iFLYTEK、中国で人気のボイレコを日本で本格展開 オフラインでも文字起こしが可能

AIソリューションやAI技術製品を展開するiFLYTEK(アイフライテック)は2020年、日本法人を立ち上げた。2024年8月には、日本での自社ECサイトを開設。本社を置く中国で人気商品となっている、ボイスレコーダーや翻訳機を本格的に展開していくという。

同社は、音声認識の大会で多数の受賞歴を持つなど、AI技術に強みを持っている。日本では、2年前から卸を中心に商品を展開していた。2024年8月には、メディア向けに、商品と事業戦略の発表会を開催。日本での本格展開を開始することを明らかにしている。

「中国ではボイスレコーダー市場の50%近くを当社が占めているが、日本市場はまだまだこれから。単なるボイスレコーダーではなく、音声認識技術やAIによる文字起こしという付加価値を武器に、日本での展開を強化していく方針だ」(コンスーマ営業部 亀田佳生マネージャー)と話す。

同社で販売しているAIボイスレコーダーは、オンライン経由での文字起こしを行っていた。しかし日本では、それが導入の妨げになるケースもあったという。「オンラインだと、セキュリティーポリシーの問題で、企業や行政が導入できないという問題があった。外国のサーバーということも不安の材料だったかもしれない」(同)と話す。

そこで同社では2023年、オフラインでも文字起こしができるボイスレコーダーを日本で発売した。「オンラインに比べると多少精度は劣るものの、オフラインにしたことにより、企業や行政への導入事例も出てきている。問い合わせがあった際には、試験的に貸し出しを行うなどして、まずは使ってもらっている」(同)と言う。

▲AIボイスレコーダー「VOITERSR502J」(税込5万9900円)

「ボイスレコーダーや翻訳機は、今やスマホでも対応している機能だ。だが実際に使用すれば、精度の高さや使いやすさを分かってくれるはず。大きな市場ではないため、大規模な広告投資などは難しいかもしれないが、まずは商品認知の拡大と、使用感を知ってもらうことに注力していきたい」(同)と話している。