【LINEギフトの成長戦略は?】LINEヤフー 嘉戸彩乃氏「LINEギフトは毎年GMV30%増の成長目指す」

LINEヤフーはこのほど、LINE上でギフトを贈れる「LINEギフト」の成長戦略を発表した。執行役員ソーシャルコマース統括本部長の嘉戸彩乃氏は、「今後の注力テーマは3つある。『商品』『機能』『贈るシーン』を強化し、今後5年間は流通額(GMV)を毎年、前年比30%以上の成長を目指していく」と決意を話す。

「LINEギフト」は2015年4月にサービスの提供を開始した。2024年7月時点で「LINEギフト」を贈ったことがある、もしくは受け取ったことがある人の数は累計で3500万人を突破した。

2024年3月期の「LINEギフト」のGMVは前期比29%増、2024年4‐6月期のGMVも前期同期比42%増と高い成長率を誇っている。伸長の背景には、住所を知らなくても自宅に商品を贈れる「配送ギフト」の利用比率の拡大がある。

配送ギフトの比率は2019年度が17%だったが、2023年度は39%にまで拡大している。約1500店舗の出店ショップ数と、約40万の商品数を取りそろえることで、幅広いギフトシーンに対応している。

「LINEギフト」はイベント当日に最もGMVが伸びる点が特徴だ。2024年の母の日当日のGMVは前年同日比60%増、父の日当日のGMVも同68%増だった。

「手元に商品が届くのは後日だが、ギフトを贈るという行為と気持ちは当日届くため、イベント当日のGMVが拡大する」(嘉戸執行役員)と話す。

<3つの軸で成長>

「LINEギフト」は今後、3つの軸を強化する。「商品」では、日常使いから贅沢さを感じる商品まで、多様なギフトシーンに対応できるようラインアップを拡充する。特に商品数は制限を設けず、ギフトを贈りたくなるような商品の開発に注力する。

「新たなブランドからの出店につなげるということもあるが、それ以上に現在、出店している企業とともに『LINEギフト』で贈ってもらいやすいギフト商品を開発していく」(同)と話す。

「機能」では、さらに受け取り人が喜ぶパーソナライズ機能の開発に注力する。現在、「LINEギフト」では、ギフトに名前やメッセージを刻印できる名入れ機能や、受け取り人が色や香りを選べる機能などを提供している。

「名入れ機能はまだ適用商品が限られるため、適用商品を増やしていく。『LINEギフト』において、贈るギフトを決めきれないという人も一定数いる。そのため、『この商品なら贈っても大丈夫だろう』とどうすれば安心して贈ってもらえるかをしっかりと考えていく」(同)と話す。

「シーン」では、誕生日のほか、さらに贈るシーンの掘り起こしに注力していくという。