電通デジタルは9月25日、AIを活用した新たな購買体験を創出するプロジェクト「Commerce AI Lab.」を本格始動した。EC担当者の業務を効率的かつ迅速にサポートし、顧客ごとに沿った最適な購買体験創出と新たな価値創造を提供する。
電通デジタルは、顧客体験基点のコマースマーケティングにおける知見と実績を有し、実店舗とECを統合した企業のコマース全体の戦略設計から制作・運用まで、購買データ活用を軸に豊かな顧客体験の実現に向けた支援を推進している。
AI事業では、クライアント企業のマーケティング戦略において、AIを活用したマーケティングソリューションブランド「∞AI（ムゲンエーアイ）」をはじめ、新たな価値を創造するためのさまざまなAIソリューションを提供している。
このほど、AIを活用した新たな購買体験を創出するプロジェクト「Commerce AI Lab.」を本格始動した。このプロジェクトでは、自社の有するケイパビリティをかけ合わせた複数の取り組みを通し、EC担当者の業務を効率的かつ迅速にサポートすることに留まらず、顧客1人ひとりに沿った最適な購買体験創出と新たな価値創造を提供する。
現時点での具体的な取り組みは、「対話型コマース」「商品DNA作成」「AIペルソナ作成」「対話型レビュー生成」の4つ。
「対話型コマース」では、ECサイト上において、AIチャットとの対話を重ねることで顧客の潜在的なニーズを引き出し、パーソナライズされた購買体験を提供。チャット記録を通して顧客インサイトを含めたさまざまな情報を収集し、今後の事業戦略に活用することも可能だ。
「商品DNA作成」では、商品の基本情報に加えて、過去の顧客レビューなどをもとにAIが顧客の求める商品情報を新たに作成し、より顧客それぞれの好みに合った選択肢で商品を選べるようレコメンド機能を使った情報提供を行う。レコメンドされた衣類などの商品は、ECサイト上でバーチャル試着もでき、実店舗と同様に納得して購入できる。
「AIペルソナ作成」では、電通グループ独自の大規模調査データの活用によってAIペルソナを作成。そのペルソナと対話を重ねることで、ターゲット層に響くような商品・サービスや事業戦略のアイデアの創出を短期間かつ低コストで実現する。
「対話型レビュー生成」では、商品購入後のレビュー作成において、レビュー生成AIとの対話を通じた情報収集をもとに、レビュー生成からECサイトへのレビュー投稿までの一連の作業をすべてAI活用で実施。高品質なレビューを簡単かつ大量に生成することで、顧客の購買意思決定をサポートする。
この他にも、国内外のプラットフォーマーやクライアント企業との協業を行うなど、さまざまな取り組みの実施を随時、企画・検討している。
昨今のデジタル時代において、生活者のライフスタイルは日々変化し、企業の顧客接点構築も多岐にわたっている。コマースマーケティングにおいても、多くの企業がECのみならずデジタル広告やSNS、オウンドメディア、パーソナルチャネル、さらにリアル店舗も含めた多様なタッチポイントとの適切な連携と成果最大化の実現が急務となっている。
こうした状況下において、EC担当者の膨大な業務とリソース不足を解決し業務効率化をサポートするだけでなく、顧客のインサイトをとらえて新たな価値を創出するAI活用への注目が高まっているとし、「Commerce AI Lab.」プロジェクトの始動に至ったとしている。
電通デジタルは今後も、企業の抱えるコマースマーケティングの事業課題の解決に向けて、最適なAI活用施策を創出し、豊かな顧客体験実現を通した企業の事業成長に貢献していく考えを示した。
