女性用商品の企画・開発・販売を行うプルチャームは今年8月、自社のヘアケアブランド「iqumore(イクモア)」の累計出荷数が17年の販売開始から100万個を突破したと発表した。
同社はウェブマーケティングに強みがある。発売の約半年前から商品に合ったプロモーションの戦略を立て始めるという。重要なのは多様な媒体をどのように活用するかだという。
▲ヒット商品のイクモアシリーズ
現在、自社ECサイトやAmazon、楽天市場で商品を販売している。グーグルのリスティング広告や、Amazon、楽天、フェイスブックなどのプラットフォ―ム内の広告も出稿し、集客している。
それぞれの広告の費用対効果を計測・分析している。
「ユーザーはさまざまな媒体を回遊して商品の購入を検討する。費用対効果が高いから続ける、低いから止めるという単純なことではなく、全体のバランスを見ながら効果的に広告を打っている」(田島一貴代表)と話す。
コールセンターにも注力、今後は若年層向けも展開
コールセンターにおける顧客対応にも注力している。問い合わせや解約依頼などのインバウンド業務と、休眠している会員の掘り起こしなどを行うアウトバウンド業務でコールセンターを分け、それぞれ異なる企業に委託している。
日ごろから社員1人ひとりが数値に基づくマーケティングを徹底しているからこそ、コールセンターとの連携が取れているという。実際に、解約の問い合わせを新商品の開発に生かしたり、数値情報などを共有しながら有効なトークスクリプトを作成したりしている。
「売れ筋商品である育毛剤のメーンユーザーは40代~50代。電話の問い合わせも多い。解約防止のきっかけとなる商品やサービスのほとんどが、顧客の声から生まれる」(同)と話す。
年内には、薄毛や髪質に悩む若年層に注目し、若者向けのヘアケア商品を本格的に売り出す計画もある。ブラウザで検索することが少ない10代~20代に向けて、SNSやリアルでの訴求を行う考えだという。
▲今後、本格的に売り出す「イクモアキュート」
「まずは、どうしたら商品を手に取ってもらえるか、使ってもらえるかを考えて訴求していきたい。トリートメントなどは1回ですぐに効果を実感できるもの。使わなくなったときに自社製品の良さを実感していただければ」(同)と商品への自信も見せた。