
入札価格の低いニッチなキーワードに合わせ、広告運用を始め、徐々にインプレッションを獲得していったという。
カエディアの2023年度の売り上げは、前年度比で51%増、アクセス数は前年度比で46%増になったと聞いている。売り上げと認知の拡大につながったようだ。
G.Oホールディングスは、展開するメンズコスメブランド「NULL(ヌル)」について、2015年からスポンサー広告の出稿を開始した。現在は、全ての種類の広告を活用しているそうだ。豊富な種類の広告を、目的を決めて展開。規則性を持たせたキャンペーン管理を行っているという。
2023年度は、前年度比で売り上げが70%増になったそうだ。セッション数も約1.9倍に増えたと聞いている。